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SNAPSHOT 2026-10-20 23:03 JST

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📡 Signal|Boerse Stuttgart、EU の DLT 取引・決済システム免許を取得

Boerse Stuttgart Group が EU の DLT パイロット制度で取引と決済を一体で担う免許を取得。基盤 Seturion でトークン化証券を扱う。

LiveMakers Editorial Desk

📡 Signal|Boerse Stuttgart、EU の DLT 取引・決済システム免許を取得

ドイツの証券取引所グループ Boerse Stuttgart Group が10月20日、EU の DLT パイロット制度にもとづく DLT 取引・決済システム (DLT TSS) の免許を、ドイツ連邦金融監督庁 (BaFin) から取得したと発表した。対象は同グループが欧州向けに準備してきたデジタル決済の基盤 Seturion で、トークン化された証券の売買と決済を一つの場で受け持つ。

欧州の証券は、取引所で売買し、証券保管振替機関 (CSD) で決済するのが通常の分業だ。この免許は、ブロックチェーンの上でその 2 つをまとめて引き受けることを、取引所グループに認めるものだ。同グループは「欧州の取引所グループとして初の DLT TSS 免許」と位置づけている。

免許を持つのは、取引所の運営会社

ESMA (欧州証券市場監督機構) が公開している DLT 市場インフラの登録簿では、免許の保有者は Baden-Württembergische Wertpapierbörse GmbH、つまりシュトゥットガルト証券取引所の運営会社で、インフラの名前が Seturion、種別が DLT 取引・決済システム、監督当局が BaFin、開始日は10月16日と記載されている。発表は4日後の20日だった。

同グループの発表によると、免許の手続きは BaFin が ESMA と欧州中央銀行 (ECB) とともに進めた。登録簿には、決済に電子マネートークンを使うことを認める CSDR (EU の証券決済規則) の例外など、制度上の適用除外も並んでいる。

なお、スイスで同じ名前を名乗る Seturion AG は別の会社だ。旧 BX Digital で、スイス金融市場監督機構 (FINMA) の免許のもとで別のプラットフォームを運営している。今回の EU の免許とは系統が違う。

Seturion は何を決済するのか

同グループは Seturion を、公開型と許可型の両方のブロックチェーンに対応し、オンチェーンのお金と中央銀行マネーの両方で決済できる基盤と説明している。CSD を介さずに決済が完結する設計で、従来の仕組みに比べて費用を最大 90% 下げ、決済までの期間も大きく縮められるとする。費用の数字は同社の見込みだ。

提携先には flatexDEGIRO・Nasdaq・Societe Generale と、そのデジタル資産部門 SG-FORGE が名を連ねる。5月の発表では、SG-FORGE が自社のユーロ建てと米ドル建てのステーブルコイン (CoinVertible) を決済に提供するとし、最初に扱う資産としてトークン化された仕組み債を挙げた。Nasdaq は3月に、欧州の取引所を Seturion につなぐと発表している。稼働の日付は示されていない。

Boerse Stuttgart Group の CEO、マティアス・フェルケル氏は発表で、欧州の取引所グループとして初めての DLT TSS の免許は、デジタル資本市場での同グループの先駆的な役割を裏づけるものだと述べた。

5 番目の免許と、60億ユーロの天井

ESMA の登録簿に載る DLT TSS は、今回で 5 件になる。最初は 2024年12月にドイツの 21X が BaFin から取得し、その後リトアニアの Axiology、フランスの LISE、スペインで Securitize の欧州法人が続いた。BaFin の免許としては 2 件目だ。EU で最初の DLT TSS ではなく、同グループの言う「初」は取引所グループとしての初という意味になる。

この制度は、2023年3月に始まった試験的な枠組みだ。扱える証券には上限があり、株式は時価総額 5 億ユーロ未満の発行体、債券は発行額 10 億ユーロ未満に限られる。1 つのインフラが扱える総額は 60 億ユーロまでで、免許の有効期間は最長 6 年である。ESMA は2025年6月の報告で、免許を受けたインフラが少なく、上限が参加を妨げていると指摘した。

欧州委員会は2025年12月、市場統合の一括案のなかで、資産ごとの上限をなくし、1 つのインフラの総額の上限を 60 億ユーロから 1,000 億ユーロへ引き上げ、対象を全ての金融商品に広げる改正を提案した。まだ提案の段階で、成立はしていない。既存の取引所グループが免許を取りにきたのは、この試験の枠がやがて本番の制度になることを見越した動きと読める。

次に見るもの

確認先は Boerse Stuttgart Group の発表ページと、ESMA の DLT 市場インフラの登録簿だ。同グループはこの秋から冬にかけて提携先をさらに加えるとしており、最初の取引と決済がいつ、どの資産で行われるかを見る。もう 1 つは EU 理事会と欧州議会での DLT パイロット制度の改正の審議で、60 億ユーロの上限が引き上げられるかが、Seturion の規模の天井を決める。

ことば

  • DLT パイロット制度 — ブロックチェーンなどの分散台帳で証券の取引や決済を行うことを、規模の上限つきで試験的に認める EU の制度。2023年3月から適用されている。
  • DLT TSS (DLT 取引・決済システム) — この制度の免許の一種で、証券の売買の場と決済の仕組みを一つのインフラで運営できる。通常は別々の会社が担う 2 つの機能をまとめる点が特徴になる。
  • CSD (証券保管振替機関) — 株式や債券の権利の記録と、売買の後の受け渡しを担う機関。Seturion はこの役割をブロックチェーンの上で代替する設計をとる。

🔗 一次ソース

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