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SNAPSHOT 2026-11-03 12:03 JST

Signal

📡 Signal|北朝鮮の金与正氏、Binance 流出の FBI 認定を否定

金与正氏は11月2日、Binance の60億ドル超の流出を北朝鮮の犯行とした FBI の認定を「重大な政治的挑発」と否定。反証は示さず、矛先を米国の戦略ビットコイン備蓄に向けた。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|北朝鮮の金与正氏、Binance 流出の FBI 認定を否定

北朝鮮の金与正 (キム・ヨジョン) 朝鮮労働党中央委員会部長は11月2日、Binance から60億ドル超の暗号資産が盗まれた事件を北朝鮮の犯行とした米連邦捜査局 (FBI) の認定を否定する談話を出した。朝鮮中央通信 (KCNA) が3日に伝えた。談話は米国の主張を「荒唐無稽で目新しくもない」と退け、「重大な政治的挑発」だと非難した。

FBI が10月31日に攻撃者を「TraderTraitor」と名指しし、洗浄に使われるアドレスの一覧を民間に配ってから、平壌の反論が出るまで2日。反論は事実関係の反証を含まず、矛先を米国の暗号資産の戦略備蓄に向けた。FBI の認定の中身は、11月1日の Signal で読んでいる。

談話が述べたこと、述べなかったこと

KCNA の英語版に載った談話は短い。要点は次の4つだ。

  • 認定の否定 — FBI は北朝鮮が「支援する」ハッキング組織の関与の情報を得たとして、北朝鮮を「サイバー犯罪国家」に仕立てようとしている。その主張は荒唐無稽で目新しくもない
  • 前例の引用 — 米国は昨年も、取引所 Bybit のハッキングを北朝鮮のせいにしようとした
  • 主権の問題としての位置づけ — 世界中のサイバー犯罪を北朝鮮の仕業のように見せるのは重大な政治的挑発で、新しい領域での主権の侵害だ
  • 警告 — 米国の敵視を改めて確認した。米国の極めて不快な敵視の姿勢について、さまざまな面で再考すべき問題がある

談話に無いものもはっきりしている。FBI が公表した ETH 608・BTC 19・SOL 1 のアドレスに対する説明も、資金の流れについての反論も無い。「再考すべき問題」が何を指すのかも書かれていない。韓国の SBS は、ハッキング事件への反応を外務省ではなく対外政策を担う金与正氏が出したのは異例だと伝えている。

矛先は米国の戦略備蓄に

談話の後半は、攻撃者を別の場所に探させる構成になっている。現政権は昨年発足するとすぐに、不法に盗まれた暗号資産を没収して国家の戦略備蓄に使うと発表した。盗まれた暗号資産が取り戻されたとき、それを手にするのが誰かを注意深く見れば、ハッキングの背後に誰がいるかの手がかりが得られる、という論法だ。

指しているのは、2025年3月6日の大統領令だ。命令は、刑事・民事の没収手続きで最終的に国庫に帰属したビットコインを戦略ビットコイン備蓄に充てると定めている。一方で同じ命令は、政府が持つデジタル資産を、特定でき確認できる犯罪の被害者へ返す使い道も明記している。備蓄に入るのは没収が確定した資産で、盗まれた資産が自動的に流れ込む仕組みではない。

今回の流出では、Binance が被害の大半を自己資金で補塡したと発表している。凍結や差し押さえで取り戻された資金が、最終的に誰の手に渡るか。それを決めるのは、被害を受けた側と各国の没収の手続きで、談話の論法とは別の場所にある。

一覧の効力は談話では変わらない

談話は Bybit の例を自ら引き、今回も同じ構図だと主張した。2025年2月の Bybit の約15億ドルの流出も、FBI が北朝鮮の TraderTraitor の犯行と認定した事件だ。今回は被害額が約4倍になり、反論の出し手は党の部長になった。

FBI の認定は、資金の洗浄の経路にいる事業者が取引を断る根拠として出された。北朝鮮の否定は、その一覧の効力を変えない。THORChain のノード運用者や即時交換の事業者が遮断に動くかどうかを決めるのは、一覧の更新とチェーン上の資金の動きだ。

次に見るもの

確認先は、FBI のサイバー部門の告知ページと KCNA の英語版だ。洗浄が進めば FBI のアドレスの一覧は更新され、BTC や他のチェーンのアドレスが増えるはずだ。KCNA 側では、「再考すべき問題」が米朝の接触や対話についての具体的な措置として、外務省の談話などで示されるかを見る。Binance については、出金の再開の進み具合と次の準備金の証明の公表が、補塡が残高に戻ったかを利用者が確かめられる場になる。

ことば

  • 金与正 — 金正恩総書記の妹で、朝鮮労働党中央委員会の部長。韓国・米国・日本に向けた談話をたびたび出し、対外的な発信の窓口になってきた。
  • 朝鮮中央通信 (KCNA) — 北朝鮮の国営通信社。党や政府の公式な談話・声明を国内外に配信し、英語・日本語など複数の言語版を持つ。
  • 戦略ビットコイン備蓄 — 2025年3月の米大統領令で設けた、政府保有のビットコインの備蓄。没収が確定したビットコインを充て、原則として売却しない。

🔗 一次ソース

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