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円の決済が、二つの設計に割れる
🎯 今日の主役
日本の証券とステーブルコイン決済が、二つの陣営に分かれ始めた。片方はSBI。16日に米Ondoと組み、日本株をトークン化して海外投資家へ届ける枠組みを発表した。決済と担保には自社の信託型円ステーブルコインJPYSCを充てる構えで、基盤はSolanaへ寄せている。もう片方は野村ホールディングスと大和証券グループだ。3メガ銀(三菱UFJ・三井住友・みずほ)と連携し、ステーブルコインを使った証券の即時決済を実証する方向に動いている。
同じ「円のオンチェーン決済」に、別々の設計思想が並び立つ。SBIの北尾会長は、この連合への参加を明確に拒んだ。画一的で競争を制限する枠組みには乗らない、という趣旨である。一方は海外の流動性へ日本の資産を開く方向、もう一方は国内の大手が横で足並みを揃える方向。どちらも「株や投信を24時間動かす」という同じ目的地を語りながら、通る道が違う。
構造として見るべきはここだ。トークン化されたRWA(実物資産)の市場は、この1年で59億ドルから219億ドルへ膨らんだ。器はもう用意されつつある。問われているのは、円建ての証券決済が誰の基盤に載り、どのステーブルコインで清算されるのか——その規格を、いま日本の金融機関が別々に書き始めているという事実だ。
📎 直近24時間の動き
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SBIは、日本株などのトークン化で米Ondo Financeと提携した。Ondoのオンチェーン基盤を通じて海外投資家へ提供し、決済や担保にJPYSCの活用を検討する。JPYSCは日本初の信託型円ステーブルコインで、SBI新生信託銀行が発行、6月24日に発行を開始している。 https://bittimes.net/news/225658.html
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SBIは、tokenization・ステーブルコイン発行の基盤をSolanaへ寄せる方針を示した。SBI Solana Globalを通じ、7月にはDeFiのリスク運用基盤Gauntletへ1億2,500万ドルを出資、Solana Foundationとも戦略提携した。 https://www.coindesk.com/business/2026/07/13/sbi-holdings-blockchain-initiative-pivots-to-solana-for-tokenization-stablecoin-issuance
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野村ホールディングスと大和証券グループが、3メガ銀と連携し、ステーブルコインを用いた証券の即時決済を実証する方向にあると報じられた。SBIの北尾会長は、この連合への参加を否定している。 https://www.sbbit.jp/article/fj/180639
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米国のCLARITY法案(H.R. 3633)について、成立を織り込む予測市場のオッズが過去最低へ下げたと報じられた。トランプ大統領が上院議員と会談したにもかかわらず、8月7日の休会前に残る本会議日程は限られている。 https://x.com/Polymarket/status/2078134437020115172
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予測市場のKalshiが、日本株が「テクニカルな調整局面」に入ったと速報した。日本の長期金利は一時2.8%台へ上昇し、30年ぶりの水準にある。 https://x.com/Kalshi/status/2078134706202140677
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米国のビットコイン現物ETFに、直近3日間で3億6,800万ドルの資金が流入したと伝えられた。 https://x.com/BitcoinMagazine/status/2078169080092131486
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Circleが、GENIUS法の枠組みのもとでの透明性・説明責任について、NYSEでの説明を紹介した。 https://x.com/circle/status/2078154574448488554
🧭 今日の焦点 3件
【1】「海外へ開く」か、「国内で揃える」か
