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📡 Signal|9月の実質賃金2.2%増、9か月連続のプラス
毎月勤労統計の9月分速報で実質賃金は2.2%増、9か月連続のプラス。名目は4.6%増で今年最大の伸び。

厚生労働省が11月6日に公表した毎月勤労統計の9月分速報で、物価の動きを除いた実質賃金は前年同月比2.2%増えた。プラスは1月から9か月続いている。名目の現金給与総額は4.6%増の31万1,409円だった (従業員5人以上の事業所)。
名目の伸び4.6%は、今年に入って最も大きい。物価の上昇を2ポイント以上上回り、賃金の上げ幅が物価の上げ幅を追い越す状態が年初から途切れずに続いている。1年前の2025年9月は、実質で1.3%の減少だった。初期報は11月6日の速報で伝えた。
名目の中身
9月分の主な項目は次のとおりだ (従業員5人以上・前年同月比)。
| 項目 | 金額 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 現金給与総額 | 31万1,409円 | 4.6%増 |
| きまって支給する給与 | 29万9,151円 | 3.6%増 |
| うち所定内給与 | 27万9,182円 | 3.7%増 |
| 特別に支払われた給与 | 1万2,258円 | 32.6%増 |
| 一般労働者の現金給与総額 | 40万1,722円 | 5.0%増 |
| パートの時間当たり所定内給与 | 1,463円 | 5.4%増 |
ボーナスなどの特別給与は32.6%増と伸びが大きいが、金額は月給の4%ほどにとどまる。名目の伸びを支えているのは、基本給にあたる所定内給与の3.7%増と、一般労働者の5.0%増だ。毎月の決まった給与の水準が上がっている。
実質の伸びは物価の測り方で変わる
実質賃金の2.2%増は、消費者物価指数のうち持ち家の帰属家賃を除いた総合 (前年同月比2.4%上昇) で割り戻した値だ。帰属家賃を含む総合の物価 (同2.2%上昇) で割り戻すと、実質は2.3%増になる。
今年の実質賃金の前年同月比を月ごとに並べると、1月0.7%、2月2.0%、3月1.4%、4月2.0%、5月1.6%、6月2.2%、7月2.0%、8月1.6%、9月2.2%と推移した。9月は6月と並ぶ今年の最大の伸びになる。
日銀の判断材料として
日本銀行は、賃金と物価がそろって上がる流れを利上げの判断の前提に置いてきた。9月の決定会合の議事要旨では、委員から利上げの幅を議論すべき局面だとの意見が出ている (11月5日の Signal)。基本給の伸びが物価を上回る状態が続けば、賃金が物価を押し上げ、物価がまた賃金を押し上げる循環の手前の段が、統計の上で確かめられることになる。
次に見るもの
確認先は厚生労働省の毎月勤労統計の公表ページだ。9月分の確報で速報の2.2%が修正されるか、12月上旬に出る10月分の速報で実質のプラスが10か月目に入るかを見る。10月は秋の値上げが物価に入る月にあたり、所定内給与の伸びが物価に追いつけるかが試される。
ことば
- 実質賃金 — 名目の賃金を消費者物価指数で割り、物価の上昇分を除いた賃金。名目が増えても物価がそれ以上に上がれば、実質は減る。暮らし向きの実感に近い指標とされる。
- 持ち家の帰属家賃 — 持ち家に住む人が自分に家賃を払っているとみなして物価に入れる項目。実際の支払いがないため、実質賃金の計算では除いた物価指数を主に使う。
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