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📡 Signal|Coinbase、自社の投資用ビットコインが1万8,000枚に
Coinbase の自社保有ビットコインが1万8,000枚に。10-Q では9月末1万7,954枚・約15億ドル。7〜9月期の黒字は大半が保有暗号資産の評価益だった。

Coinbase の CEO ブライアン・アームストロングは11月2日、自社の財務として持つ投資用のビットコインに「1万8,000枚目」を加えたと X に投稿した。10月29日に提出した四半期報告書 (10-Q) では、9月30日時点の保有は1万7,954枚、公正価値で約15億ドルで、2025年末の1万5,389枚から9か月で2,565枚増えている。初期報は2日の速報。
この枚数は、顧客から預かっている暗号資産ではない。Coinbase が自社の貸借対照表に「投資目的で保有する暗号資産」として載せている分だ。顧客のために保管・管理する暗号資産とステーブルコインの総額は9月末で3,766億ドルあり、1万8,000枚はそれとは別の勘定になる。米国の大手取引所が、手数料で稼ぐ場であると同時に、自らビットコインを積み増す買い手にもなっている。
10-Q の注記で枚数と原価を確かめる
10-Q の注記9「投資目的で保有する暗号資産」は、9月30日時点と2025年末を並べている。
- ビットコイン: 1万7,954枚・取得原価 12億5,889万ドル・公正価値 15億85万ドル (2025年末は1万5,389枚・取得原価 10億7,915万ドル・公正価値 13億4,645万ドル)
- イーサリアム: 15万2,649枚・取得原価 3億4,629万ドル・公正価値 約4億1,000万ドル (2025年末は15万1,175枚)
- その他の暗号資産: 公正価値 3億1,397万ドル
取得原価を枚数で割ると1枚あたり約7万100ドル、公正価値で割ると約8万3,600ドルになる。ビットコインだけで約2億4,200万ドルの含み益を抱えている計算だ。9か月の増え方はビットコインが約17%、イーサリアムが約1%で、積み増しはビットコインに偏っている。
アームストロングの言う「1万8,000枚目」は、9月末の1万7,954枚より46枚多い。10月以降も買い増しが続いたことになるが、10月以降の枚数と取得額は 10-Q の対象期間の外で、まだ開示されていない。
7〜9月期の黒字は、ほぼ保有暗号資産の評価益
同じ 10-Q の損益計算書を見ると、自社保有の重みがはっきりする。7〜9月期の純利益は7億1,870万ドルだった。このうち「投資目的で保有する暗号資産の利益」が7億1,502万ドルあり、本業の営業利益は6,167万ドルにとどまった。税引き前利益8億2,390万ドルの約87%を、保有するビットコイン・イーサリアム・その他の値上がりが占めた形だ。
1〜9月の累計では、この評価益は2,317万ドルまで縮み、純損益は3,489万ドルの赤字になる。累計から7〜9月期を差し引くと、1〜6月に約6億9,200万ドルの評価損が出ていたことになる。上期の損を7〜9月期の値上がりで取り戻した計算だ。
自社で持つ枚数が増えるほど、Coinbase の決算はビットコインの値動きに直接つながる。顧客の預かり資産も同じ方向に動く。10-Q は、預かり資産が前年の5,159億ドルから3,766億ドルへ減った主因を一部の暗号資産の価格下落と説明している。価格が下がる四半期には、手数料の土台と自社保有の評価損が同時に効く。取引所の収益と自社の資産が、同じ価格に乗っている。
次に見るもの
10月以降の買い増しを確かめる先は、Coinbase が例年2月に提出する年次報告書 (10-K) の同じ注記だ。12月31日時点のビットコインの枚数と取得原価がそこで出る。もう一点は10〜12月期の損益計算書の「投資目的で保有する暗号資産の利益」の行で、ビットコイン価格が9月末の水準 (保有分の公正価値から割ると1枚約8万3,600ドル) を下回って年を終えれば、7〜9月期の評価益は損失側に振れる。
ことば
- 10-Q — 米国の上場企業が四半期ごとに SEC (米証券取引委員会) へ出す報告書。監査を受ける前の財務諸表と注記を含み、Coinbase が自社で持つ暗号資産の枚数と取得原価もここに載る。
- 公正価値 — その時点の市場価格で資産を測った額。Coinbase は投資目的の暗号資産を公正価値で測り、値動きを「投資目的で保有する暗号資産の利益」として毎期の損益に入れている。
- 預かり資産 (Assets on Platform) — Coinbase が顧客のために保管・管理する暗号資産とステーブルコインのドル換算額。顧客が自分で鍵を持つ分は含まない。自社の投資用の保有とは別の数字。
🔗 一次ソース
