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SNAPSHOT 2026-10-27 23:03 JST

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📡 Signal|ロンドン証取の上位100社が xStocks になる——110か国で買え、英国では買えない

ロンドン証券取引所と Payward が上位100社のトークン化を発表した。110か国超で取引できるが、英国の投資家は対象外。取引所自身の24時間の場は2027年で、株式はその第一陣に入っていない。

LiveMakers Editorial Desk

📡 Signal|ロンドン証取の上位100社が xStocks になる——110か国で買え、英国では買えない

9月1日、ロンドン証券取引所と、暗号資産取引所 Kraken の親会社である Payward が、同取引所に上場する規模上位100社の株式をトークン化すると発表した。Payward の xStocks という枠組みに載せる形で、第一陣は数週間のうちに提供が始まる。トークンは原株1株に1つが対応する裏付けを持ち、110か国を超える国・地域の適格投資家が取引できる。

London Stock Exchange to launch LSE 24(ロンドン証券取引所・2026年7月21日。取引時間17:00-07:50、18:30-19:00の30分停止、本体市場08:00-16:30との併存、2026年末までの顧客テスト、2027年上期にETPで開始し株式は「次の段階」、規制当局の承認前提、ホゲット氏の発言を確認)lseg.com

ただし、その110か国に英国は入っていない。xStocks は現時点で英国居住の投資家に提供されていない。英国最大級の企業の株式が、24時間動くトークンとして海外の投資家に開かれ、その企業が上場している国の投資家には開かれない。取引所が自国市場への新しい入口を作り、その入口を自国の投資家が通れないという構図になる。

発表の中身は、すでに決まったこと・規制当局の承認を前提とすること・「探索する」としか書かれていないことが混在している。順序を取り違えると、この発表は実際より進んで見える。分けて読む。

決まったのは供給で、取引所での取引はまだ条件付きだ

確定しているのは供給側だ。上位100社が xStocks として提供される。第一陣は「数週間のうち」で、具体的な日付は示されていない。取引の場は Kraken と、xStocks Alliance に参加する各プラットフォーム、自己保管ウォレット、対応するオンチェーンのアプリケーションである。ここまでの経路は、ロンドン証券取引所の売買システムを一度も通らない。

条件付きなのが取引所側だ。ロンドン証券取引所は xStocks を自らの24時間取引の場である LSE 24 に上場させ、取引を支える意向を示しているが、これは規制当局の承認を前提としており、時期は2027年とされている。

三つ目の層が探索段階にある。両社は、ロンドン証券取引所のインフラを通じて株式トークンを直接発行する道を検討するとしている。既存株式の写しではなく、発行の時点からオンチェーンにあり、従来株式と同じ権利と完全な代替性を持つもの。これは合意でも計画でもなく、検討事項として置かれている。

同取引所の最高経営責任者ジュリア・ホゲット氏の発言も、その建て付けに沿っている。「Payward と協働し、市場インフラのエコシステム全体で連携を続けることで、公開市場を支える基準を維持しながら、発行体と投資家が新しい形のアクセスからどう便益を得られるかを探っている」。中心にある動詞は「探る」だ。

110か国に開き、英国には開かない

xStocks を発行してきたのはロンドン証券取引所でも Kraken でもなく、Backed である。Kraken は提供面であり、Backed が原株の裏付けを持つトークンを発行し、Solana 上の SPL 規格、BNB Chain 上の BEP-20 規格として展開してきた。xStocks は2025年6月に始まり、2025年12月に Payward が取得したと伝えられている。

つまり今回ロンドン証券取引所が結んだのは、自らの上場銘柄を、自らの外側にある発行体と取引所の仕組みに載せる取り決めだ。

その仕組みが英国の投資家に届かない理由について、本稿が確認できた範囲の報道は、両社の説明を伝えていない。分かっているのは事実の側だけである——110か国超で買え、英国では買えない。

xStocks はもともと、米国上場株を米国外の投資家に届ける商品として出発した。2026年7月には金融インフラ事業者 GTN との提携で米国株以外へ広げ、香港上場株を先頭に、英国・欧州・韓国を視野に入れると説明していた。今回はその延長線上にある。

