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SNAPSHOT 2026-09-16 18:03 JST

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📡 Signal|クラリティ法、上院で審議入りならず——交渉役の民主党議員が倫理条項で反対に回った

米上院でクラリティ法の審議入りを問う手続き採決が60票に届かなかった。何カ月も交渉に加わってきた民主党議員が倫理条項を理由に反対に回り、米国の暗号資産ルールの法制化は年単位で遅れる公算が大きい。争点の中身と、再採決・規則づくりの行方を読む。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|クラリティ法、上院で審議入りならず——交渉役の民主党議員が倫理条項で反対に回った

米上院は米東部時間9月15日午後(日本時間16日未明)、暗号資産の市場構造を定めるクラリティ法(Digital Asset Market Clarity Act)の審議入りを問う手続き採決を行い、必要な60票に届かなかった。何カ月も条文交渉に加わってきた民主党議員たちが、そろって反対に回った。

下院通過から1年2カ月。上院の委員会を越え、採決の前々日には倫理条項の最終テキストまで出ていた法案が、本会議の入口で止まった。止めたのは市場の設計ではなく、「権力の側の利害をどう縛るか」という一点だ。米国が暗号資産のルールを法律で定める時期は、年単位で後ろへずれる公算が大きい。

■ 反対に回ったのは、交渉のテーブルにいた側

クラリティ法は、暗号資産を証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)のどちらが監督するかを線引きし、ステーブルコインの報酬やソフトウェア開発者の扱いまで定める包括法案だ。下院は2025年7月17日に294対134で可決し、上院銀行委員会も2026年5月14日に15対9で通した。委員会で民主党から賛成したのは、交渉に深く関わってきたオールソブルックス、ガジェゴの2議員だった。

本会議の審議に入るには、議事妨害を打ち切るための60票が要る。共和党は53議席で、全員が賛成しても民主党・無所属から少なくとも7票を上積みしなければならない。その上積みを担うはずだった議員たちが、今回は反対側に並んだ。記者のエレノア・テレット氏によると、ギリブランド、ウォーナー、ブッカー、ウォーノック、ガジェゴ、オールソブルックス、コルテス・マストの各議員がいずれも反対票を投じ、業界幹部の一人は「終わった(It died)」と伝えてきたという。5月の委員会で賛成した2人も、本会議の入口では反対に回ったことになる。

■ 最後に残った壁は倫理条項

対立は最後まで倫理条項に集まった。トランプ大統領の一族は World Liberty Financial や $TRUMP ミームコインなど暗号資産事業から巨額の収入を得ているとされ、民主党は大統領や高官が暗号資産で利益を得ることへの、実効性のある歯止めを求めてきた。

共和党側も歩み寄ってはいた。ルミス議員らの案は、州司法長官が倫理規定の執行に加われるようにし、公職者には「重大な金銭的利害」の売却か白紙委任信託(ブラインド・トラスト)への移管を求める。これに対し民主党は、信託への移管では足りず大きな利害は売却させるべきだと主張し、採決を前に対案を送った。ルミス議員の報道官は「同じ要求を出し直して前進と呼ぶのではなく、実際に交渉を始めるべきだ」と退けている。

反対票を投じたウォーナー議員は、法執行や国家安全保障をめぐる難題は解決に近づいたとしながら、「根本的な利益相反に手当てがなかったことで、前に進めることを支持できなくなった」と説明した。ルミス議員は採決直前の議場で「これが誠意であり、これが妥協だ」と賛成を呼びかけていた。双方が「妥協」を口にしながら、どこまでを妥協と呼ぶかで最後まで折り合わなかった。

■ 市場は「法律なき規制」が続く前提へ

採決をはさんで暗号資産は売られた。CoinGecko によると、日本時間16日4時25分時点でビットコインは7万6,114ドルと24時間で3.9%安、イーサリアムは2,409ドルで5.3%安。コインベースやサークルなど暗号資産関連株も下げた。

法案が止まっても、規制づくりそのものは止まらない。SECのアトキンス委員長は、法律があってもなくても「この政権は米国の投資家と技術革新者のために結果を出す」と述べ、SECとCFTCはそれぞれ規則づくりを進めている。ただ、行政の規則は政権が代われば書き換えられる。議会が線を引く法律とは、持続する年数がまるで違う。企業が米国での事業計画を何年先まで固められるかという点で、この差は小さくない。

■ 次に見るもの

形の上では、手続き採決をやり直す道は残る。ただ、下院は9月後半の2週間を休会とし、11月には中間選挙が控える。ルミス議員は採決前、今の議会で成立しなければ市場構造法は2030年までずれ込むと警告していた。

  • 共和党指導部が、年内の議事日程に再採決の枠を取るか
  • 民主党の対案を土台に、倫理条項の執行の仕組みをめぐる再交渉が始まるか
  • 立法を待たずに、SEC・CFTCの規則づくりがどこまで前に出るか

■ ことば

  • 手続き採決(クローチャー) — 上院で議事妨害を打ち切り、次の段階へ進むための採決。原則として60票が必要で、今回は法案を本会議の審議に乗せるかどうかを問うた。法案そのものの賛否を決める採決ではない。
  • 倫理条項 — 大統領・副大統領・議員などの公職者が、暗号資産で個人的な利益を得ることを制限する規定。誰が執行するか(司法省か、州司法長官か)と、すでに持っている資産をどう扱うかが争点になった。
  • 白紙委任信託(ブラインド・トラスト) — 公職者が資産の運用を第三者に任せ、中身を知らない状態に置く仕組み。利益相反を避ける手段とされるが、売却に比べて利害が残るとの批判もある。

🔗 一次ソース

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