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📡 Signal|Robinhood、予測市場の会場を4つ目まで増やす。イベント契約収益は前年比10倍
Robinhood が 9 月 8 日、Crypto.com から分社した OG.com と複数年の提携を結んだ。相手方の買収ではない。OG.com は 4 つ目の会場で、そこと自社の Rothera はどちらも既存の CFTC 免許を買って手に入れたものだ。
Robinhood Markets が 9 月 8 日、Crypto.com から分社した予測市場事業 OG.com と複数年の提携を結んだと発表した。同日から段階的に、適格な米国顧客のフットボール関連のイベント契約の一部が OG.com 側へ流れ始めている。Robinhood は Crypto.com と OG.com の双方に少数株の持分を取り、その価格は Citadel Securities が 7 月に Crypto.com Group へ出資したときと同じ 200 億ドルの評価に合わせられる。
「予測市場の相手方を押さえた」という読み方は、事実の一部しか掴んでいない。OG.com は Kalshi、ForecastEx、Rothera に続く 4 つ目の会場であり、Robinhood はどこか一社に賭けない構えを続けている。買わずに少数株を持ったのも同じ設計の一部で、自社の取り分とは別に、会場側の出来高からも利害を受け取る形にしてある。
■ OG.com の規制上の中身は、2021 年に売りに出た取引所だ
OG.com が名乗る新しいブランドの下にあるのは、North American Derivatives Exchange, Inc. — 米商品先物取引委員会(CFTC)の指定契約市場(DCM)であり、同時にデリバティブ清算機関(DCO)でもある登録実体だ。注文の受け入れは CFTC 登録の先物取次業者(FCM)である OG Broker が担う。Robinhood 側の窓口は Robinhood Derivatives, LLC で、こちらも CFTC 登録の FCM である。
この DCM は今回のために作られたものではない。Crypto.com の親会社 Foris DAX Markets が 2021 年 12 月 1 日、英 IG Group から約 2 億 1,600 万ドルの現金で取得すると発表した Nadex が、名前を変えて今日に至っている。予測市場が成長事業として語られるようになるより、だいぶ前の買い物だった。
■ Robinhood 自身の取引所も、買って組み立てたものだ
Robinhood は 2025 年 11 月、Susquehanna International Group との合弁で CFTC 免許の取引所・清算機関を運営すると公表した。それが Rothera で、2026 年 1 月の MIAXdx 買収によって免許と設備が揃い、6 月に稼働している。ワールドカップとプロ野球の契約から始まり、累計の取引契約数は 35 億枚を超えたと同社は説明する。
つまり今回つながった二つの会場は、どちらも既存の免許を買って手に入れたものだ。OG.com の中身は IG Group から Crypto.com へ渡った Nadex であり、Rothera の中身は MIAXdx である。免許そのものは CFTC への申請で新しく取ることもでき、Kalshi と ForecastEx はその経路を通っている。それでも、この 1 年で会場を増やした二社はいずれも申請ではなく買収を選んだ。審査の時間と可否の不確実性が、この競争では価格に置き換わっている。
■ 前年比 10 倍が、この動きの背景にある
7 月 29 日に公表された Robinhood の 2026 年第 2 四半期決算では、イベント契約の収益が 1 億 5,600 万ドルとなり、前年同期の 10 倍を超えた。同四半期に取引された契約は 136 億枚、年初から 8 月までの累計は 300 億枚を上回る。取引ベースの収益は前年比 44% 増の 7 億 7,600 万ドルで、オプションの 3 億 4,200 万ドル、株式の 1 億 2,900 万ドルと並ぶ柱に育った。総純収益は 32% 増の 13 億 1,000 万ドルである。
この規模になると、注文をどこへ流すかは手数料率の問題ではなく設備の問題になる。米国のフットボールシーズンは会場ごとの処理能力が試される時期で、9 月 8 日という開始日はその手前に置かれている。
■ 次に見るもの
第一に、Robinhood の次の四半期決算で、イベント契約の収益と契約数がどこまで伸び、開示が会場別に割れるかどうか。第二に、OG.com 経由の契約がフットボール以外の種目・カテゴリへ広がるか。これは Robinhood のニュースルームと OG.com の上場契約一覧で追える。
第三に、Crypto.com Group からの OG.com の分社が法的にどう完了し、その過程で Robinhood の持分がどの階層に置かれるか。三つ目が最も遅く、最も効く。持分が分社後の OG.com にあるのか Crypto.com Group にあるのかで、Robinhood が受け取る経済の中身が変わるからだ。
🔗 一次ソース
- Robinhood と OG.com の提携公表文(2026年9月8日・OG.com の登録実体 North American Derivatives Exchange, Inc. が CFTC 指定契約市場かつ清算機関であること、OG Broker と Robinhood Derivatives, LLC が CFTC 登録 FCM であること、Citadel Securities 出資と同じ200億ドル評価、9月8日からの段階的ロールアウトを確認)
- Crypto.com による Nadex 買収合意の公表文(2021年12月1日・IG Group から約2億1,600万ドルの現金取得)
- Robinhood 2026年第2四半期決算(2026年7月29日・イベント契約収益1億5,600万ドル、前年比10倍超、契約数136億枚、取引ベース収益7億7,600万ドル、総純収益13億1,000万ドルを確認)
- OG.com が Kalshi・ForecastEx・Rothera に続く会場として加わること、および年初から8月までの契約数300億枚超(Yahoo Finance・2026年9月8日)
- Rothera(Robinhood と Susquehanna International Group の合弁による CFTC 免許の取引所・清算機関)でのワールドカップ契約開始の告知