SBIとOndoの提携は、日本株というローカルな資産を、オンチェーンで海外の投資家層へつなぐ設計だ。決済は自前の円ステーブルコインJPYSC、基盤はSolana。速さと国際流動性を優先している。
対して野村・大和と3メガ銀の実証は、国内の大手が同じ土俵で即時決済の仕組みを作る方向にある。安定と相互接続を優先する構図だ。北尾会長がこの連合への不参加を明言したことは、二つの路線が単なる技術選択ではなく、「誰と組むか」という戦略の分岐でもあることを示している。
【2】ステーブルコインが「決済通貨」になるということ
JPYSCが信託型で発行され、証券決済や担保に使われる——ここで重要なのは、円ステーブルコインが「送金に便利」以上の役割を担い始めている点だ。証券の受け渡しを清算する通貨として組み込まれれば、その円ステーブルコインは市場インフラの一部になる。
どの円ステーブルコインが、どの証券基盤で清算通貨として採用されるか。この一点が、後の標準を左右する。SBIはJPYSCで垂直に押さえにいき、メガ銀連合は共同の実証で横に広げにいく。器(トークン化RWA)は1年で3.7倍に育った。次に決まるのは、その器を動かす通貨と決済網の側だ。
【3】制度は器を追いかける
日本では15日に改正金融商品取引法・改正資金決済法が成立し、暗号資産が正式に「金融商品」として位置づけられた。制度の側は、証券決済のトークン化やステーブルコインの利用を前提にした土台を、後から整え始めている。
海外に目を移せば、米国のCLARITY法案は膠着し、成立オッズは過去最低へ沈んだ。日本株は調整局面に入り、長期金利は30年ぶりの水準にある。マクロが軋む局面で、決済インフラの規格争いだけが静かに前へ進んでいる。制度と市場が足踏みする間に、配管の設計は先に固まっていく。
📊 数値スナップショット
基準時刻: 2026-07-18朝JST。各社の7月13〜18日の公表・報道情報を整理。
SBI×Ondo: 7月16日発表|日本株等をトークン化しOndoのオンチェーン基盤で海外へ|決済・担保にJPYSC活用を検討。
JPYSC: 日本初の信託型円ステーブルコイン|SBI新生信託銀行が発行|6月24日発行開始。
SBIのSolana関連: SBI Solana Global|Gauntletへ1億2,500万ドル出資(7月)|Solana Foundationと戦略提携。
トークン化RWA市場: 約59億ドル → 約219億ドル(過去1年)。
日本市場: 長期金利 一時2.8%台(30年ぶり水準)|日本株はテクニカルな調整局面入り(Kalshi速報)。
⚡ 先行指標 Watch(48-72h)
- 野村・大和+3メガ銀の実証が、参加行や対象商品を具体的に示すか。
- SBIのJPYSCが、証券決済の担保・清算通貨としてどこまで採用を積むか。
- CLARITY法案に上院本会議の審議時間が割り当てられるか。米上院の動き次第で、日米の制度スピード差がさらに開く。
- 日本株の調整が金利上昇と重なり、リスク資産全体へ波及するか。
- ビットコインETFの資金流入が続くか、3日間の流入が一過性で終わるか。
🔄 48-72h 分岐(観察軸)
Base scenario: 二つの陣営が並走を続ける。SBIは海外流動性とJPYSCで垂直に、メガ銀連合は国内の共同実証で横に。円のオンチェーン決済は「一つの標準」ではなく、当面は複数の設計が併存する。
Risk scenario: 陣営間の非互換が固定化し、円建てトークン化資産の流動性が分断される。マクロの逆風(金利上昇・株式調整)が重なり、実証の歩みが慎重化する。
Alt scenario: 実証の過程で相互接続の必要が意識され、清算通貨や決済網の仕様が共通化へ向かう。制度(改正金商法)が後押しし、円建てRWAの決済基盤が一つの規格へ収れんし始める。
🔗 一次ソース / 関連リンク
- SBI×Ondo 提携(日本株トークン化・JPYSC活用): https://bittimes.net/news/225658.html
- SBI、tokenization/ステーブルコインでSolanaへ: https://www.coindesk.com/business/2026/07/13/sbi-holdings-blockchain-initiative-pivots-to-solana-for-tokenization-stablecoin-issuance
- 野村・大和+3メガ銀のステーブルコイン証券決済実証(北尾会長は不参加): https://www.sbbit.jp/article/fj/180639
- SBIのJPYSC・DeFi投資の全体像: https://www.kucoin.com/news/flash/sbi-expands-chain-based-financial-ecosystem-with-jpysc-defi-investments