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📡 Signal|NYSE、トークン化証券の取引所に名義書換代理人4社を追加
NYSE がトークン化証券の取引所に向け、Broadridge・Computershare・Equiniti・Superstate と契約。老舗3社で S&P 500 の99%近くの株主名簿を持つ。

ニューヨーク証券取引所 (NYSE) は11月2日、トークン化した証券を売買する新しい取引所に向けて、Broadridge・Computershare・Equiniti・Superstate の4社と名義書換代理人として契約したと発表した。すでに契約していた Securitize と tZERO に加わり、提携先は6社になる。
名義書換代理人は、上場企業の株主名簿を管理する裏方だ。NYSE によると、今回加わった Broadridge・Computershare・Equiniti の3社は合わせて5,000社近い上場企業を顧客に持ち、その中には S&P 500 の企業の99%近くが入る。米国の大企業の大半は、名簿の管理会社を替えなくても、自社の株をトークンとして発行する道筋を持つことになる。初期報は3日朝の 速報 で伝えた。
6社の顔ぶれ
NYSE は発表の中で、6社を2つの系統に分けて説明している。
- ブロックチェーンが本業の3社 — Securitize (NYSE 上場・SECZ)、Superstate、tZERO。チェーン上の名簿の管理とデジタル資産の運用の経験を持つ
- 老舗の3社 — Broadridge (NYSE 上場・BR)、Computershare、Equiniti。数十年の名義書換の実績と、発行体との長い取引を持つ
取引所の側から見ると、6社はトークンの「出どころ」になる。NYSE が扱うのは、発行体である企業が自ら出す「発行体のトークン化証券」と、保管会社が預かった株を裏付けに出すトークンの2種類で、前者を出すには、株主名簿を持つ名義書換代理人がトークンの持ち主を正式な株主として記録できなければならない。
各社の発言には、それぞれの立ち位置が出ている。Computershare の北米の発行体向け事業の CEO、アン・ボワリング氏は、同社が「発行体のトークン (IST) を提供する最初の名義書換代理人」だと述べた。Broadridge のティム・ゴーキー CEO は、トークン化の分野で毎日3,600億ドルを超える資産を処理していると語った。Securitize のカルロス・ドミンゴ CEO は、同社が NYSE の最初のデジタルの名義書換代理人に選ばれたことに触れた。
取引所の設計は1月から変わらず
取引所の設計は、親会社 ICE が1月19日に公表した内容と同じだ。24時間365日の取引、即時の決済、金額を指定する注文、ステーブルコインでの資金の受け渡しを備え、NYSE の売買の照合エンジン「Pillar」と、ブロックチェーンを使う取引後の処理を組み合わせる。決済と保管には複数のチェーンを使える設計で、どのチェーンかは示していない。
トークン化した株は従来の株と同じものとして扱われ、持ち主は配当も議決権も他の株主と同じに受け取る。取引所には、参加するすべての証券会社が差別なくつながれる。NYSE グループのリン・マーティン社長は、優先するのは「技術がどう進んでも市場の健全性を守ること」だと述べた。
ただし、取引所は規制当局の承認を待っている段階で、開業の日付はまだない。
名簿の側から、24時間市場が組み上がる
株式のトークン化は、これまで暗号資産の取引所や新興企業が、株を預かって裏付けにしたトークンを出す形で先に広がってきた。この形では、トークンの持ち主は株主名簿に載らない。NYSE が名義書換代理人を6社並べたのは、その逆側、つまり発行体と名簿の側から24時間市場を組み上げる道だ。
老舗3社が S&P 500 の99%近くを押さえている以上、残る壁は技術ではなく、承認と発行体の意思になる。企業が自社の株をトークンで出すと決めたとき、名簿の管理会社が対応できない、という理由はほぼ消えた。
次に見るもの
確認先は、SEC の自主規制機関の規則変更 (SRO Rulemaking) のページだ。この取引所に関わる NYSE グループの申請が載り、意見募集や審査の期限が示されれば、開業の時期が見えてくる。もう一つは、最初にトークンで株を出す上場企業の名前で、NYSE か名義書換代理人の6社の発表に出るかを見る。
ことば
- 名義書換代理人 (トランスファー・エージェント) — 上場企業から委託を受けて株主名簿を管理し、株の名義の書き換え、配当の支払い、株主総会の手続きなどを担う会社。トークン化した株を正式な株として扱うには、この名簿にトークンの持ち主を載せる必要がある。
- 発行体のトークン化証券 — 株を発行した企業が、自らの意思でトークンの形でも出す証券。保管会社が株を預かって裏付けに出すトークンと違い、持ち主は株主名簿に載る株主になる。
- Pillar — NYSE グループの取引所が使う売買の照合エンジン。買いと売りの注文を突き合わせて約定させる、取引所の中核のシステム。
🔗 一次ソース