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📡 Signal|Block、米司法省と約7億6,400万ドルの訴追猶予で基本合意
Block が10-Q で、マネーロンダリング対策をめぐる米司法省の調査に訴追猶予の枠組みで基本合意と開示。通期見通しは上げたが、ビットコイン事業の粗利は半減した。

Cash App と Square を運営する米 Block は11月3日、7〜9月期の決算と同時に提出した四半期報告書 (10-Q) で、マネーロンダリング対策をめぐる米司法省の調査について、訴追を猶予する合意の枠組みで基本合意したと開示した。支払いの正味は約7億6,400万ドルで、同社は9月末までに全額を引き当てている。
同じ決算で、Block は2026年の通期見通しを引き上げた。一方で、ビットコイン事業の粗利は前年同期の半分の5,200万ドルに落ちた。会社全体は伸びているのに、ビットコインの売買で稼ぐ部分だけが細っている。
司法省との基本合意の中身
10-Q によると、調査の発端は2023年3月の空売り業者の報告書で、その直後に米証券取引委員会 (SEC) と司法省から照会を受けた。SEC は2026年3月に調査を終え、執行の措置を勧告しないと通知している。司法省は同じ3月に解決の条件を示し、10月に基本合意に達した。
合意の骨格は訴追猶予合意 (DPA) で、司法省は「銀行秘密法に違反し、実効的なマネーロンダリング対策の体制を維持しなかった」という起訴を3年間猶予する。Block が3年間の義務を守りきれば、司法省は起訴を取り下げ、同じ罪で再び訴えることはできなくなる。
金額は、総額が約9億6,400万ドル、過去の規制当局との和解分を差し引いた正味の支払いが約7億6,400万ドル。ただし、これはまだ最終合意ではない。全当事者が納得する最終合意と裁判所の承認が要り、Block は「最終合意に至る保証はない」「引当額を上回る損失が生じることも合理的にありうる」と書いている。
ビットコインは売上の4分の1、粗利の1.6%
株主向けの書簡と決算の数字を並べると、ビットコイン事業の位置がはっきりする。
| 7〜9月期 | 2026年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 売上高 (全体) | 67億1,936万ドル | 61億1,495万ドル |
| うちビットコイン事業 | 18億381万ドル | 20億2,097万ドル |
| 粗利 (全体) | 32億3,527万ドル | 26億6,157万ドル |
| うちビットコイン事業 | 5,200万ドル | 1億400万ドル |
ビットコイン事業は売上の約27%を占めるが、粗利では約1.6%にすぎない。Cash App で利用者がビットコインを買うと、その代金の大半は売上と同時に仕入れの原価に乗るためだ。粗利の前年比は2026年1〜3月期の26%減、4〜6月期の31%減に続き、7〜9月期は50%減まで広がった。
Block は減益の主な理由を、Cash App の一部のビットコイン取引の手数料を引き下げた「戦略的な判断」と説明している。手数料の収入を手放す判断で、粗利の減少は会社が自ら選んだものだ。
伸びているのは貸出と決済
会社全体の粗利は前年同期比22%増の32億3,500万ドルで、Cash App が27%増、Square が14%増だった。牽引したのは Cash App の貸出で、消費者向けの融資の実行額は40%増の190億ドル。9月の Cash App の月間の取引利用者は6,000万人に増えた。純利益 (普通株主帰属) は5億6,600万ドル。
通期の見通しは、粗利126億2,600万ドル (前年比22%増)、調整後営業利益35億1,900万ドル (粗利に対する比率28%)、調整後の1株利益4.15ドル (75%増) に引き上げた。2025年11月の投資家説明会で示した粗利の目標119億8,000万ドルを、約5%上回る。
数字が示すのは、Block の稼ぎの中心が、ビットコインの売買から、Cash App の利用者に向けた融資と決済へ移っていることだ。司法省の合意が問うのも、こうした大勢の利用者を相手にする事業のマネーロンダリング対策の体制だ。3年間の猶予の期間は、伸びている貸出と決済の事業を、マネーロンダリング対策の監視の下で回す期間にもなる。
次に見るもの
確認先は、米司法省の報道発表と、Block が SEC の電子開示システム (EDGAR) に出す臨時報告書 (8-K) だ。最終合意が結ばれれば、DPA の本文で、3年間に課される義務 (外部の監視役を置くかどうか等) が分かる。2026年10〜12月期の決算 (例年2月) では、ビットコイン事業の粗利の減少が手数料の引き下げの一巡で止まるかどうかを見る。
ことば
- 訴追猶予合意 (DPA) — 検察が企業の起訴を一定期間猶予し、その間に企業が是正の義務を果たせば起訴を取り下げる合意。米国では金融機関の不正やマネーロンダリング対策の不備の解決によく使われる。
- 銀行秘密法 — 米国の金融機関に、疑わしい取引の届け出や顧客の本人確認などのマネーロンダリング対策を義務づける法律。送金や暗号資産の事業者も対象になる。
🔗 一次ソース