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📡 Signal|Coinbase 傘下の Deribit、新エンジンで最も遅い応答が531分の1に

Coinbase 傘下の Deribit の新エンジンは、中央値で約61倍、最も遅い1%の応答で約531倍速くなった。遅れの読めなさが消えたことが、株・商品・上場前企業への商品拡大の前提になっている。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|Coinbase 傘下の Deribit、新エンジンで最も遅い応答が531分の1に

Coinbase のデリバティブ部門を率いる Luuk Strijers 氏は10月29日公開のインタビューで、傘下の暗号資産オプション取引所 Deribit の新しい売買照合エンジンが「50〜60倍速い」と語った。初期報は30日の 速報。

Deribit が9月21日に公表した実測を読むと、50〜60倍は中央値の話で、改善が最も大きいのは最も遅い1%の応答だ。そこでは531分の1に縮んだ。速さより「遅れの読めなさ」が消えたことが、この取引所を暗号資産の外の商品へ広げる前提になっている。

中央値61倍、最も遅い1%で531倍

Deribit は、新エンジン「Starbase」へ注文の9割超が移った後の6日間と、移行前の6日間の応答時間を比べた。

  • 中央値 (p50): 4.7ミリ秒 → 76マイクロ秒 (約61分の1)
  • 90%の注文が収まる時間 (p90): 26.4ミリ秒 → 106マイクロ秒 (約249分の1)
  • 99%の注文が収まる時間 (p99): 124ミリ秒 → 234マイクロ秒 (約531分の1)

Strijers 氏の「50〜60倍」は、この表の1行目にあたる。差が開くのは下の行だ。移行前は、最も遅い1%の応答が中央値の約26倍あり、閑散時の約80ミリ秒から混雑時の約600ミリ秒まで振れていた。移行後は中央値の約3倍に収まり、180〜420マイクロ秒の帯から外れない。

負荷の強い日でも崩れていない。8月24〜25日の2日間でエンジンは10.2億件の処理を受け、最も混んだ1秒には2万3,836件の要求が集まった。そのとき中央値は79マイクロ秒から609マイクロ秒に上がったが、最も遅い往復でも0.8ミリ秒を切り、滞留は2ミリ秒以内に解けた。

速さより「読める遅れ」が効く理由

自動売買で値を出し続けるマーケットメーカーにとって、怖いのは平均の遅さではなく、たまに来る大きな遅れだ。応答が遅れれば、取り消したつもりの気配値が板に残り、古い価格で約定してしまう。最も遅い応答が読める幅に収まれば、提示できる値幅を詰め、出せる量を増やせる。

Deribit 自身も、利点は単純な速さではなく一貫性だと書いている。従来の接続 (Classic API) はそのまま使え、ウェブやアプリの利用者は何もしなくてよい。低遅延の専用接続は、機関投資家のマーケットメーカー向けに別に用意された。

エンジンの余力で、暗号資産の外へ

新エンジンが効いてくるのは、扱う商品を増やすときだ。Deribit は9月16日、USDC で決済する永久先物 (perps) を90超追加する「過去最大の拡大」を発表した。暗号資産の新規60超に加え、米国の大型株や ETF、金・銀・エネルギー、Coinbase の指数 COIN50、さらに Anthropic と OpenAI の非上場の企業価値に連動する契約まで含む。株式・商品・上場前企業の契約は、ドバイの仮想資産規制庁 (VARA) から受けた限定的な認可の範囲で提供される。

ビットコインとイーサリアムのオプションで育った取引所が、同じエンジンの上で株と商品と上場前企業を扱う総合デリバティブ市場へ移ろうとしている。照合エンジンの更新は、その器づくりにあたる。インタビューの告知によれば、Strijers 氏は株式・商品・上場前企業の永久先物について、需要が想定を上回った分野と下回った分野の両方を語っている。

次に見るもの

  • Deribit Insights の「Exchange Updates」に出る、永久先物の追加分の上場告知 — 9月に発表した90超の契約のうち、段階的な展開がどこまで進むか
  • 2027年2月ごろに出る Coinbase の2026年10〜12月期の株主向け書簡 — デリバティブの取引高と、株式・商品の永久先物の寄与が数字で示されるか

ことば

  • 売買照合エンジン (マッチングエンジン) — 取引所で買い注文と売り注文を突き合わせ、約定させる中核のシステム。応答の速さと安定が、板の厚さと値幅に直接効く。
  • p99 — 全体の99%の注文がその時間内に応答を受け取る、という目安。最も遅い1%の注文の体験を表し、混雑時の取引所の実力を測るのに使われる。
  • 永久先物 (perps) — 満期の無い先物。資金調達率 (ファンディングレート) で現物価格に近づける仕組みを持ち、暗号資産で広がったが、株式や商品にも対象が広がっている。

🔗 一次ソース

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