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📡 Signal|Binance から数十億ドルが流出、いま分かっていること
Binance のホットウォレットから数十億ドル規模の資産が流出した。Binance は損失の全額補償を表明して入出金を止めたが、流出額と手口はまだ公表していない。確認済み・報道・未確認を分けて整理する。

最終更新: 10月30日 10:30(第1版) — 新しい公式発表が出るたびに、この記事を更新します。
10月30日早朝(日本時間)、世界最大の暗号資産取引所 Binance のホットウォレットから、数十億ドル規模の資産が外へ流れ出た。Binance は 09:13 に「損失はすべて補償する」と表明し、入出金を全面的に止めたが、流出額と手口はまだ公表していない。
Binance は何と言ったか
最初に「ハッキングに見える」と書いたのは、経営から退いた創業者だった。06:15、CZ(Changpeng Zhao)氏は X に「ユーザーの資金は安全だ。Binance へのハッキングに見える」と投稿し、Tether(約 9.71 億ドル)と Circle(約 8.23 億ドル)の素早い凍結に礼を述べた。「もう Binance を経営していないが、株主として、ユーザーの資金は全額補償されると考えている」とも書いている。
Binance 自身は当初「セキュリティ上の問題の可能性を調査中」とだけ述べ、07 時半までに複数のネットワークで出金を止めた。09:04 には、共同 CEO の Yi He 氏が「ハッキングによる損失はすべて Binance が補償する」と投稿した。経営陣自身が「ハッキング」と書いた投稿だ。9 分後の 09:13 に公式 X が同じ内容を出した。
- 「Binance はすべての損失を補償する」
- 予防措置として入出金をすべて一時停止し、セキュリティの確認・資金の凍結・法執行機関との連携を進めている
- 調査が終わり次第、ポストモーテムを全文で公表する
- 「最新情報は Binance の公式チャネルだけを頼りにしてほしい」
Tether の Paolo Ardoino CEO は 15.67 億 USDT を凍結したと発表した。Circle の Jeremy Allaire CEO は「法執行機関と連携し、8 億 USDC 超を凍結した」と投稿している。
報じられていること(まだ確認されていない)
- 流出額: 推計は割れている。Blockaid は約 33 億ドル、Chainalysis は約 59 億ドル(流出時点の価格)。オンチェーンで資金を追った Dickson Wu 氏は、8 つのチェーンで約 62.8 億ドルが流出し、そのうち 60.7 億ドルは最初の 55 分で出たと分析した。凍結済みは約 28 億ドル、まだ動かせる状態の資産は約 32.7 億ドルで、大半が BTC と ETH だとしている
- 数字の注意: 50 億ドル超の推計には、Binance のウォレットから出た BTC や TRON の動きも足されている。これらが攻撃者のものだと結び付けた分析は、まだ出ていない
- 手口: Kairos Research は、外部のアドレスが EIP-7702 を使って Binance のホットウォレットに処理を仕込み、約 3 分後に 63 種類のトークンをまとめて送り出したと分析した
- 誰が: ZachXBT 氏と Blockaid は北朝鮮の関与が疑われると指摘した
- 市場: BTC は 7 万 7 千ドル台へ下落し、BNB は 24 時間で約 9% 下げた(CoinGecko・09:14 時点)
要人の反応
Elon Musk 氏は 07:33、「Binance がハッキングされた」と伝える Kobeissi Letter の投稿を引用し、「Everyday is Zeroday(毎日がゼロデイ)」と一言だけ書いた。ゼロデイとは、まだ誰も塞いでいない未知の弱点を突く攻撃のことだ。
米国の暗号資産記者 Eleanor Terrett 氏は 08:37、「史上最大の流出になりつつある」と書いた。そのうえで、Binance には顧客を補償できる資金力があること、ステーブルコインの発行元がすぐ凍結に動いたことを「救い」として挙げた。Binance.US が「Binance Global とは別会社で、影響を受けていない」と説明していることも伝えている。09:28 には Dickson Wu 氏の追跡を引用し、「オンチェーンなら全部見える、とはこういうことだ」と投稿した。
凍結が効いたこと自体が、もう一つのニュースだ
盗まれた資産のうち、ステーブルコインは発行元が数十分〜数時間で動きを止めた。Bitcoin や ETH には、この「止めるボタン」が無い。まだ動かせる約 32.7 億ドルの大半が BTC と ETH だという分析は、その差をそのまま映している。今回の事件は、ステーブルコインが中央の判断で止められる資産であることを、過去最大の規模で見せた。被害を受けた側には安全装置であり、規制当局には使える手段になる。
まだ分からないこと
- 何が破られたのか(秘密鍵が漏れたのか、署名の仕組みが乗っ取られたのか)
- 損失の確定額と、補償の原資(利用者保護基金 SAFU を使うのか)
- 入出金の再開時期
次に見るもの
Binance が約束したポストモーテムの中身。Binance 公式 X とアナウンスページで、入出金の再開告知と並んで出るかを見る。
更新履歴
- 10/30 10:30 第1版
ことば
- ホットウォレット — 取引所が日々の出金に使う、ネットにつながった財布。すぐ払い出せる代わりに、鍵が狙われやすい。大半の資産はネットから切り離したコールドウォレットに置くのが一般的だ。
- EIP-7702 — Ethereum の普通の口座に、後からプログラムの働きを付けられる仕組み。2025 年の大型アップグレードで入った。便利さと引き換えに、署名ひとつで口座の動きを書き換えられる。
- ポストモーテム — 事故のあとに、原因・経過・再発防止をまとめて公表する報告書。今回は、何が破られたかがここで初めて分かる。
🔗 一次ソース
- Binance 公式 X(09:13・補償の表明と入出金停止)
- Yi He 共同 CEO の X(09:04)
- CZ 氏の X(06:15)
- Elon Musk 氏の X(07:33)
- Eleanor Terrett 氏の X(08:37)
- Eleanor Terrett 氏の X(09:28)
- Dickson Wu 氏の X(09:14・オンチェーン追跡)
- CoinDeskcoindesk.com
NBC NewsNBC News
CryptoSlate(Kairos Research の時系列)CryptoSlate
Bitcoin.com News(確認済みと未確認の整理)Bitcoin News