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Event Risk Radar

📌Event Risk Radar|10/6週、市場が見る5つの先行指標

米10年債利回りは10月5日に5.31%と、米財務省の公表で2002年5月以来の水準に上がった。9月の雇用統計は就業者数2.9万人増と弱く、10月の追加利上げの見方はほぼ消えたが、長い年限は下がらなかった。 1週間で2年債は8ベーシスポイント下がり、30年債は10ベーシスポイント上がった。短い年限は雇用に、長い年限は物価と財政への警戒に反応している。 今週はその上乗せが数字になる。10月8日未明(日本時間)の10年債入札と9月FOMCの議事要旨、10月9日未明の30年債入札が並ぶ。 原油はG7の1億バレル放出とOPECプラスの据え置きで下げ、日本では臨時国会で消費減税の法案を巡る論戦が始まる。

LiveMakers 編集デスク

📌Event Risk Radar|10/6週、市場が見る5つの先行指標

今週の結論。

米10年債利回りは10月5日に5.31%を付けた。米財務省の日次公表で2002年5月以来の水準で、年初の4.19%から1.12ポイント上がっている。10月2日の9月雇用統計は就業者数の伸びが2.9万人にとどまり、10月の追加利上げの見方はほぼ消えたが、長い年限の金利は下がらなかった。今週は10月7日の10年債入札、10月8日朝(日本時間)の9月FOMC議事要旨、同じ日の30年債入札が、この上昇がどこまで続くかを試す。

短い年限は雇用統計に反応して下がり、長い年限は原油と財政への警戒で上がった。2年債と10年債の差は1週間で32ベーシスポイントから47ベーシスポイントへ開いた。日本では10月5日に臨時国会が始まり、高市首相が所信表明で「消費税・支援金法案」の準備を述べた。原油はG7の備蓄放出とOPECプラスの生産目標据え置きが重なり、週明けに下げている。

10月6日朝6時35分(日本時間)時点のコア12指標は次のとおり。暗号資産・株価指数・為替・商品はHyperliquidの先物の価格で、変化率は24時間比。ビットコインは85,878ドルで0.1%安、イーサは2,715.6ドルで0.38%高、ソラナは120.7ドルで0.55%安。S&P 500連動先物は7,773.4で0.51%高、米テック100連動先物は31,092で0.7%高、日経225連動先物は70,211で0.71%高。EUR/USDは1.1225で0.35%安、ドル円は10月5日のECB参照レートで158.229円と0.35%の円安。金は4,143.6ドルで0.13%高、WTI原油は89.006ドルで2.66%安。米10年金利は10月5日付の米財務省公表値で5.31%、前営業日から3ベーシスポイント上がった。BTCボラティリティ(BVIV)は38.24で0.48%低下。株価指数の先物は、長期金利が5.3%台にあっても24時間では上げている。

1|確定イベント

今週の日程は、米国債の入札と連邦準備制度の議事要旨が水曜から木曜の夜(日本時間)に集まる。日本は臨時国会の代表質問の週で、週末には米国の祝日が来る。

  • 10/5(済):臨時国会(第222回国会)が召集され、高市首相が所信表明演説を行った。飲食料品の税負担を軽くし、所得に応じた支援金を組み合わせる「消費税・支援金法案」の準備を進めていると述べ、「強く豊かな日本」投資枠の創設と、財政の持続可能性を前提とする経済財政運営も示した。
  • 10/4(済):OPECプラスの7か国会合が、11月の生産目標を9月と同じ水準に据え置いた。次回は11月1日。
  • 10/2(済):G7首脳が国際エネルギー機関(IEA)を通じた1億バレルの協調放出で合意した。放出は4か月で、軽油は最初の20日に前倒しする。
  • 10/6 21:30 JST(米10/6 8:30 ET):8月の米貿易収支(米経済分析局)。
  • 10/6 23:45 JST(米10/6 10:45 ET):ボウマン連邦準備制度副議長が、規制と監督の見直しについてセントルイスで講演する。
  • 10/7 02:00 JST目安(米10/6 13:00 ET):3年債の入札。発行額は580億ドル。
  • 10/8 02:00 JST目安(米10/7 13:00 ET):10年債の入札(既発債の追加発行)。発行額は390億ドル。
  • 10/8 03:00 JST(米10/7 14:00 ET):9月15〜16日のFOMCの議事要旨。9月の会合は0.25%の利上げで政策金利を3.75〜4.00%とし、12対0の全員一致だった。
  • 10/8 14:00 JST:日銀の地域経済報告(さくらレポート)。10月29〜30日の金融政策決定会合の前に、各地の賃金と価格転嫁の様子が出る。
  • 10/8 17:30 JST(米10/8 4:30 ET):ウォラー連邦準備制度理事が、トルコ中央銀行のイスタンブール経済フォーラムで経済見通しを話す。
  • 10/8 19:00 JST(米10/8 6:00 ET):PepsiCoが2026年7-9月期の決算資料を公開する。
  • 10/9 02:00 JST目安(米10/8 13:00 ET):30年債の入札(既発債の追加発行)。発行額は220億ドル。
  • 10/9 05:30 JST(米10/8 16:30 ET):連邦準備制度のバランスシート(H.4.1)。
  • 10/9 23:00 JST(米10/9 10:00 ET):Delta Air Linesの2026年7-9月期の決算説明会。燃料費の高止まりが航空会社の利益をどこまで削ったかが最初に出る。
  • 10/12(米):コロンバス・デーで連邦準備制度は休日。この日の統計公表は13日へずれる。
  • 来週以降の日程:10/14に9月の米消費者物価、10/15に生産者物価(米労働統計局)。10/19に米財務省のGENIUS法(ステーブルコイン法)の規則案、10/20に米証券取引委員会のRegulation Crypto Assetsと、米商品先物取引委員会の計算資源(コンピュート)デリバティブの上場に関する意見募集が締め切られる。10/27〜28にFOMC、10/29〜30に日銀の金融政策決定会合。11/30に連邦準備制度のGENIUS法の実施規則案の意見募集が締め切られる。

