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📡 Signal|ロシア、JT の販売会社など3社も一時管理下に 対象は計7社
プーチン大統領が11月6日に追加の大統領令に署名し、JTI ロシアなど3社が一時管理下に。前日の工場4社と合わせ計7社が同じ管理者の下に入った。

プーチン大統領は11月6日、日本たばこ産業 (JT) のロシア事業の会社3社を、追加でロシア企業の一時管理下に置く大統領令 (第832号) に署名した。前日の4社と合わせて対象は計7社になり、工場の会社に続いて、ロシアでの販売と持ち株を担う JTI ロシアも同じ管理者の下に入った。
5日の令が押さえたのは工場の会社の持ち分で、6日の令はその持ち分を持っていた会社そのものを押さえた。2日続けて出た2本の令を並べると、JT のロシア事業でロシア国内の会社として法令に名前が出たものは、すべて一つの管理者の下にそろったことになる。
第832号が加えた3社
ロシアの法令情報の公式サイト (publication.pravo.gov.ru) に6日付で公表された第832号は、次の3社を一時管理の一覧に加えた。
- ペレスラブリ・タバック (株式会社) — 株式の100%
- JTI イノベーティブ・プロダクツ (有限会社) — 持ち分の100%
- JTI ロシア (有限会社) — 持ち分の100%
3社とも、持ち主はスイスの JTI Investments Sarl だ。一時管理者は前日と同じ Industrial Assets (株式会社「プロムィシュレンヌィエ・アクチーヴィ」) で、令は公表の日に効力を持った。共同通信によると、ペレスラブリ・タバックはロシア西部のヤロスラブリ州にある。時事通信は、追加の3社を非製造部門の会社と伝えている。
11月5日の4社については前回の記事で整理したが、社名を一つ正しておく。5日の第817号の本文に並ぶ4社は、JTI ドンスコイ・タバック、JTI エレツ、クレス・ネバ、ペトロだった。前回はタス通信の報道にもとづいて4社の1つをペレスラブリ・タバックとしたが、同社は第817号ではドンスコイ・タバックの持ち分0.0001%を持つ株主として出てくるだけで、6日の第832号で初めて自身が対象になった。
工場の持ち分から、その持ち主へ
第817号は持ち分を7件に分けて書いている。北海道大学の服部倫卓教授が6日の解説で整理したとおり、4社の持ち分はどれも合計で100%になる。
- JTI ドンスコイ・タバック — JTI ロシアが99.9999%、ペレスラブリ・タバックが0.0001%
- JTI エレツ — オランダの JT International Holding B.V. が65.64%、JTI ロシアが18.85%、ペトロが15.51%
- クレス・ネバ — JTI Investments Sarl が100%
- ペトロ — JTI Investments Sarl が100%
服部氏は同じ解説で、持ち株と販売の機能を担う JTI ロシア自体の持ち分は5日の一覧に含まれていないと指摘していた。その翌日に出た第832号は、まさにその JTI ロシアと、ドンスコイ・タバックの株主だったペレスラブリ・タバックを一覧に加えた。工場の株を持つ会社のうち、ロシアの外にあるオランダとスイスの持ち株会社を除けば、ロシア国内の持ち手は一つも管理の外に残っていない。
一時管理は、所有権を形式上は残したまま経営の権限を移す仕組みだ。5日の時点では、販売と持ち株を担う JTI ロシアはまだ一覧の外にあった。6日の令で、作る会社と売る会社が同じ管理者の下に入った。JT のロシア事業では、帳簿の上の持ち主であることと事業を動かす権限が、一段深く切り離された。
ロシアと日本、それぞれの言い分
ロシア外務省は6日、ビリチェフスキー経済協力局長の発言として、一時管理を、ロシアの安全保障を脅かしロシアの資産を違法に収用する外国の敵対的な行為への対抗措置として設けた特別な法的手段だと説明した (共同通信)。大統領令の本文は理由を書いていないが、外務省は2023年の制度の趣旨をそのまま当てはめた形だ。メドベージェフ安全保障会議副議長 (前大統領) は同じ6日、JT 株が19.3%下げたことを X で取り上げ、「良いこと」と書いた (共同通信)。
日本政府は5日の令に抗議し、撤回を求めている。ロイターによると、片山財務相が外交ルートで抗議したほか、経済産業省の審議官らが訪問中のロシアで現地の政府に抗議した。JT はロイターの取材に、大統領令を認識しており、従業員を最優先に状況と今後の選択肢を精査していると答えている。財務省は JT の株式の37.55%を持つ。6日の追加の令に対する政府と JT の対応は、週明けの会見と開示で見えてくる。
次に見るもの
確認先は3つある。週明け11月9日の東京市場で、追加の令が出てから最初の取引となる JT 株の値動きを見る。同じ日以降の JT の適時開示で、7社を合わせたロシア事業の連結上の扱いと業績予想への影響が示されるかを見る。そして9日の官房長官会見で、第832号に対して政府が新たに抗議したかを確かめる。ロシアの法令情報の公式サイトでは、第302号の一覧にさらに JT 関連の会社が加わるかを見続けることになる。
ことば
- 大統領令第302号 — 2023年4月25日にプーチン大統領が署名した「若干の資産の一時管理について」。非友好国に関係する企業の資産を一覧に載せ、管理者を指名できる。今回の2本の令は、この一覧に JT 関連の持ち分を書き足す改正にあたる。
- 一時管理者 — 一覧に載った株式や持ち分について、経営の権限を行使するよう指名された会社。今回は7社すべてで Industrial Assets が指名された。所有権は元の持ち主に残るとされる。
- 持ち分 — ロシアの有限会社の資本を出資者ごとに分けた割合。株式会社の株式にあたる。令は会社ではなく、この持ち分や株式を一つずつ一覧に載せる形で書かれている。
🔗 一次ソース
共同通信 (沖縄タイムス掲載) — 6日の署名、ペレスラブリ・タバックの所在地、ロシア外務省の局長の説明沖縄タイムス+プラス
時事通信 — 追加の3社を非製造部門と報道、同一の管理企業時事ドットコム
服部倫卓 (Yahoo!ニュース エキスパート) — 第817号の持ち分の構成、JTI ロシアが持ち株と販売を担い5日の一覧の外だった点Yahoo!ニュース
ロイター (Yahoo!ニュース掲載) — 財務相と経産省の抗議、JT のコメント、財務省の保有比率Yahoo!ニュース
共同通信 (NEWSjp) — メドベージェフ氏の X の投稿NEWSjp- 共同通信の X (2026年11月7日)
- Bloomberg 日本版の X (2026年11月7日) — 追加の3社、対象は計7社