SNAPSHOT
BTC/USD$76,050+0.1%
ETH/USD$2,240.88+0.2%
Coinbase(perp)$134.71-0.4%
S&P 500(perp)7,384.70+0.7%
米テック100(perp)27,017.00+1.8%
日経225(perp)58,033+1.6%
EUR/USD(perp)1.1146-0.7%
USD/JPY(perp)158.470+0.6%
Gold(perp)$4,075.50-0.4%
WTI(perp)$90.07-1.2%
米10年金利4.86%+0.4%
BTCボラティリティ(BVIV)41.42-3.1%
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SNAPSHOT 2026-11-07 07:30 JST

Weekly Brief

LVM Weekly Brief #14|民主党が上下両院を奪還、ナスダック100は6.4%安

11 月 3 日の米中間選挙で民主党が上下両院の多数を握り、翌日に WTI は 8.3% 下げ、5 日にはナスダック 100 が 6.4% 下げた。売りは株からデータセンター融資と AI 関連債へ広がったと報じられている。6 日の 10 月の雇用は 16 万 5,000 人増で、12 月の利上げの織り込みは 7 割台後半へ上がった。

LiveMakers 編集デスク

LVM Weekly Brief #14|民主党が上下両院を奪還、ナスダック100は6.4%安

Executive Summary

11 月 3 日の米中間選挙で、民主党が上院と下院の両方で多数を握った。 NBC の 4 日時点の集計では、上院は民主党側 54、共和党 43、未確定 3 で、民主党は共和党から 7 議席を奪った。新しい議会は 2027 年 1 月 3 日に始まる。市場はこの結果を、原油と AI でまったく違う形に値付けした。

原油は戦争の終わりを織り込み、AI はデータセンターの遅れを織り込んだ。 4 日の WTI は 8.3% 下げて 88.12 ドルで引けた。翌 5 日には、住民投票でデータセンターに不利な結果が相次いだことや半導体の見通しの弱さが重なり、ナスダック 100 が 6.4%、S&P 500 が 4.4% 前後下げたと報じられた。その後の報道では、売りは株からデータセンター融資と AI 関連債へ広がっている。

それでも雇用は強く、中央銀行は利上げの側へ傾いた。 10 月の米雇用は 16 万 5,000 人増と事前の予想の 2 倍を超え、12 月の FOMC での利上げの織り込みは 7 割台後半に上がった。イングランド銀行は 3 年 3 か月ぶりに利上げし、オーストラリア準備銀行は政策金利を 4.85% へ上げた。一方で米 10 年債の利回りは週間で 8bp 下がり、金の連動先物は 4.81% 上げた。前号で逃げ場にならなかった金に、今週は資金が戻った。

暗号資産と RWA は、この売りの中で静かに減った。 ビットコインの連動先物は週間 1.39% 安で、現物 ETF からは資金が出続けた。ドル建てステーブルコインの総額は 1 週間で 59 億 7,000 万ドル減り、トークン化米国債は 142 億 4,000 万ドルと 3 週続けて減った。

7 日朝の 12 指標は次のとおり。暗号資産・株価指数・為替・商品は先物 (perp) の価格で、24 時間比は取得時点の 24 時間の変化。前週比は 10 月 31 日朝との比較だ。

指標7 日朝24 時間比前週比
BTC75,750.8 ドル−0.26%−1.39%
ETH2,225.9 ドル−0.32%−0.57%
Coinbase(COIN 連動先物)134.51 ドル−0.80%−6.47%
S&P 500 連動先物7,381.7+0.57%−2.64%
米テック100 連動先物26,981+1.57%−4.99%
日経225 連動先物58,158+1.30%−6.84%
EUR/USD1.1147−0.67%+0.02%
USD/JPY (ECB 参照レート)158.325−0.08%+0.68%
金 (連動先物)4,066.3 ドル−0.52%+4.81%
WTI 原油 (連動先物)90.137 ドル−0.93%−12.61%
米 10 年金利 (米財務省)4.86%+2bp−8bp
BTC ボラティリティ (BVIV)41.418−1.13%−3.09%

Macro Lane

10 月の雇用は、夏の冷え込みの見方まで書き換えた。 米労働統計局によると、非農業部門の雇用者数は 16 万 5,000 人増で、事前の予想は 5 万 9,000 人から 6 万 5,000 人だった。8 月は 18 万 6,000 人増、9 月は 6 万人増へ改定され、2 か月で 8 万 4,000 人上積みされた。失業率は 4.1%、平均時給は前月比 0.4%、前年比 3.1% 増の 38.00 ドル。労働省の週次統計では、10 月 31 日までの週の新規失業保険申請が 18 万 9,000 件と、1969 年 9 月以来の低さに並ぶ水準だった。CME の FedWatch で 12 月 9 日の会合の 0.25 ポイント利上げの確率は、報道の時点で 76〜78% まで上がった。

