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SNAPSHOT 2026-10-27 18:03 JST

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📡 Signal|ロシアの「デジタル通貨およびデジタル権利について」法が施行された——財産と認めた国が、国内の支払いには使わせない

ロシアの連邦法「デジタル通貨およびデジタル権利について」の中核規定が9月1日に施行された。中央銀行の監督下で免許制の取引市場が開く一方、国内での支払い手段としての使用禁止は残った。財産としては認め、通貨としては認めない制度設計を読む。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|ロシアの「デジタル通貨およびデジタル権利について」法が施行された——財産と認めた国が、国内の支払いには使わせない

9月1日、ロシアの連邦法「デジタル通貨およびデジタル権利について」の中核規定が施行された。ロシア中央銀行の監督下で、免許を受けた仲介業者を通じた暗号資産の売買・保管、そして越境決済が、はじめて恒久的な制度の中に置かれる。

Bank of Russia — Russia introduces cryptocurrency regulation(2026年7月21日・非適格投資家の年間30万ルーブル上限、国内決済の禁止継続、輸出入業者の越境決済に上限なし、2027年7月1日までの移行期間を確認)cbr.ru

だが、この法律を「解禁」として読むと構造を取り違える。法はデジタル通貨を電子データの形をとる財産として位置づけながら、国内での財・サービスの支払い手段としての使用禁止をそのまま残した。資産としては制度に入れ、通貨としては入れない。この二分は、法定通貨の発行主体が暗号資産を自国の制度に取り込むときに繰り返し現れる設計の型だ。

どこが開き、どこが閉じたままなのかを、中銀の説明と条文の建て付けで確認する。

開いたのは市場ではなく、免許の付いた窓口だ

制度の実体は、中央銀行を頂点とする免許・登録の階層である。暗号資産の売買を行う取引所運営者、権利を記録するデジタル保管機関、ブローカー、運用会社が、それぞれ規制対象として定義された。規制された仲介業者を通さない取引は禁じられる。

投資家は二層に分かれる。非適格投資家は適性テストを通過したうえで、仲介業者1社あたり年間30万ルーブル(約3,700ドル)まで、流動性の高い銘柄に限って購入できる。適格投資家に購入上限はない(テスト自体は必要で、国内の金融知識テストや所定の証明で資格を得る経路が用意された)。

扱える銘柄を決めるのは中央銀行だ。適格性の基準としては時価総額、平均日次売買高、そして5年以上の値付け履歴といった指標が示されている。報道ベースでは、この基準を満たす候補としてビットコイン、イーサ、テザーのUSDTが挙げられている。参入側にも敷居がある。取引所運営者には1,500万ルーブル(約18万6,000ドル)の自己資本と自主規制機関への加入が求められ、デジタル保管機関には提供する業務に応じて5,000万〜2億5,000万ルーブルの自己資本が課される。

開いたのは市場そのものではない。免許の付いた窓口だ。

「財産」と認めることは、「通貨」と認めることではない

法はデジタル通貨を、電子システムに置かれたデジタルコードないし識別子という電子データの形をとる財産として扱う。保有し、売買し、記録し、相続や執行の対象として認識できる客体になる。

その一方で、中央銀行の説明は明快だ。ロシア国内での支払いに暗号資産を用いることは引き続き禁止される。財・サービス・情報・知的財産の対価として受け取ることを禁じる一般規定は、施行後も残った。

ここが本筋だ。中央銀行にとって国内の決済は、金融政策の伝達と通貨主権が直接かかる領域である。保有と売買を制度内に取り込むことと、国内で流通する支払い手段として認めることは、この設計では切り離せる変数として扱われている。所有権の承認と、貨幣としての承認は、同じ承認ではない。

外向きの出口は開いているが、詰まる場所は法の外にある

国内で閉じられた決済経路は、国境をまたぐ方向には開いている。中央銀行によれば、輸出業者と輸入業者は国際的な支払いに暗号資産を金額の上限なく用いることができ、ウォレットの種別も問われない。海外で記録された保有については、税務当局への報告義務が課される。

これは白紙からの新設ではない。越境の貿易決済に暗号資産を使う枠組みは2024年に実験的法制度として始まり、参加者と限度額を当局が指定する形で運用されてきた。今回の法律は、その試験運用を恒久的な制度の側へ移す作業にあたる。

ただし、国内法が許可することと、その経路が実際に機能することは別の変数だ。決済の経路上には取引所、カストディアン、ステーブルコインの発行体、そして最終的に法定通貨へ換える銀行が並ぶ。そのそれぞれが自分のコンプライアンス判断を持ち、発行体側の権限で特定のトークンを凍結できる設計のものもある。法が引いた線と、経路が実際に通る線は、必ずしも一致しない。

本番は2027年7月1日までの移行期間

施行日に制度が完成したわけではない。市場参加者には2027年7月1日まで移行期間が与えられ、その間に登録簿への掲載、免許の取得、内部体制の整備を終える必要がある。非居住者のデジタル保管機関に関する規定も、同じ2027年7月1日に効力を持つ。違反に対する行政責任・刑事責任の規定が動き出すのもこの時点だ。

つまり今日の時点で存在するのは、枠と期限である。誰がその枠に入るのかはまだ決まっていない。既存の銀行系が窓口を取るのか、専業の事業者が育つのか、あるいは要件の重さに対して参入が細るのか——制度が実体を持つかどうかは、登録簿がどれだけ埋まるかで決まる。

何を見るか

  • 中央銀行が正式に公表する適格資産リストと、その選定基準の運用(5年以上の値付け履歴という条件が、どこまで厳格に適用されるか)
  • 免許・登録簿に載る事業者の数と顔ぶれ。既存の金融機関系か、暗号資産専業か
  • 非適格投資家向けテストの設計と、実際に開設される口座の規模
  • 越境決済の実務が、実験的法制度の期間からどれだけ広がるか。あるいは広がらないか

財産として認めた国が、国内の支払いには使わせない。この線引きがどこまで持つのかが、移行期間の観測点になる。

🔗 一次ソース

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