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📡 Signal|DeepSeek、上位モデルv4-pro宛の全リクエストをFlashの料金へ振り替える
DeepSeek が V4.1-Flash を公開し、北京時間9月14日12時から上位モデル v4-pro 宛のリクエストを全て Flash へ回すと公式に明記した。総計552Bのうち動くのは入力側で約8B・出力側で約16B。料金表では出力が1.98ドルから0.6ドルへ落ちている。
DeepSeek が9月10日に DeepSeek-V4.1-Flash を公開し、あわせて API ドキュメントに一行を足した。北京時間の9月14日12時、協定世界時では同日4時から、上位モデル deepseek-v4-pro 宛のリクエストは全て V4.1-Flash へ回され、Flash の料金で課金される。同社は「将来 V4.1 Pro がリリースされるまで」の措置だと書いている。
上位ティアが空席になるという決め方は、単なる値下げとは違う。上位の中身が下位に置き換わり、商品棚のいちばん高い段から札が外れる。推論コストの曲線がどこで折れたかは、性能表よりも料金表に先に現れることがある。
ここで見るのは二つだ。この振り替えを支えている構造、つまり552Bのうち実際に動く部分の小ささと、料金表に出た倍率である。
552Bのうち、読むときは8B・書くときは16Bしか動かない
公式モデルカードによると、V4.1-Flash のバックボーンは総計552Bパラメータを持つ。ただし1トークンあたりで実際に活性化するのは、入力を処理する段階で約8B、出力を生成する段階で約16Bにとどまる。
構成は20層の因果エンコーダの後ろに20層のデコーダを置く形で、MoE(複数の専門家モジュールから一部だけを選んで動かす方式)の層ごとに共有エキスパート1つと経路指定エキスパート384を持ち、1トークンにつき経路指定側を6つ動かす。
効いているのはキャッシュの側でもある。同社は、全体の KV キャッシュが DeepSeek-V4-Flash のおよそ4分の1、永続化してディスクに置く分はおよそ8分の1になったとしている。1トークンあたりの占有量は890バイト、主要な KV キャッシュは FP4(E2M1形式)で保持する。コンテキストは最大100万トークン、事前学習は45兆トークンのマルチモーダルコーパスと記載されている。
読むときと書くときで動く量が違う。この非対称がここの核心だ。長い入力を読ませる用途ほど、活性化する側が小さいまま済む。
公表されたベンチマークは、DeepSWE v1.1 で74.2%解決、Terminal-Bench 2.1 で Pass@1 が90.6%、HumanEval で Pass@1 が79.4%。
料金表に出た倍率
公式の料金ページは、100万トークンあたりの米ドル建てでこう並ぶ。V4.1-Flash は入力のキャッシュヒットが0.003(オフピーク)と0.006(ピーク)、キャッシュミスが0.15と0.3、出力が0.6と1.2。ピーク時間帯は月曜から金曜の協定世界時1時から4時と6時から10時で、それ以外は半額になる。
同じ表に残っている v4-pro の従来料金は、キャッシュヒットが0.022と0.044、キャッシュミスが0.66と1.32、出力が1.98と3.96だった。
並べると差の形が見える。キャッシュミスの入力は0.66から0.15へ、およそ4分の1以下。出力は1.98から0.6へ、およそ3割。前節の非対称がそのまま価格に写っていて、読ませる側の下げ幅が書かせる側より大きい。
長い資料を丸ごと読ませて短く答えさせる、といった入力偏重の使い方は、この改定でいちばん恩恵を受ける側に立つ。
名前は残り、宛先だけが変わる
DeepSeek は V4.1 Flash が V4 Pro を性能・コスト・速度・総所要時間で上回ったと書いている。上位モデルが廃止されるのではない。エンドポイント名は受け付けられたまま、届く先と請求額が下位モデルのものに差し替わる。
これは撤去ではなく空席だ。同社の記述には「V4.1 Pro がリリースされるまで」という留保が付いていて、上位ティアという商品区分をいったん畳み、次の旗艦が用意できた時点で埋め直す前提が読み取れる。
商品棚の構造として見ると、下位モデルの改善が上位モデルの存在理由を一時的に消したことになる。値下げの告知ではなく、区分そのものの組み替えである。
推論コストの下がり方は、これまで「同じ品質がいくら安くなったか」で語られてきた。今回はそこに、上位という区分が一定期間なくなるという形が加わっている。
次に見るもの
9月14日の協定世界時4時が振り替えの開始時刻になる。その後、公式の料金ページで v4-pro の行がどう扱われるか、そして「V4.1 Pro」という名前が実際にいつ、どの価格帯で戻ってくるかが次の観測点だ。上位ティアの札が外れている期間の長さは、この事業者が推論コストの下げ余地をどこまで見ているかの目安になる。
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