長い金利は、利上げの織り込みとは逆に下げた。 財務省の日次利回りで前号の 10 月 30 日と 11 月 6 日を並べると、3 か月を除く全年限で下がった。

年限10/3011/311/511/6週間の変化
3 か月4.16%4.21%4.17%4.19%+3bp
2 年4.56%4.61%4.46%4.51%−5bp
5 年4.71%4.74%4.59%4.64%−7bp
10 年4.94%4.95%4.84%4.86%−8bp
20 年5.34%5.35%5.27%5.29%−5bp
30 年5.31%5.32%5.25%5.26%−5bp

株が急落した 5 日に 2 年債は 12bp 下げ、雇用統計の 6 日に 5bp 戻した。4 週連続で、株の売りが国債の利回りを押し下げた形だ。2 年と 10 年の差は 38bp から 35bp へ縮んだ。11 月 10 日の物価が強ければ、利上げの織り込みと長い金利のずれは、金利の上げで埋まる道が近くなる。

英国と豪州は、エネルギー高を前に先に動いた。 イングランド銀行は 5 日、政策金利を 0.25 ポイント上げて 4% にした。賛成 8 人に対し、マン委員は 0.5 ポイントの利上げを主張し、据え置きの票はなかった。物価上昇率は 2027 年 4〜6 月期に約 5% に達するとの見通しだ。オーストラリア準備銀行は 3 日に 4.85% へ上げ、今年 5 回目の利上げを 6 対 3 で決めた。理由にはどちらも中東の紛争による原油の供給の乱れを挙げる。次のイングランド銀行の決定は 12 月 17 日で、FOMC は 12 月 8〜9 日に開く。

財務省は、入札額を変えずに借りる道を続けた。 4 日の四半期定例の発表で、入札は 3 年債 580 億ドル、10 年債 420 億ドル、30 年債 250 億ドルの計 1,250 億ドル、新規の調達は約 280 億ドル。中長期債の入札額を「今後数四半期」維持するとの見通しを残した。買い戻しは来年 1 月までの四半期に流動性支援で最大 700 億ドル、資金繰りで最大 250 億ドルとした。2 日の見通しでは市場からの借り入れが 10〜12 月期に 6,180 億ドル、2027 年 1〜3 月期に 8,000 億ドルで、入札額を据え置く以上、増える分は短期証券に寄っていく。

財政・流動性の定点。 FRB の総資産は 11 月 4 日時点で 6 兆 7,481 億ドル、前週比 25 億ドル増。保有する米国債は 4 兆 5,788 億ドルで 22 億ドル増え、住宅ローン担保証券は 1 兆 8,835 億ドルで水曜の値に変化はない。前号まで 2 週続いた動きは今週逆に回った。財務省の口座 (TGA) は 794 億ドル減って 9,362 億ドルとなり、準備預金は 676 億ドル増えて 2 兆 9,628 億ドルに戻った。ECB の 10 月 30 日時点の財務諸表では総資産が 5 兆 9,454 億ユーロで、取引による増加は 104 億ユーロ、金融政策目的の保有証券は 3 兆 2,952 億ユーロで 52 億ユーロ減った。日本銀行の営業毎旬報告は 10 月 31 日時点で総資産 626 兆 1,882 億円と、10 月 20 日時点から 1 兆 2,102 億円増えた。

米国の政府債務は 10 月 29 日の 40 兆 5,936 億ドルから 11 月 5 日の 40 兆 5,561 億ドルへ 375 億ドル減り、10 月 29 日の過去最高は更新されていない。M2 は 10 月 27 日公表の 9 月分から新しい数字がなく、変化なし。

日本の長い金利は、1 週で戻した。 財務省の国債金利情報で、10 年債は 10 月 29 日の 2.876% から 11 月 5 日の 2.806% へ、30 年債は 3.956% から 3.915% へ下がった。日米 10 年金利差は 2.10 ポイントから 2.03 ポイントへ縮んだ。それでも ECB 参照レートで計算したドル円は 10 月 30 日の 157 円 25 銭から 11 月 6 日の 158 円 33 銭へ円安に動き、金利差が縮んでも円は買われなかった。

欧州の金利差は、9 月の月平均でフランスの開きが目立った。 ドイツとの 10 年国債の金利差を 9 月の月平均で見ると、次のとおりだ。

国差前月比備考
フランス96.7bp+15.2bp2013 年以降で最大
イタリア88.9bp+8.8bp2026 年以降で最大
ギリシャ74.7bp+6.2bp
ベルギー64.7bp+7.2bp2024 年以降で最大
スペイン45.4bp+0.4bp
ポルトガル37.3bp+2.1bp
アイルランド11.8bp−4.7bp

フランスはかつて財政不安の中心だったイタリアより高い差を払っている。足元の材料も重い。フィッチは 10 月 30 日、定例の日程の外でフランスの格付けの見通しをネガティブに下げ、国民議会は 11 月 4 日に 2027 年予算案の歳入部を賛成 0、反対 458 で否決した。ユーロ外の国の 10 年金利は 9 月の月平均でルーマニア 6.71%、ポーランド 6.23%、ハンガリー 5.685%、チェコ 5.24%、デンマーク 3.287%、スウェーデン 3.19% で、いずれも前月より上がった。英国は、イングランド銀行が推計した名目ゼロクーポン利回りで 10 年が 5.2767% から 5.146% へ (10/30 時点と 11/4 時点の比較)、20 年が 5.7564% から 5.6459% へ下がった。

欧州の金利差の出典: ECB の公表値(長期金利)から SITION が計算。Contains public sector information licensed under the Open Government Licence v3.0.

