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📡 Signal|Amazon のフリーキャッシュフロー、直近12か月で424億ドルの流出に
AWSはほぼ5年ぶりの高い伸び。だが設備投資が1年で948億ドル増え、直近12か月のフリーキャッシュフローは424億ドルの流出に。

Amazon は 10 月 29 日、2026 年 7〜9 月期の決算を発表した。売上高は前年同期比 12% 増の 2,019 億ドル、クラウド部門の AWS は 39% 増の 460 億ドルで、同社はこれを「ほぼ 5 年ぶりの高い伸び」としている。営業利益は 281 億ドルと前年同期の 174 億ドルから 6 割増えた。
一方で、直近 12 か月のフリーキャッシュフローは 424 億ドルの流出に転じた。設備の購入が 1 年で 948 億ドル増え、同社はその主因を AI への投資と明記している。稼ぐ力は過去最高の水準にあるが、稼いだ現金はそれ以上の速さで計算基盤に消えている。
決算の第一報は 速報 で伝えた。本稿は、決算資料の数字から何が変わったかを読む。
AWS が営業利益の 6 割を稼ぐ
部門別に見ると、利益の中心がどこにあるかがはっきりする。
- 北米: 売上 1,129 億ドル(6% 増)、営業利益 87 億ドル(前年同期 48 億ドル)
- 国際: 売上 431 億ドル(5% 増)、営業利益 16 億ドル(同 12 億ドル)
- AWS: 売上 460 億ドル(39% 増)、営業利益 178 億ドル(同 114 億ドル)
AWS は売上の 2 割強にすぎないが、営業利益 281 億ドルのうち 178 億ドル、約 63% を稼いだ。小売の北米と国際の伸びが 1 桁にとどまったのは、今年のプライムデーの大半が 4〜6 月期に移ったためで、同社はこの影響で 7〜9 月期の売上全体の伸び率が約 4 ポイント押し下げられたとしている。
アンディ・ジャシー CEO は、AWS の売上の年換算は 1,840 億ドルに達し、2027 年と 2028 年もそれぞれ 40% を超える伸びを見込むと述べた。推論サービスの Amazon Bedrock では、Fortune 500 企業の支出が前年の約 7 倍、処理したトークン量は約 17 倍に増えたという。
フリーキャッシュフロー、148 億ドルの流入から 424 億ドルの流出へ
決算資料の補足表に載る直近 12 か月のフリーキャッシュフローは、四半期ごとに次のように動いた。
- 2025 年 4〜6 月期まで: 182 億ドルの流入
- 2025 年 7〜9 月期まで: 148 億ドルの流入
- 2025 年 10〜12 月期まで: 112 億ドルの流入
- 2026 年 1〜3 月期まで: 12 億ドルの流入
- 2026 年 4〜6 月期まで: 76 億ドルの流出
- 2026 年 7〜9 月期まで: 424 億ドルの流出
営業活動で得た現金は 1,683 億ドルと 29% 増えている。現金が出ていく理由は、設備の購入(売却収入などを差し引いた額)が直近 12 か月で 2,107 億ドルに膨らんだことに尽きる。7〜9 月期だけで設備の購入は 773 億ドルと、前年同期の 351 億ドルから 2 倍強になった。同社は 2026 年の現金ベースの設備投資を約 2,200 億ドルとする見通しを据え置いた。
純利益は 207 億ドルと 2% 減った。前年同期には Anthropic への投資の評価益 95 億ドルが利益に入っており、その反動が大きい。
市場の評価は前日の Alphabet と分かれた
Cointelegraph は売上が市場予想の 2,022.6 億ドルを、1 株利益 1.89 ドルが予想の 1.97 ドルをそれぞれわずかに下回ったと伝えた。ただし Nasdaq の終値で見ると、Amazon の株価は発表翌日の 10 月 30 日に 240.35 ドルと 1.4% 下げただけだった。
前日の 10 月 29 日には、設備投資が倍増して四半期のフリーキャッシュフローが赤字になった Alphabet の株価が 12.6% 下げている。同じ「AI に現金を注ぎ込む」決算でも、Amazon は AWS の伸びの加速と 2 年先までの成長見通しを数字で添えた。投資の回収を説明する材料を、市場が受け取ったかどうかの差が、株価の 1 日の反応に出た。
第 4 四半期(10〜12 月期)の見通しは、売上高 2,400 億〜2,470 億ドル(12〜16% 増)、営業利益 285 億〜335 億ドル(前年同期 250 億ドル)。広告収入は前年比 10% 台後半の伸びを見込む。
次に見るもの
最初の確認先は、Amazon の次の決算となる 10〜12 月期の発表だ。年間の設備投資が見通しどおり約 2,200 億ドルに収まるか、直近 12 か月のフリーキャッシュフローの流出がどこまで広がるかが、ここで確定する。
その手前では、米証券取引委員会(SEC)の電子開示システム EDGAR に載った 7〜9 月期の四半期報告書(10-Q)で、設備投資の内訳を確かめられる。AWS が 40% を超える伸びを 2027 年に実際に出せるかが、この投資の回収の前提になる。
ことば
- フリーキャッシュフロー — 営業活動で得た現金から、設備の購入などに使った現金を差し引いた額。会社が自由に使える現金の量を示す。利益が出ていても、設備投資がそれを上回ればマイナスになる。
- AWS(Amazon Web Services) — Amazon のクラウド部門。企業にサーバーや記憶装置、AI の計算能力を貸し出す。売上は Amazon 全体の 2 割強だが、営業利益の大半を稼ぐ。
- 年換算の売上(ランレート) — 直近の四半期などの売上を 1 年分に引き延ばした数字。伸びている事業の現在の規模を示すのに使われ、実際の年間の売上とは異なる。
🔗 一次ソース