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SNAPSHOT 2026-11-07 23:03 JST

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📡 Signal|Thinking Machines の Inkling 2 Small、重み公開なら中国以外で首位

Thinking Machines の Inkling 2 Small は総合指数31点。重みが公開されれば中国以外の公開モデルで最高得点になる一方、1課題の費用は前のモデルの約6倍。

LiveMakers Editorial Desk

📡 Signal|Thinking Machines の Inkling 2 Small、重み公開なら中国以外で首位

元 OpenAI 幹部のミラ・ムラティ氏が率いる米 Thinking Machines は11月5日、第2世代のモデル Inkling 2 Small を発表した。総パラメータ5,940億・推論時に動くのは170億の混合専門家 (MoE) 型で、画像の入力にも対応する。重みは当面非公開で、外部の安全試験を終えた後、来週にも Apache 2.0 ライセンスで公開する予定だという。

Thinking Machines: Inkling 2 Small (2026年11月5日・総パラメータ5,940億/稼働170億、来週 Apache 2.0 で重みを公開予定、比較表の FrontierCode v2.0 と AA-Briefcase を確認)Thinking Machines Lab

独立の評価会社 Artificial Analysis は同日、Inkling 2 Small が総合指数で31点となり、重みが公開されれば中国以外で開発された公開モデルで最高得点になると評価した。公開モデルの上位を中国勢が占めてきた構図に、米国の新興企業が数字で割って入る。ただし点数の伸びと引き換えに、1つの課題を解く費用は前のモデルの約6倍に増えた。

18点の上積み

Artificial Analysis の総合指数 (複数の試験を束ねた知能の指標) で、Inkling 2 Small は31点と、7月に出た前のモデル Inkling Small から18点伸びた。同社によれば、これは Google の Gemini 3.8 Flash (高い推論設定) と同じ水準で、中国・小米 (Xiaomi) の公開モデル MiMo-V2.6-Pro を上回る。

伸びが大きいのは、道具を使って作業をこなす課題だ。

  • 業務の自動化を測る AutomationBench: 5% → 46%
  • 実務の文書作業を対戦形式で比べる AA-Briefcase: 912 → 1527 (Claude Sonnet 5.5 の中程度の設定は1439)
  • コード作成の FrontierCode 2.0: 5% → 25%

知識を問う試験では、誤答 (幻覚) の率が61%から27%に下がった。ただし正答率は32%から34%への微増で、下がった主な理由は答える問題そのものを77%から53%に絞ったことだと Artificial Analysis は書いている。分からない問題に答えなくなったことで、点数が整った面がある。

中国の公開モデルとの距離

Thinking Machines 自身の比較表を見ると、中国勢との差はまだ残る。コード作成の FrontierCode v2.0 で Inkling 2 Small は25.4%、比較対象の中で最も高いのは中国・DeepSeek の DeepSeek-V4.1-Flash-1017 の28.5%だった。文書作業の AA-Briefcase でも、最高は同じ DeepSeek のモデル (1570) で、Inkling 2 Small (1527) はその次に位置する。

公開モデルは、重みを誰でも手元で動かし、作り変えられるモデルだ。この1年、性能で上位に立つ公開モデルは DeepSeek、Kimi、Qwen、GLM など中国勢が中心だった。米国や欧州の企業や政府機関が、国外製を避けて自前の環境で動かしたい場合、選べる上位のモデルは限られていた。Inkling 2 Small は、その空白を埋める候補になる。条件は、予告どおり重みが公開されることだ。

安くなった分を、考える量に使う

性能の伸びには費用がついてくる。Artificial Analysis によると、Inkling 2 Small が総合指数の課題1つを解く費用は1.18ドルで、Inkling Small の0.20ドルの約6倍だった。1課題あたりの出力は平均約15万トークンと、前のモデルの約4倍に増えた。トークンの単価 (入力100万トークンあたり0.30ドル、出力1.00ドル) は安いが、長く考えることで総額がかさむ。

それでも、同じ点数帯の閉じたモデルよりは安い。1課題あたり Gemini 3.8 Flash は7.77ドル、Claude Sonnet 5.5 は10.02ドルかかる。AI の価格競争は、トークン単価の値下げから、1つの仕事を終えるまでの総費用の比較へ移っている。重みが公開されれば、自前の計算資源で動かす企業にとって、この総費用はさらに下がりうる。

次に見るもの

確認先は、Thinking Machines が予告した重みの公開だ。同社は来週を目安に、外部の安全試験と攻撃側に立った試験 (レッドチーム) を終えたうえで、Apache 2.0 で全重みを公開するとしている。公開が実行されたとき、Artificial Analysis の公開モデルの順位表で、中国以外の首位として載るかを確かめる。同社自身も、安全面の評価 (アラインメント) では GPT-6.1 Sol などの閉じたモデルにまだ及ばないと書いており、公開と同時に出る安全試験の結果も見る。

ことば

  • 公開モデル (オープンウェイト) — 学習済みの重みを配布し、誰でも自分の計算機で動かしたり作り変えたりできる AI モデル。データを外に出さずに使えるため、企業や政府の採用で比較の軸になる。
  • 混合専門家 (MoE) — 多数の小さな専門家ネットワークを持ち、入力ごとに一部だけを動かす作り。Inkling 2 Small は5,940億の重みのうち170億だけを使い、計算の量を抑える。
  • Apache 2.0 — 商用利用や改変を広く認める代表的なオープンソースのライセンス。特許の利用許諾も含むため、企業が製品に組み込みやすい。

🔗 一次ソース

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