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📡 Signal|CFTC、永久先物を巡る CME の訴えに「損害なし」と反論
CFTC が CME の永久先物訴訟に再反論。CME の暗号資産先物の取引は承認後に増えており、損害がないため訴える資格がないと主張した。

米商品先物取引委員会 (CFTC) は10月16日、暗号資産の永久先物 (perpetual futures) を認めた CFTC の命令と方針表明を取り消すよう求める CME の訴えについて、ワシントンの連邦地裁に訴えの却下を重ねて求める書面を出した。CFTC は、CME の暗号資産先物の取引量は承認の後にむしろ増えており、具体的な損害がない以上、訴える資格 (原告適格) がないと主張した。
争点は、永久先物が「先物」か「スワップ」かという商品の分類より手前の、競合する取引所が規制当局の承認を裁判で争えるかにある。CFTC は、CME 自身の月次の取引量の統計を証拠に並べた。初期報は20日の 速報 で伝えた。
CME の統計で、CME の損害を否定する
CFTC の書面は、CME が公表している月次の取引量の報告から、暗号資産の先物 12 商品の月間の取引枚数を並べた。承認のあった2026年5月の合計は 266万960 枚、9月は 328万2,530 枚で、62万1,570 枚増えている。
- ビットコイン先物: 5月 25万9,329 枚 → 9月 26万7,693 枚
- マイクロ・ビットコイン先物: 111万3,719 枚 → 135万4,088 枚
- イーサ先物: 32万6,981 枚 → 37万8,292 枚
- マイクロ・イーサ先物: 73万5,326 枚 → 91万1,822 枚
12 商品のうち 5月より減ったのは Chainlink の先物の 1 つだけだった。CFTC は、永久先物が米国の取引所で取引されるようになってから 4 か月以上がたち、損害があるならもう表れているはずだと書いた。
さらに CFTC は、CME の7月22日の決算説明の原稿を引いた。CME の経営陣は、永久先物を出す用意はあるが顧客の需要が乏しいため出していないと説明し、暗号資産の先物の取引量は、永久先物がある中でも過去 3 年で 7 倍を超えたと述べていた。CFTC は、これを CME 自身による損害の否定として扱っている。
競合相手は、規制の監督役になれるか
CME の言い分は、永久先物は満期がないので先物ではなくスワップであり、CFTC は別の規制の枠組みで扱うべきだったというものだ。訴えでは、永久先物が CME とその先物商品と競合することを原告適格の根拠にし、競争が増えることを示せば金銭的な損害の証明は要らないと主張している。
CFTC はこれを退けた。連邦最高裁や首都ワシントンの連邦控訴裁の判例を引き、競合相手が規制の恩恵を受けたというだけで市場の参加者が損害を受けたとする「際限のない原告適格」は認められていないと書く。1 ドルの損害も示せず、求める救済がその損害をどう解消するかも説明できない原告の訴えは、連邦裁判所で扱うものではないとした。CME が求める永久先物の「スワップ」への分類替えが、CME の事業にどう効くのかも説明されていないと指摘している。
訴えは6月18日に起こされ、CFTC は9月2日に却下を申し立てた。今回の書面は、CME の反論に対する再反論にあたる。判断は Colleen Kollar-Kotelly 判事に委ねられている。
判断が分けるもの
原告適格が認められなければ、裁判所は永久先物が先物かスワップかという本題に入らずに訴えを退ける。その場合、CFTC の承認の下で米国の取引所が永久先物を上場する流れは、裁判の結論を待たずに続く。認められれば、本題の審理に進み、永久先物の上場の前提そのものが争われる。
CME は同じ時期に、Uniswap や Bitcoin Cash の先物を加え、満期のある暗号資産の先物の品ぞろえを広げている。永久先物を自ら出さずに、満期のある先物を増やす戦略と、永久先物の分類を裁判で争う戦略を並行させている形だ。
次に見るもの
確認先は、首都ワシントン連邦地裁の事件番号 1:26-cv-02157 の記録だ。判事が却下の申し立てに判断を出すか、口頭弁論の日程を入れるかを見る。CME の次の四半期の決算説明で、永久先物の扱いや訴訟に触れるかも手がかりになる。
ことば
- 永久先物 (perpetual futures) — 満期のない先物。決まった間隔で買い手と売り手が資金をやりとりする仕組み (ファンディング) で、価格を現物に近づける。海外の暗号資産取引所で取引の主役になってきた。
- 原告適格 — 裁判で訴える資格。米国では、原告が具体的な損害を受け、それが訴えた行為から生じ、判決で解消できることを示す必要がある。
- スワップ — 二者が将来のキャッシュフローを交換する契約。米国では先物と別の規制の枠組み (登録・取引の場・報告の規則) が適用される。
🔗 一次ソース
