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📡 Signal|総務省の7月全国CPI、コアは+1.8%で2カ月連続の伸び拡大——コアコアは+1.9%と2025年10月以来の再加速
7月の全国コアCPIは+1.8%で2カ月連続の伸び拡大。コアコアは+1.9%と2025年10月以来の反転を見せ、押し上げたのは食料でもエネルギーでもなく、値下がりが常態だった耐久財と消耗品だった。
総務省が8月21日に公表した2026年7月分の全国消費者物価指数で、生鮮食品を除く総合(コア)は前年同月比+1.8%となった。6月の+1.6%から0.2ポイント、5月の+1.4%からは2カ月連続で伸び幅が拡大している。より基調に近い生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコア)は+1.9%で、6月の+1.7%から反転した。
コアコアの前年同月比が前月を上回ったのは、2025年10月(3.0%→3.1%)以来である。2025年7月の3.4%からほぼ一本調子で下がり続けてきた基調が、7月分で上を向いた。しかも押し上げたのは食料でもエネルギーでもない。物価が下がる側の品目として長く扱われてきた財が、符号を変えている。
内訳を数字のまま並べる。
コアを押し上げたのは、エネルギーが「下がらなくなった」ことだ
統計局はコアの上昇幅0.2ポイント拡大(6月1.6%→7月1.8%)の内訳をこう書いている。ガソリンの下落幅が拡大したものの、電気代・都市ガス代の下落幅が縮小したことでエネルギーが総合の上昇幅を0.08ポイント押し上げ、加えて教養娯楽用耐久財が0.03ポイント、家事用消耗品が0.03ポイント押し上げた。
エネルギー全体の前年同月比は6月の-0.4%から7月は+0.6%へ。総合への寄与度は-0.03から+0.05に転じた。品目別では電気代が-1.7%→-0.1%、都市ガス代が-3.2%→-1.1%。どちらもまだマイナス圏だが、マイナスの幅が縮んでいる。ガソリンは-0.8%→-1.8%と逆に下落幅を広げ、プロパンガスは+3.9%→+6.5%、灯油は+16.5%→+15.7%だった。
つまりエネルギーは値上がりしたのではない。前年の高い水準が剥落し、前年同月比という尺度の上で下げ止まったように見えている。統計局はガソリンの暫定税率廃止と関連政策の効果を試算値として併記しており、エネルギー全体で-0.22ポイント(当月分-0.35、前年剥落分+0.13)、ガソリン単体で-0.23ポイント(当月分-0.34、前年剥落分+0.11)としている。押し下げと押し上げが同じ品目の中に同居している。
コアコアの反転は、食料の外側で起きた
コアコアの前年同月比を並べると、2025年7月3.4%→8月3.3%→9月3.0%→10月3.1%→11月3.0%→12月2.9%→2026年1月2.5%→2月2.4%→3月2.4%→4月1.9%→5月1.8%→6月1.7%→7月1.9%となる。この間、前月を上回ったのは2025年10月と今回の2回だけだ。
押し上げたのは食料ではない。生鮮食品を除く食料は+3.1%→+3.0%と伸びが鈍り、総合への寄与度も0.73から0.72へわずかに下がった。代わりに動いたのは財の側である。
- 家具・家事用品: +2.3% → +3.7%(総合への寄与度 0.09 → 0.14)
- 家事用消耗品: +3.7% → +6.3%(同 0.04 → 0.07)
- 家庭用耐久財: +2.7% → +3.5%
- 教養娯楽用耐久財: -2.1% → +1.7%
教養娯楽用耐久財がマイナスからプラスへ符号を変えた点は見ておきたい。テレビやパソコンを含むこの区分は、価格が下がり続ける品目の代表格だった。そこが上を向いたということは、価格転嫁が食料や光熱費といった「避けられない支出」の外側まで届き始めたことを意味する。コアコアの反転が1カ月の振れで終わるかどうかは、この区分が翌月も同じ方向に動くかで見分けがつく。
一方で下がった項目もある。保健医療は+2.5%→+2.1%、被服及び履物は+1.4%→+1.2%。教育は-3.8%で前月と変わらず、高等学校授業料(私立)の-73.2%が総合を0.15ポイント押し下げている。制度によって決まる価格は、物価の基調とは別の論理で動く。
季節調整済の前月比は3系列がそろって上昇した。総合+0.4%、コア+0.3%、コアコア+0.3%。コアコアの季調前月比は4月-0.2%、5月+0.2%、6月+0.1%を経て7月が+0.3%で、前年同月比だけでなく月次の動きでも加速している。
長期金利は、この数字が出る前に下げていた
財務省の国債金利情報(日次)で公表前の推移を見ると、8月18日が10年2.934%・30年4.096%、19日が2.894%・4.054%、20日が2.854%・3.995%。30年は18日から20日にかけて0.101ポイント下げて4%台を割り、10年も0.080ポイント低い。
CPIが公表された8月21日の値はまだ出ていない。物価の基調が上を向いた数字と、その直前まで金利が下がっていた事実は、いまのところ同じ画面に並んでいるだけである。どちらがどちらを説明するのかは、来週の年限別の動きを見るまで決まらない。
日本銀行の次回の金融政策決定会合は9月17〜18日で、それまでに8月分の全国CPIが公表される。7月分の1回だけでは、反転なのか振れなのかを分けられない。
⏱ 次に見るもの(48〜72時間)
- 8月21日以降の10年・30年国債利回り。30年が3%台にとどまるか、4%台へ戻すか
- 電気代・都市ガス代の下落幅。ここが縮み続ける限り、エネルギーはコアを押し上げる側に回り続ける
- 教養娯楽用耐久財と家庭用耐久財の符号。財の価格が下がる時代が終わったのかを、食料より遅れて示す指標
- 生鮮食品を除く食料の寄与度。0.72から下がり続けるなら、物価の主役はすでに食料から入れ替わっている
🔗 一次ソース

