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📡 Signal|Chainlink、閉場中の株価を永久先物の気配から24時間提供
Chainlink が株式・商品の価格を週末も届ける 24/7 を始め、Aave が担保の値付けに採用した。市場が閉じている間の値は、複数の永久先物の取引所の気配からつくる参照値だ。

Chainlink は10月29日、株式や商品などの現実資産の価格を週末と祝日も途切れずにブロックチェーンへ届ける「Chainlink 24/7」の提供を始めた。最初の採用先は DeFi (分散型金融) の貸出で最大の Aave で、機関投資家向けの貸出基盤 Horizon で担保の値付けに使う。初期報は30日の 速報。
「24時間の株価」と聞くと、取引所の値が休まず届くように聞こえる。Chainlink の発表文はそこを明確に線引きしている。市場が閉じている間の価格は、閉じた取引所の実際の気配ではなく、複数の永久先物の取引所の気配からつくる参照値だ。トークン化した株の週末の値を、暗号資産のデリバティブ市場が決める仕組みができた。
平日は取引所、週末は永久先物の気配
Chainlink は今年に入って、米国株と ETF の価格を平日の全時間帯 (立会前・通常・立会後・夜間) に届ける「24/5」を始めていた。それでも米東部時間の金曜20時から日曜20時までと、市場の祝日は空白のまま残っていた。
24/7 はこの空白を埋める。取引時間中は従来の 24/5 のデータを使い、市場が閉じると複数の永久先物の取引所の気配に切り替える。気配は古いものを除き、外れ値の影響を抑えて集計する。切り替えは市場の時間帯に合わせて自動で行い、週明けの通常取引の開始と同時に、取引所での価格発見に戻る。
届け方は2通りある。永久先物の取引所や予測市場は、必要な時に低遅延で取り出す「Data Streams」を使い、貸出の仕組みはブロックチェーン上に書き込まれる「Data Feeds」を読む。Data Streams の報告には、いまどの時間帯か、取引時間中なら買い気配と売り気配も含まれる。
貸出の「週末リスク」を誰が値付けするか
最初に効くのは貸出だ。トークン化した株を担保に貸す仕組みは、元の市場が閉じた週末も担保を抱え続ける。これまでは、市場を止める、最後の価格を使い続ける、自前の週末の値付けを作る、のどれかを選ぶしかなかった。週末に悪材料が出ても担保の値が動かなければ、貸し手は月曜の寄り付きまで損失を読めない。
Aave は Horizon で、取引高の大きい米国株から 24/7 の Data Feeds を担保の値付けに使う。Aave の創業者 Stani Kulechov 氏は発表文で、週末や祝日も現実資産の担保を確実に評価できると述べている。
裏返せば、週末に担保が清算されるかどうかを決めるのは、永久先物の取引所の気配になる。株の永久先物は、Deribit が9月に株式・ETF の契約を加えるなど、暗号資産の取引所で急速に広がっている。その市場の厚みと気配の質が、そのままトークン化株を担保にした貸出の安全性に効く。Chainlink は採用する資産に、市場の厚さ・流動性・価格の一貫性で基準を設けるとしている。
規模の数字は Chainlink 自身の集計
発表文は、24/5 がすでにトークン化株の半数近くの時間外取引を支え、Ondo、xStocks、Robinhood、Coinbase 向けに6つのチェーン上で16億ドル超のトークン化株の値付けに使われているとする。Aave の預かり資産は340億ドル超としている。いずれも Chainlink 側の集計で、Aave が Horizon で 24/7 の値を使って実際にどれだけの担保を評価しているかは、まだ示されていない。
次に見るもの
- Chainlink の Data Feeds の一覧 (docs.chain.link) に、24/7 の米国株の価格フィードがどの銘柄から並ぶか
- 11月7〜8日の週末に、Aave Horizon の株式担保の市場で清算が起きるか、起きた場合にどの価格が使われたか。週末の値付けが最初に試される場面になる
ことば
- トークン化株 — 株式をブロックチェーン上のトークンとして発行・流通させたもの。ブロックチェーンは24時間動くが、元の株の取引所は平日の決まった時間しか開いていない。
- 永久先物 (perps) — 満期の無い先物。暗号資産の取引所で広がり、いまは株式や商品を対象にしたものも増えている。株の取引所が閉じた週末も取引が続く。
- オラクル — ブロックチェーンの外にある価格などのデータを、スマートコントラクトが読める形でチェーン上に届ける仕組み。Chainlink はその代表的な提供者。
🔗 一次ソース
