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📡 Signal|CLARITY 法案の脱法防止条項、SEC は書面の形式より実態で判断
ルミス上院議員が、民主党の求めた脱法防止の文言は CLARITY 法案に入っていると投稿した。報告版の条文で、SEC が形式より実態で判断する条項と、名指しされた 3 つの手口を確かめた。

米共和党のシンシア・ルミス上院議員は10月27日 (米国時間)、X に「民主党は、SEC が事実と状況を総合して判断し、悪い者が技術的な細部でルールをすり抜けられないようにする脱法防止の文言を求めた。それは CLARITY 法案に入っている」と投稿した。続けて「民主党は、詐欺師が使う抜け道をふさぐことに反対票を投じた」と書いている。
上院銀行委員会が報告した法案の条文には、この脱法防止の条項がある。書類の形式や名前ではなく取引の実態で、規制をすり抜ける目的があったかを SEC が判断できるようにする内容で、財団や DAO を間にはさむ手口まで例として名指ししている。
ルミス氏は26日にも、SEC が虚偽の記載を理由に認定を取り消せる権限が法案に入っていると投稿しており、その条項は27日の Signal で読んだ。今回の条項は同じ仕組みの別の段にあたる。
条項は、認定の仕組みと同じ 4B 条の (m) 項
条項があるのは、法案の 102 条が証券法に足す 4B 条の (m) 項「脱法防止 (Anti-Evasion)」だ。4B 条は、トークンを発行した側 (ancillary asset originator) に開示の義務を課し、「もう開発元の経営努力に価値が頼っていない」と申し出て義務を終える認定の道を用意する条文で、27日に読んだ取り消しの条項もここにある。
(m) 項はまず、SEC が規則をつくって、4B 条・法案の 103 条 (Regulation Crypto)・104 条、そして発行側とその関係者について改正後の証券法を、故意にすり抜ける行為を防げると定める。そのうえで、規則づくりで次の考え方をとるよう書いている。
- 契約や取引、事業体の形式・名称・書面は、すり抜けを狙ったかどうかの決め手にしない
- 取り決め・権利の割り振り・別の事業体の挟み込み・手順の順番について、事実と状況を総合して、条文の字面を満たしながら趣旨を骨抜きにすることが主な目的かを SEC が考慮できる
ルミス氏の投稿の「事実と状況を総合して」は、この 2 つ目の文言をそのまま指している。
名指しされた 3 つの手口
条文は、すり抜けの目的を推し量る材料として 3 つの例を挙げる。どれも単独では決め手にならない、と断ったうえでの例示だ。
1 つ目は、トークンから配当や持ち分のような金融上の権利を外しておき、関係者や支配下の器 (名目上は独立した財団・DAO・研究所など) に実質同じ権利を持たせ直すこと。2 つ目は、ネットワークの利用を装うために関係者どうしで価値を循環させること。3 つ目は、資産の状況が実質変わっていないのに、認定や開示の義務の終了を早めたり遅らせたりするための手順の時期合わせだ。
原則だけでなく、手口の具体例まで条文に書き込んだ形だ。財団を発行体と別の主体として置くこと自体は対象にしておらず、問題にしているのは、その器を使って外した権利を戻すことになる。
一方で条文は、正当な事業目的で結ばれ、すり抜けを主な目的としない取引は脱法にあたらないと SEC が定めるよう求めている。SEC の裁量を広げる文言と、その裁量に上限を置く文言が対になっている。
票が動くかは別の話
ルミス氏は9月中旬から、民主党の要望を法案が取り込んだと一つずつ挙げる投稿を続け、26日・27日と 2 日続けて投資家保護の条項を示した。議会の記録では、法案は9月15日の手続きの採決 (クローチャー) で賛成 49・反対 50 となり、60 票に届かなかった。18日の Signal で議会記録から読んだとおり、民主党の反対の中心は公職者の暗号資産事業を縛る倫理の条項にあった。
本稿で確かめたのは、上院銀行委員会の報告版の条文だ。9月の採決の前に公表された最終版でこの条項がどう書かれたかと、民主党がこの文言を求めたことを示す資料は、ルミス氏の投稿のほかには確かめられていない。
次に見るもの
確認先は congress.gov の H.R. 3633 の審議経過のページだ。9月15日に出たティリス議員の採決のやり直しの動議にもとづく日程が、11月3日の中間選挙の前後に載るかを見る。ルミス氏の投稿が倫理の条項に触れるかどうかも、交渉がどこまで進んでいるかを測る手がかりになる。
ことば
- 脱法防止 (anti-evasion) 条項 — 規則の字面を守りながら趣旨を外す取引を、規制の対象に戻すための条文。形式より実態で判断する権限を当局に与える代わりに、正当な事業目的の取引を守る文言を対で置くことが多い。
- ancillary asset (付随資産) — 法案が使う区分で、価値が発行した側や関係者の経営・事業の努力に左右されるネットワークのトークン。発行側には開示の義務がかかり、認定によって義務を終えられる。
- CLARITY 法案 — 暗号資産の市場の監督を SEC と CFTC にどう分けるかを定める法案 (H.R. 3633)。上院では9月の手続きの採決で止まっている。
🔗 一次ソース