2|市場予想・織り込み

10月のFOMCでの追加利上げは、雇用統計の後にCME FedWatchで2割強の確率まで下がったと伝えられている。1週間前は7割前後だった。一方で12月までの利上げはなお織り込まれているとされる。9月の就業者数は2.9万人増と予想の9万人を大きく下回り、失業率は4.1%から4.2%へ上がった。7月と8月は合わせて6万人の下方修正で、7月は1万人の減少に転じた。平均時給は前月比0.1%、前年比3.0%の伸びだった。

物価の側は逆を向いている。9月30日に出た8月のPCE物価は前年比3.4%で、食品とエネルギーを除いても3.0%。連邦準備制度は9月に利上げを再開したばかりで、雇用の減速と高い物価のどちらを重く見るかが、今週の議事要旨で読める。

米国債は年限によって動きが分かれた。米財務省の公式値で、9月28日から10月5日までに2年債は4.92%から4.84%へ8ベーシスポイント下がり、5年債は5.06%で変わらず、10年債は5.24%から5.31%へ7ベーシスポイント、20年債は5.60%から5.70%へ、30年債は5.56%から5.66%へそれぞれ10ベーシスポイント上がった。利上げの見通しが後退しても長い年限が上がり続けるのは、投資家が長期の物価と財政の不確かさに対して上乗せを求めている形だ。今週の10年債と30年債の入札は、その上乗せの大きさを入札結果という一つの数字で見せる。

ユーロ圏では9月の消費者物価の速報値が3.8%と、8月の3.2%から上がった。エネルギーは18.8%上がっている。オーストラリア準備銀行は9月30日から政策金利を4.60%に上げた。中東の戦争によるエネルギー高が、主要国の物価と金利を同じ方向に押している。

日本では、日銀短観(9月調査)で大企業製造業の業況判断が24と2ポイント改善し、非製造業は35と2ポイント悪化した。先行きはどちらも悪化を見込む。財務省の公表で10月2日の10年債は3.097%、30年債は4.148%、2年債は1.919%。日米10年の差は2.21ポイントと広く、ドル円は158円台前半にある。

3|未確認・報道ベース

  • 臨時国会の日程。会期は12月12日までの69日間で、各党の代表質問は10月7日から9日に衆参の本会議で行う方向と伝えられている。消費減税の法案は10月半ばの提出が想定され、飲食料品の消費税率を8%から1%に下げる内容とされる。参議院では与党が過半数に届かず、主要な野党は財源を示していないとして反対の立場と報じられている。
  • 原油。10月5日、ブレントの先物は1.9%安の100.32ドル、WTIは約1.8%安の89.43ドルで取引を終えたと伝えられる。9月最終週の7日間のうち4日、中東からの原油輸出が戦争前の水準を上回ったとの船舶データが報じられた。サウジアラムコはアジア向け11月の原油価格を6年ぶりの低さに下げたとされる。一方で、イエメンのフーシ派はリヤドとクライスのアラムコ施設をミサイルと無人機で攻撃したと主張しており、サウジアラビア側の確認は出ていない。
  • 米イランの仲介協議。9月29日、カタールの仲介者がニューヨークでイランのアラグチ外相と会い、ホルムズ海峡の再開案を米国側へ改めて伝えると報じられた。協議の議題で両国はなお一致していないとされ、合意の枠組みは示されていない。
  • 米国の暗号資産市場の法案。CLARITY法案は9月15日に上院で審議入りの採決が49対50で否決された後、ティリス議員の再審議動議で道は残ったが、11月の中間選挙を控えて今会期の成立は難しいとの見方が出ている。米商品先物取引委員会は9月17日に暗号資産の取引と市場に関する規則案をホワイトハウスの審査へ送ったと伝えられ、本文はまだ公表されていない。

