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📡 Signal|豪中銀、政策金利を2008年以来の4.85%に
豪中銀が今年5回目の利上げで政策金利を4.85%に。約18年ぶりの水準で、9人中6対3の割れた決定。中東と原油の供給の乱れを物価の押し上げ役に挙げた。

オーストラリア準備銀行 (RBA) は11月3日、政策金利の誘導目標を0.25%引き上げ、4.85%にすると決めた。適用は4日から。4.85%は、世界金融危機のさなかの2008年12月に4.25%へ下げて以来の高さで、約18年ぶりの水準になる。
RBA「Statement by the Monetary Policy Board: Monetary Policy Decision」(2026年11月3日・4.85%への引き上げ、6対3の票、見通しと中東・原油への言及)Reserve Bank of Australia
今年5回目の利上げで、決定は9人の委員のうち6人が賛成、3人が据え置きを主張する割れた判断だった。声明は景気の減速と失業率の上昇を認めたうえで、物価の上振れを優先した。中東の紛争による原油の供給の乱れが、物価の押し上げ役として名指しされている。初期報は3日昼の 速報 で伝えた。
1年足らずで1.25%の引き上げ
RBA の政策金利の表で、この2年の動きを並べると次のとおりだ (適用日)。
- 2025年2月・5月・8月 — 3回の利下げで4.35%から3.60%へ
- 2026年2月4日 — 3.85%
- 3月18日 — 4.10%
- 5月6日 — 4.35%
- 9月30日 — 4.60%
- 11月4日 — 4.85%
2025年に3回下げた分を今年の前半で取り戻し、9月からはそれを超えて引き締めの側に進んだ。2023年11月から1年余り続いた4.35%の天井も、今回で0.5%上回った。
声明が理由に挙げたもの
金融政策委員会の声明は、インフレ率は高止まりしており、直近のデータでは上昇が幅広い品目に広がっていると書く。国内の需給の逼迫も、以前の見立てより「やや強かった」と判断を改めた。
見通しも上に寄った。インフレ率は今後1年、3%を上回り続け、目標の2〜3%の上限に届くのは2027年の終わりごろになるという。一方で、景気は減速しており、今後1年で成長はさらに鈍る。失業率はすでに上がり、8月の見通しより大きく上がると予想を修正した。
物価の側の圧力の出どころとして、声明は海外を名指しした。「中東の紛争は解決しておらず、インフレ率が予想より高く、経済活動が予想より弱くなるシナリオがある」。世界の原油の供給の乱れが、世界と国内のエネルギー価格とインフレ率を押し上げ続けているとも書いた。
割れた6対3が示すもの
景気が鈍り、失業率が上がる局面での利上げは、中央銀行にとって最も判断の割れやすい場面だ。3人が据え置きを主張したことは、委員会の中でも、エネルギー発の物価高を金利で抑えるべきか、景気の減速を待つべきかで見方が分かれていることを示す。
それでも多数は、物価が目標に戻る時期が2027年の終わりまで延びることを重く見た。エネルギー価格の上昇が賃金や他の品目の値上げに広がる前に止める、という判断だ。原油の供給の乱れが長引くほど、この構図は豪州に限らず、景気の減速と物価高を同時に抱える他の中央銀行にも同じ選択を迫る。声明の結びは「物価を持続的に目標へ戻すために必要と考えることを続ける」で、次の利上げの余地も閉じていない。
次に見るもの
確認先は、RBA が金融政策の会合の2週間後に公表する議事要旨だ。据え置きを主張した3人がどんな論拠を挙げたかで、次の会合で票がさらに割れるか、利上げの終わりが近いかが読める。その前に、豪州統計局 (ABS) の月次の労働力調査で、失業率が声明の見立てどおり上がっていくかを見る。
ことば
- オーストラリア準備銀行 (RBA) — オーストラリアの中央銀行。政策金利 (キャッシュレートの誘導目標) を決め、物価上昇率を2〜3%の範囲に保つことを目標にしている。2025年から、政策を決める場が金融政策委員会に改められた。
- キャッシュレート — 銀行どうしが翌日まで資金を貸し借りするときの金利。RBA はこの金利の誘導目標を決めることで、住宅ローンや預金の金利に影響を与える。
- 議事要旨 — 金融政策の会合で委員がどんな議論をしたかをまとめた記録。決定の票が割れたときに、少数側の論拠を知る手がかりになる。
🔗 一次ソース
