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📡 Signal|Liquid、約600 BTC の不足を埋め L-BTC の1対1の裏付けを回復
9月の流出で開いた約600 BTC の穴が埋まり、Liquid の準備金が L-BTC の発行量に並んだ。出し手は Blockstream。直接のペグアウトの全面再開はまだ。

ビットコインのサイドチェーン Liquid の準備金が、9月の流出事故の前の水準に戻った。Blockstream は米東部時間11月3日、すべての L-BTC (Liquid 上のビットコイン) に対する1対1のビットコインの裏付けが完全に回復したと X で公表した。Liquid のノードを動かせば誰でも確かめられる、としている。
9月6日の事故で約4,000 BTC が連合のウォレットから抜かれ、翌日に約3,400 BTC が戻った後も、約600 BTC の穴が2か月近く残っていた。10月20日の段階では、連合は直接のペグアウト (L-BTC をビットコインに戻す払い出し) の再開を、この穴を埋めた後に置くと決めていた (その段階を伝えた記事)。今回、その前提が満たされた。
600 BTC はどう埋まったか
補填は1週間で進んだ。連合の構成員に名を連ねる JAN3 の CEO、サムソン・モウ氏の X 投稿によると、10月27日 (米国時間) に2.5 BTC の試験の送金が連合のウォレットに入って不足は600 BTC になり、翌28日に50 BTC が加わって残りは550 BTC になった。The Block によると、11月2日に300 BTC、同じ日のうちに250 BTC が入り、不足は埋まった。
出し手について、連合と Blockstream の公式の文面は何も書いていない。モウ氏は11月2日、「コインはどこから来るのか」という問いに「何度も言ってきたとおり、Blockstream だ」と X で答えた。Blockstream は Liquid の基盤ソフトウェア Elements を開発する技術の提供者で、事故のときには攻撃者が求めた10%の報奨金の支払いを拒んでいた。返ってこなかった分を、開発元が自分の資金で埋めた形になる。
編集部が11月4日夜 (日本時間) に Liquid の公開のエクスプローラーで確かめた数字では、連合が預かるビットコインの準備金は4,275.49 BTC、発行済みの L-BTC は4,275.21 で、準備金が発行量をわずかに上回っている。9月の月次の準備金が3,632.23 BTC、発行済みが4,234.76 で、約602 BTC の差があった状態から、差が閉じた。
まだ戻っていないもの
裏付けの回復は、払い出しの全面再開と同じではない。The Block によると、連合の発表は残る制限をすべて外したとは書いていない。連合の直接のペグアウトは安全確認のために制限されたままで、モウ氏は10月28日、半自動のペグアウトが前の週から行われていると書いた。参加する交換事業者を通じた BTC と L-BTC の交換は、数週間前から使える。
連合は、ガバナンスと監督の見直し、技術と運用の追加の安全策を準備しており、詳細は「今後数週間」で示すとしている。誰が払い出しを止め、誰が再開を決めるかという手順そのものが、次の論点になる。
連合型のペッグが残した記録
今回の経過は、連合型のペッグがどこで弱く、どこで持ちこたえたかを記録した。弱かったのは、ソフトウェアの1つの欠陥 (範囲証明の検証のキャッシュ) で、裏付けのない L-BTC が作られ、払い出しの窓口から本物のビットコインが出ていった点だ。持ちこたえたのは、払い出しを止めて取り付けを防ぎ、穴が埋まるまで再開しないという順番を守った点にある。
ただし、最後の600 BTC を埋めたのは仕組みではなく、開発元という1社の資金だった。ビットコインの上に別のネットワークをつなぐ方式は、ほかにも多署名の連合、BitVM 型の検証、カストディ事業者の預かりなどがあり、どれも預かったビットコインの裏付けをどう保証するかを競っている。事故の後の補填を誰が負うのかを事前に決めておく設計は、Liquid に限らない宿題として残った。
次に見るもの
確認先は、Liquid の監査ページ (liquid.network/audit) の準備金と発行済み L-BTC の月次の数字と、Liquid の公式ブログだ。連合が「今後数週間」で示すとしたガバナンスの見直しと、直接のペグアウトの全面再開の時期が、ブログの次の更新に載るかどうかを見る。
ことば
- L-BTC — Liquid 上で使われるビットコイン。連合が預かるビットコインと1対1で交換できるという約束で価値を保つ。
- ペグアウト — L-BTC を連合に返し、ビットコインのネットワーク上の本物のビットコインを受け取る払い出しの手続き。逆に、ビットコインを預けて L-BTC を受け取るのがペグイン。
- Liquid Federation — Liquid の準備金を多署名で管理し、ブロックを作る事業者の連合。取引所やウォレットの事業者などが参加し、技術は Blockstream が提供している。
🔗 一次ソース
- Blockstream 公式 X の告知 (2026年11月3日・1対1の裏付けの完全回復)
- サムソン・モウ氏の X 投稿 (2026年11月2日・補填の出し手は Blockstream)
- サムソン・モウ氏の X 投稿 (2026年10月28日・50 BTC の追加と残り550 BTC、半自動のペグアウト)
Liquid の準備金の監査ページ (準備金と発行済み L-BTC。11月4日夜に4,275.49 BTC と4,275.21 を確認)liquid.network- The Block「Liquid Network restores full bitcoin backing following exploit」(2026年11月3日・11月2日の300 BTC と250 BTC)theblock.co
Liquid の公式ブログ (10月20日の「Liquid Network Staged Recovery Update」ほか)The Liquid Blog: Tracking the Latest in Bitcoin’s Financial Lay