4|価格に効く経路

  • 10年債・30年債の入札(10/7・10/8) → 長期金利の上乗せ → 米20年・30年債 → 株式の割引率と住宅ローン金利
  • 9月FOMCの議事要旨(10/8朝) → 12月の利上げの織り込み → 米2年債 → ドル → 金と暗号資産
  • G7の1億バレル放出とOPECプラスの据え置き → 原油の供給 → 期待インフレ率 → 米国の長い年限の金利
  • フーシ派とサウジの攻撃の応酬・米イラン協議 → ホルムズ海峡と紅海の通航 → ブレント → 欧州の物価(9月3.8%)
  • 消費税・支援金法案(10月半ば提出の想定) → 日本の財政の見通し → 30年債・40年債 → 円
  • 地域経済報告(10/8)と10月末の日銀会合 → 円の短い金利 → 日米金利差 → ドル円
  • 航空・食品の決算(PepsiCo 10/8・Delta 10/9) → 燃料費と値上げの転嫁 → 企業の価格設定 → 9月の消費者物価(10/14)の読み

5|先行指標 Watch

  • 米10年債 5.31%:10年債入札の後に5.4%台へ乗るなら、利上げの後退とは別に長期の上乗せが広がっている。5.2%を割れば、原油安と雇用の弱さが長い年限まで届き始めた
  • 米2年債 4.84%:議事要旨の後に4.9%台へ戻るなら、市場は12月の利上げを確かなものとして扱い直している。4.7%台へ下がれば、利上げの打ち止めを読み始めている
  • 米2年と10年の差 47ベーシスポイント:50ベーシスポイントを超えて広がるなら、主役は政策金利ではなく長期の物価と財政の上乗せ。40ベーシスポイントを割れば、議事要旨のタカ派色で短い年限が持ち直した
  • 米30年債 5.66%・20年債 5.70%:30年債入札で20年債を上回る水準へ上がるなら、超長期の買い手が薄くなっている
  • WTI原油(連動先物) 89.006ドル:G7の放出が始まる中で85ドルへ向かうなら供給不安の後退が進んでいる。95ドルを超えるなら、湾岸の施設攻撃が放出の効果を上回った
  • ドル円 158.229円(10/5のECB参照レート):日米10年差2.21ポイントのまま160円へ近づくなら、10月末の日銀会合の前に円の売りが進んでいる
  • 日本10年債 3.097%(10/2):代表質問と法案提出を前に3.1%を超えて定着するなら、市場が消費減税の財源を先に問い始めている
  • ビットコイン 85,878ドル:長期金利5.3%台の中で85,000ドル近辺を保てるか。買いの厚みは米国の現物ビットコインETFの日次の資金流出入(Farside Investors)で確かめられる
  • BTCボラティリティ(BVIV) 38.24:議事要旨の後に40を超えるなら、暗号資産の市場が金利の上振れを価格に入れ始めている

【今週の分岐】

Base scenario:
議事要旨は利上げを再開した理由として物価の高さを強調しつつ、次の一手は統計次第という内容にとどまる。10年債と30年債の入札は無難にこなし、10年債は5.2〜5.4%、2年債は4.75〜4.9%で推移する。G7の放出が始まり、WTIは85〜95ドルで上下する。日本は代表質問が予定どおり進み、10年債は3.1%前後。ドル円は158円台、ビットコインは85,000ドル近辺を保つ。

Risk scenario:
10年債か30年債の入札で需要が細り、10年債が5.4%台へ乗る。議事要旨で追加利上げへの支持の広さが示され、2年債も4.9%台へ戻る。フーシ派とサウジの攻撃の応酬が広がり、WTIは95ドルを超える。株価指数の先物は金利上昇を受け入れきれず下げ、BTCボラティリティは40を超え、ビットコインは85,000ドルを割り込む。日本では法案の財源論が長引き、30年債の利回りが上がる。

Alt scenario:
入札が強く、雇用の弱さが長い年限にも届いて10年債は5.2%を割る。議事要旨で利上げを1回で止める余地を論じた委員の存在が読めれば、2年債は4.7%台へ下がり、2年と10年の差は縮む。米イランの仲介協議が前に進み、WTIは85ドルへ向かう。ドルが下がり、金は4,200ドルを試し、ビットコインは9万ドルへ近づく。

今週の見方。

先週の米国の金利は、二つの材料で別々に動いた。雇用統計は短い年限を押し下げ、10月の利上げの見方をほぼ消した。長い年限は止まらず、10年債は2002年5月以来の5.31%に届いた。利上げの後退が長期金利の低下につながらない状態は、市場が政策金利よりも長期の物価と財政を心配していることを示している。G7の備蓄放出で原油が下げても長い年限が下がらなければ、その心配は原油だけでは説明できない。

今週はその心配が入札という形で数字になる。3年債・10年債・30年債の3本の入札が日本時間の水曜から金曜の未明に並び、その間に9月の利上げを決めた会合の議事要旨が挟まる。日本では、消費減税の法案を巡る論戦が臨時国会で始まり、財源の議論が30年債と円にどう映るかが問われる。

確かめる先は三つある。10月8日午前2時(日本時間)にTreasuryDirectで公表される10年債の入札結果、同日午前3時に連邦準備制度が公表する9月FOMCの議事要旨、そして10月9日午前2時の30年債の入札結果。翌週は10月14日の9月の米消費者物価が、12月の利上げの読みを書き換える。

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