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SNAPSHOT 2026-10-26 07:30 JST

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📡 Signal|ECB チポローネ理事、2027年にデジタルユーロを職員の実取引で試験

ECB のチポローネ専務理事が、デジタルユーロの試験を2027年に職員の実取引で始めると述べた。2029年は前提つきの準備目標にあたる。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|ECB チポローネ理事、2027年にデジタルユーロを職員の実取引で試験

欧州中央銀行 (ECB) のピエロ・チポローネ専務理事は、ECB が10月24日に公開したイタリアの経済紙ミラノ・フィナンツァのインタビューで、デジタルユーロの試験を2027年に「ECB の職員による実際の取引」で始めると述べた。導入の目的として主権を挙げ、それは第三者を締め出すことではなく「選ぶ力を持つこと」だと説明した。

ECB: Interview with Milano Finanza (ピエロ・チポローネ専務理事・2026年10月24日公開)European Central Bank

主権という言葉の裏づけとして、チポローネ氏はユーロ圏のカード決済の3分の2が欧州域外のカードブランドを通っていると指摘し、「直接の管理が及ばない基盤に大きく依存している」と語った。支払いの土台を域外の民間企業に頼る構図に、公共の通貨でどこまで選択肢を足すか。デジタルユーロの議論は、この一点に絞られてきた。

「2029年」はインタビューでは語られていない

10月26日の速報では、報道にもとづいて「2029年までの展開」を伝えた。ECB が公開したインタビューの全文を読むと、2029年という年は記者の質問の中にしか出てこない。チポローネ氏の答えは、規則が「年内に採択されることを望む」、正式な決定は「ブリュッセルで進む立法の交渉が終わってから」というものだった。

2029年の出どころは、ECB が2025年10月30日に出した発表だ。EU の立法者が2026年に規則を採択することを前提に、試験と最初の取引は2027年半ばから可能になり、ユーロシステム全体が2029年中の最初の発行に備える、と書いている。2029年は規則の採択を条件にした準備の目標で、発行そのものはまだ決まっていない。採択が年をまたげば、この年も動く。

試験は2027年9月から12か月、参加は36の事業者

試験の中身は、7月15日に ECB が公開したフランス紙ウエスト・フランスのインタビューで具体的に語られている。試験は2027年9月に始まって12か月続き、3月の募集に応じた50超の決済事業者から、仏 BPCE や Worldline を含む36の参加者が選ばれた。同じインタビューでチポローネ氏は、欧州議会が7月の採決で7割近い賛成でデジタルユーロを支持したと述べている。

準備は今も進んでいる。ECB の10月2日付の決定一覧によると、ネット通販とスマホ決済の加盟店に試験への参加を呼びかける募集は10月27日に締め切られ、デジタルユーロの基盤づくりに協力する民間企業の募集は11月9日が締め切りだ。使いやすさとアクセシビリティの検証も、2027年の試験の一部として始まる。

保有の上限と、小さな店の手数料

利用者に直接かかわる設計についても、チポローネ氏は踏み込んでいる。上限が決まるのは「デジタルの財布にいくら持てるか」で、「いくら使えるか」ではないという。保有の上限は、とくに危機の際に金融の安定を守るためのものだと説明した。

ネットを介さないオフラインの支払いでは、取引の詳細は「支払う人と受け取る人の間だけ」にとどまるという。店の側の論点としては、小さな店が払うカードの手数料は大手の最大4倍になりうると述べ、加盟店の負担を下げる手段としてもデジタルユーロを位置づけた。

次に見るもの

最初の確認点は、今週の10月27日に締め切られる加盟店の募集だ。ECB は政策理事会の金融政策以外の決定を月ごとに公表しており、次の一覧で募集の結果や基盤の協力企業の扱いが出るかを見る。

本筋は、チポローネ氏が「年内」を望んだ EU のデジタルユーロ規則の採択だ。欧州議会は7月に賛成の立場を固めており、EU 理事会との合意文書が年内に出るかどうかで、2029年の準備目標が守られるかが決まる。主権の議論は、規則の条文が確定した時点で、保有の上限の額やカード網との役割分担という具体の数字に置き換わる。

ことば

  • デジタルユーロ — ECB が発行を検討している、ユーロ圏の誰もが使えるデジタルの現金。銀行預金ではなく中央銀行の負債で、オフラインでも使える設計が予定されている。
  • 保有の上限 — 一人がデジタルユーロを財布に持てる額の上限。チポローネ氏は危機の際の金融の安定を守るためと説明しており、具体の額は規則の採択後に決まる。
  • 欧州域外のカードブランド — ユーロ圏の店頭とネットのカード決済の多くを処理している、欧州の外に本拠を置く国際カード網のこと。チポローネ氏は決済の3分の2がこれを通るとした。

🔗 一次ソース

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