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📡 Signal|高市首相、日銀 ETF の売却益を消費減税の財源にしない考え
高市首相は日銀の ETF 売却益の増加分を消費減税の財源にせず、成長に向けた新たな投資枠に充てたい考えを示した。

高市早苗首相は11月6日、日本銀行が保有する上場投資信託 (ETF) の売却を加速させると決めたことに関連し、増える売却益を消費減税の財源に使う考えを否定した (共同通信)。NHK によると、首相は「売却益を経済成長の実現に向けた新たな投資枠の財源にあてたい」との考えを示した。
同じ日、衆議院は飲食料品の消費税率を2年間1%に下げる法案を可決した。財源は「歳出・歳入両面の見直し」とされたまま、具体像は年末の予算編成へ持ち越されている (11月6日の Signal)。日銀の ETF から生まれるお金は、減税の穴埋めではなく、成長投資の側に置かれることになった。
売却は年3,300億円から8,600億円へ
日銀は10月30日の金融政策決定会合で、ETF の売却ペースを年8,600億円程度 (簿価) に引き上げると全員一致で決めた。市場全体の売買代金に占める売却の割合を0.1%程度にする規模で、2027年1月から実施する。
もとの計画は、2025年9月に決めた年3,300億円程度 (簿価) だった。日銀は今年1月に売却を始め、市場に大きな影響を与えずに進めてきたこと、市場全体の売買代金が膨らんでいることを、ペースを上げる理由に挙げた。日銀の注記によると、年8,600億円は時価に直すと年2兆4,600億円程度になる。
日銀は長い金融緩和の間に ETF を買い入れ、簿価を大きく上回る時価の含み益を抱えている。売れば売るほど利益が出て、日銀の剰余金は国庫納付金として国に入る。財源の議論でこのお金に視線が向くのは、そのためだ。
「新たな投資枠」の中身はまだない
首相の答弁で決まったのは、使い道の方向だけだ。報道で確認できた範囲では、新たな投資枠の名前、規模、対象の分野は示されていない。
ETF の売却益は、毎年の剰余金の額によって増えたり減ったりする。株価が下がれば含み益も縮む。11月6日に日経平均が1日で3,643円下げたように、相場しだいで年ごとの額が動くお金を、恒久的な減税の財源にしないという判断にはなる。一方で、同じ性格のお金を成長投資の枠に充てるなら、その枠も年ごとに伸び縮みしうる。
次に見るもの
確認先は2つある。1つは年末にまとまる2027年度予算案で、「新たな投資枠」が名前と金額を持って載るか、そこに日銀の国庫納付金がどう書かれるかを見る。もう1つは国会会議録検索システムに載る11月6日の答弁の全文で、どの委員会で、どの言葉で否定したかを確かめる。
ことば
- 国庫納付金 — 日本銀行が決算で出した剰余金のうち、準備金などを積んだ残りを国に納めるお金。ETF の売却益が増えれば、その分も最終的にここへ流れる。
- 簿価と時価 — 簿価は買ったときの値段、時価は今の市場の値段。日銀の ETF は時価が簿価を大きく上回っており、その差が売却するときの利益になる。
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