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📡 Signal|政府のサイバー緊急対策、予備費100億円 ブロッキング検討を加速
政府が緊急対策パッケージをまとめ、予備費100億円を決めた。流出情報が載るサイトへの接続を遮断するブロッキングの検討を急ぎ、官民の救援隊を置く。全体の財源はこれから決まる。

政府は11月6日、サイバーセキュリティに関する関係閣僚会議を開き、「サイバーセキュリティ緊急対策パッケージ」をまとめた。同じ日の閣議で予備費100億円の使用を決め、高市総理はサイバー対処能力強化法の改正の検討を古川サイバー安全保障担当大臣に指示した。
10月26日の第1回会合で「来週中をめど」とした期限の内に、形が出た。流出した情報の拡散をどこまで止めに行くか、という難しい問いも同時に表に出た。
予備費100億円の使い道
片山財務相の会見によると、予備費の内訳は次の3つだ。
- 政府機関などの重要システムで AI を使って脆弱性を点検する経費: 20億円
- 警察のサイバー対策のための資機材の整備などの経費: 41億円
- デジタル庁のシステムのセキュリティ強化の経費: 38億円
3項目を足すと99億円で、会見の概要は総額100億円との差に触れていない。高市総理の発言は「約100億円」としている。
これは「直ちに必要」な分で、総理は財務大臣と関係大臣に、パッケージ全体に必要な財政措置をさらに検討するよう求めた。全体でいくら要るのかはまだ示されていない。
4本の柱と、時事通信が伝えた具体策
官邸が公表した柱は4つある。AI も活用した基本的な対策の徹底、情報の収集と集約および捜査・分析の体制の強化、サイバー攻撃への対処の戦略的な実施、被害者の支援と被害拡大の防止だ。
時事通信によると、具体策は次のとおりだ。
- ブロッキング: 流出した個人情報が掲載されたサイトへの接続を強制的に遮断する仕組みを、法的な課題を含めて早急に検討する
- 官民サイバー救援隊 (仮称): 専門人材のチームを被害企業に派遣して初動を支える。年度内の設置を目指す
- トップガン人材チームと、潜在的なリスクを抱える企業に対策を促すアウトリーチ・チーム (仮称): 月内に発足させる
ブロッキングは、この中で最も論点が重い。時事通信によると、憲法が保障する通信の秘密との関係が論点になる。これまで止める手段が限られていた流出データの二次被害に手を入れる一方、一度作った遮断の仕組みをどの範囲に限定するかという問いが残る。
法改正で問われる「数時間」
官邸によると、総理は古川大臣に次の検討を具体的に指示した。
- 日本を標的にした攻撃を把握する情報収集の能力を強めるため、サイバー対処能力強化法の改正を検討する
- 基幹インフラ事業者からの報告を早め、攻撃の情報が数時間以内、少なくとも同日中に国家サイバー統括室へ届く体制を目指す
- 政府機関に加えて民間企業への不審な通信も把握・分析できる仕組みを、主要国の例を参考に検討する
3つ目は、国が民間の通信のどこまでを見るかという問題で、ブロッキングと同じ論点につながる。サプライチェーンのリスクについても、政府のシステムの点検を進めつつ、官民で必要な制度を国家安全保障局を中心に検討するとした。
受け手の側でも動きが出た。金融庁は同じ日に利用者へのお願いを公表し、流出情報を使った偽のメールのリンクを安易に開かないこと、パスワードを使い回さないこと、フィッシングに強い多要素認証を使うこと、覚えのない取引の通知があれば金融機関へすぐ連絡することを呼びかけた。攻撃者が AI を使っている可能性を指摘した前日の国家サイバー統括室の文書と合わせると、事業者と利用者の両方に基本の徹底を求める形がそろった。
次に見るもの
確認先は2つある。1つは官邸と国家サイバー統括室の公表で、月内に発足するとしたトップガン人材チームとアウトリーチ・チームが予定どおり立ち上がるかを11月末に見る。もう1つは片山財務相の閣議後会見で、パッケージ全体の財政措置の額が示されるかを見る。ブロッキングの法的な整理と強化法の改正案は、その後の国会の議題になる。
ことば
- ブロッキング — 特定のサイトへの接続を、通信事業者の段階で遮断する仕組み。通信先を確認する必要があるので、通信の秘密との関係が論点になる。
- サイバー対処能力強化法 — 能動的サイバー防御の柱となる法律。基幹インフラ事業者の被害報告や、国による情報収集の枠組みを定める。今回は見直しの検討が指示された。
- 予備費 — 予算の成立時に使い道を決めず、緊急の支出に備えて積んでおく資金。国会の議決を待たず閣議で使える。
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