ただし、米国株を米国外へ届ける構図と、英国株を英国外へ届ける構図は、意味が違う。前者は「本国では普通に買えるが、海外からは買いにくい株」を回す話だった。後者は「本国では買えない形の自国株」を作る話になる。同じ枠組みを使っていても、置かれる位置が反転している。

24時間が先に来るのは、取引所の外側だ

LSE 24 の仕様は、7月21日にロンドン証券取引所自身が公表している。ロンドン時間17:00から翌07:50までの取引で、18:30から19:00までの30分は日次処理のために止まる。本体市場の08:00-16:30とは別の場として動く。顧客のテストは2026年末までに可能になり、取引開始は2027年上期、規制当局の承認が前提だ。そして最初に扱うのは上場投資商品(ETP)で、株式は「次の段階」と位置づけられている。株式へ広げるには時期と規制の面で追加の検討が要る、というのが取引所側の説明である。

一方の xStocks は、数週間のうちに、止まらない形で英国株の値付けを始める。

順序を並べると構図が出る。ロンドン証券取引所に上場する企業の株式が24時間取引される最初の場所は、ロンドン証券取引所ではない。取引所自身の24時間の場は2027年で、しかも株式はその第一陣に入っていない。

ホゲット氏は LSE 24 の発表時に「LSE 24 は、我々の市場においてより厚い流動性、より高い効率、より広い参加を支える」と述べていた。今回の発表は、その「より広い参加」が、当面は取引所の外側の経路で先に起きることを意味する。取引所は、自らの上場銘柄が自らの外で24時間取引される状態を、遅らせるのではなく取り込む側を選んだ。

出来高の大きさと、残高の小ささ

xStocks の規模は、発表時点で累計出来高400億ドル超、うちオンチェーンで決済されたものが約200億ドル、保有者は20万人超とされる。1年余りで積み上がった数字としては小さくない。

ただし、報道ベースの集計では、トークン化株式の発行残高で xStocks は約6億600万ドルであり、首位の Ondo(約8億4,000万ドル)に次ぐ2位にとどまる。累計400億ドルの出来高に対して、残高は6億ドル台である。

この二つの数字が示しているのは、いまのトークン化株式が主に「回転する商品」であって「積み上がる保有」ではない、ということだ。ロンドン証券取引所が接続しようとしている先は、取引の量としては大きいが、長期保有の受け皿としてはまだ育っていない。ネイティブ発行の話が合意ではなく検討にとどまっている理由も、この非対称と無縁ではないだろう。発行そのものをオンチェーンへ移すというのは、回転する側ではなく積み上がる側の設計を変える作業になる。

何を見るか

  • 第一陣として実際に提供される銘柄と、その開始日。「数週間のうち」がどこまで守られるか
  • 英国の投資家への提供について、両社あるいは英国の当局から何らかの説明が出るか
  • LSE 24 の顧客テスト(2026年末まで)に株式やトークン化商品が含まれるか。含まれなければ、2027年上期は上場投資商品が先という順序が動かない
  • ネイティブ発行の検討が、合意や試験運用といった次の段階へ進むか

ここまでは供給の話だ。上位100社の株式が、取引所の外側で、取引所より先に24時間動きはじめる。それが自国の投資家に戻ってくるかどうかは、まだ誰も答えていない。

なお9月1日の発表そのものについては、本稿の執筆時点でロンドン証券取引所および Payward の公式発表ページを直接参照できていない。公式一次ソース未確認のまま、内容の一致した複数報道に基づいて書いている。LSE 24 の仕様のみ、ロンドン証券取引所自身の公表資料で確認した。

🔗 一次ソース

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