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📡 Signal|Canary のステーキング型 INJ ETF、Nasdaq に INJC で上場へ
Canary のステーキング型 Injective ETF が Nasdaq に INJC で上場する段取りに入った。最終の目論見書では INJ の90%以上を預け、報酬の30%が手数料、信託報酬は年1.10%。

Canary Capital のステーキング型 Injective 上場投資信託「Canary Staked INJ ETF」が、Nasdaq に銘柄コード INJC で上場する段取りに入った。11月3日に Nasdaq での上場に向けた届出 (Form 8-A) を SEC に出し、4日には最終の目論見書 (424B3) を提出した。Nasdaq が上場を承認したと Cointelegraph などが伝えている。
INJ を持つだけでなく、ほぼ全量をネットワークに預けて報酬を得る ETF だ。価格の連動に加えてチェーンの利回りまで証券口座に持ち込む ETF が、時価総額の上位のアルトコインにも届いた。
LiveMakers は承認の報道を速報で伝えた。本稿は目論見書の原文から、投資家が受け取るものと受け取らないものを確かめる。
目論見書が決めた5つの条件
最終の目論見書が定める主な条件は次のとおりだ。
- 上場先は Nasdaq、銘柄コードは INJC。株は「発行の通知を条件に」上場する予定で、それまで公開の市場はない
- 信託報酬は年1.10%で、INJ 建てで日々積み上がる
- 通常時は保有する INJ の少なくとも90%をステーキングに回す
- INJ の保管は、米通貨監督庁 (OCC) の免許を持つ国法銀行 BitGo Bank & Trust が担う
- 純資産価値は CoinDesk Indices が出す60分の時間加重平均の指標で計算する
上場先は当初から Nasdaq だったわけではない。2025年12月の登録届出書の改訂版では、上場先は Cboe BZX と書かれていた。
報酬の3割は運営側に入る
ステーキング型の ETF で投資家が見るべきは、報酬の分け方だ。目論見書によると、ステーキングの手数料は運営会社 (Canary)・保管銀行・ステーキングの事業者で分け合い、合計で報酬の30%を上限とする。目論見書の日付の時点で手数料は30%の見込みで、信託に残るのは報酬の70%になる。
そのうえで年1.10%の信託報酬がかかる。目論見書は、ステーキングの報酬が信託報酬と費用をまかなえなければ、1口あたりの INJ は時間とともに減ると明記している。利回りが付くといっても、投資家の手元に届くのは報酬の7割から1.10%を引いた残りだ。
設立時の資金は Injective の開発を支える Injective Foundation が出す。1口25ドルで最大1,500万ドル分の株を、INJ の現物で買う意向を示している。目論見書は財団を「発起人」にあたる立場と位置づけている。
引き出しの21日と、罰則ゼロの設定
ステーキングには時間の制約がある。預けた INJ を引き出すと、21日間は動かせず報酬も生まない。ETF は解約に応じるため、引き出しの期間と借入の手段を組み合わせた流動性の管理方針を置き、取引所の一般上場基準に沿うよう設計したとしている。
検証者 (バリデーター) が不正や停止を起こしたときに預けた INJ を没収する仕組みについて、目論見書は2026年9月15日の時点で没収の割合がゼロに設定されていると書く。今は没収されないが、この値は Injective のガバナンスでいつでも引き上げられる。
INJ の分類については、SEC と CFTC が2026年3月17日に出した共同の解釈が、暗号資産を5つに分け「デジタル商品」の区分を設けたと説明している。そのうえで目論見書は、INJ が「デジタル証券」に分類される可能性を危険要因として残している。
BTC にはない利回り
BTC の現物 ETF は、プルーフ・オブ・ワーク (採掘) のチェーンを対象にするため、ステーキングの報酬を持たない。INJ のようなプルーフ・オブ・ステーク (保有して預ける方式) のチェーンでは、ETF が保有分を預ければ報酬が生まれる。ETF が運ぶ中身は、価格の上下と、ネットワークの運営に参加した対価の2つになる。
Injective は9月に、発行体が規制の条件をトークンに組み込める規格を稼働させ (9月26日の記事)、11月には銀行・企業向けの専用の入口を公開した (11月3日の記事)。チェーンの側で機関向けの道具をそろえる動きと、証券口座から INJ を持てる ETF が同じ週に重なった。ETF が実際に資金を集めるかどうかは、上場の後の資金の出入りで初めて分かる。
次に見るもの
確認先は2つ。1つは INJC の取引の開始日で、Canary の公式 X は11月3日に「Coming Soon」と投稿したまま日付を示していない。上場の通知が出れば Nasdaq の新規上場の告知に載る。もう1つは、上場後に SEC の EDGAR に出る信託の報告で、保有する INJ のうちどれだけが実際に預けられ、報酬がいくら入ったかが分かる。
ことば
- ステーキング — プルーフ・オブ・ステーク型のチェーンで、保有するトークンを預けて取引の検証に参加し、報酬を受け取ること。ETF では運営会社が事業者を通じて行い、投資家は株を持つだけで済む。
- 424B3 — 米国で証券を売り出す際に SEC に出す目論見書の形式の一つ。登録届出書の改訂を重ねた後、売り出しの条件が固まった段階で提出される。
- アンボンディング期間 — 預けたトークンを引き出す手続きの後、動かせない期間。Injective では21日で、ETF の解約への備えに直接効く。
🔗 一次ソース
- Canary Staked INJ ETF 最終目論見書 424B3 (SEC EDGAR・2026年11月4日) — Nasdaq・INJC・信託報酬1.10%・90%以上をステーキング・手数料は報酬の30%上限・21日の引き出し期間sec.gov
- Canary Staked INJ ETF の上場届出 Form 8-A (SEC EDGAR・2026年11月3日) — 登録先の取引所は The Nasdaq Stock Marketsec.gov
- Canary Staked INJ ETF 登録届出書の改訂版 S-1/A (SEC EDGAR・2025年12月17日) — 当時の上場先は Cboe BZXsec.gov
- Canary Capital 公式 X の告知 (2026年11月3日)