議会の交代で、暗号資産の制度は規則が先に走る局面に入った。 CLARITY 法 (暗号資産の市場の規則を定める法案、H.R.3633) は、9 月 15 日に上院の審議入りの採決が 49 対 50 で否決されたままだ。今の第 119 議会が 1 月 3 日に終われば廃案になる。次の上院銀行委員長にはウォーレン議員が就く見通しと報じられ、下院の民主党は SEC の役割を広げる独自の法案を検討していると伝えられた。法案の条文はまだない。

当局は先に動いた。CFTC のセリグ委員長は 3 日、個別株の永久先物 (満期のない先物) が CFTC に登録した米国の取引所で扱えるようになったと声明を出した。どの取引所がどの銘柄をいつ扱うかは、声明に書かれていない。SEC の企業財務局は同じ 3 日、Canton Coin を「デジタル商品」と判断するノーアクションレターを出し、CFTC の清算部は 5 日、清算機関の日次決済に信託会社を使っても執行を勧告しないとの書簡 26-30 を出した。

Crypto Lane

ビットコインは V 字で上げて、AI の売りで全部返した。 Hyperliquid の先物の価格は、開票序盤の 4 日正午ごろ (日本時間) に 7 万 5,687 ドルまで下げ、5 日午前 0 時台に 8 万 1,177 ドルの高値をつけた。その後の米国の取引で約 5% 下げ、7 日朝は 7 万 5,750 ドルと週間 1.39% 安で終えた。上げは選挙の不確実さが消えたことへの反応、下げは AI 株の急落への連動で、この 1 週間のビットコインは暗号資産の材料では動いていない。

現物ビットコイン ETF からは資金が出続けた。報道によると 11 月 5 日は 4 億 3,000 万ドルの純流出で、IBIT は 5 営業日続けて流出し、10 月 30 日からの流出は 10 億ドルを超えた。年初来でも約 5 億 1,000 万ドルの純流出に転じたと伝えられている。BlackRock の公式ページで IBIT の受益証券は 11 月 5 日時点で 14 億 1,816 万口と、10 月 29 日から 2,104 万口、1.5% 減った。

イーサリアムは、値段より予定が崩れた。 ETHA の受益証券は 11 月 5 日時点で 1 億 3,325 万口と、1 週で 644 万口、4.6% 減り、2 週続けて 4% を超える減少になった。イーサリアム財団は 11 月 6 日、コア開発者の会議が次期アップグレード Glamsterdam を問題の解決まで Hoodi テストネットに適用しないと決めたと伝えた。監査会社 ChainSecurity が、ガスの再設計 (EIP-8037、EIP-8038) で壊れる前提に依存するプロジェクトを見つけたためで、財団は 8 項目の点検の一覧を公開した。新しい日程は示されていない。Hoodi に進めない以上、年内のメインネットの有効化は難しくなった。

Binance は、流出の入口と穴埋めの進み具合を数字で出した。 11 月 3 日の初期報告によると、侵入は 6 月に始まり、決定的な入口は 9 月に社員が受けた偽の採用面接だった。報道が伝える報告では、権限の取り消しに複数の当事者の署名が要り、封じ込めまで約 4 時間かかった。被害を受けた資産の 98% は自社資金で補塡したとしている。

前号で確認点に挙げた準備金証明は 11 月 2 日に検証が終わり、BTC、ETH、USDT など 10 資産について 1 対 1 の裏づけを利用者が確かめられるとした。出金は 11 月 1 日に再開し、最初の約 9 時間半で 46 億 4,900 万ドルが出て 10 億 1,000 万ドルが入った。純流出の約 36 億 4,000 万ドルは預かり資産 1,710 億ドルの 2.1% にあたる。11 月 6 日にも対象の資産を増やす告知が出ている。Elliptic の 11 月 6 日の更新によると、盗まれた 64 億 3,000 万ドルのうち凍結・押収は 28 億 5,000 万ドルで、約 31 億 1,000 万ドルがまだ関連のアドレスに残る。大半は ETH と BTC だ。

Circle の決算は、金利の収入の細りを別の収入で埋めた形だった。 第 3 四半期の総収益と準備金収入の合計は前年同期比 17% 増の 8 億 6,500 万ドルだが、準備金収入は 8% 減の 6 億 5,800 万ドル。増収を支えたのは、独自チェーン Arc のトークンの事前販売から計上した 1 億 8,200 万ドルだった。期末の USDC の流通量は 739 億ドル、チェーン上の取引量は 49% 増の 13.9 兆ドルで、使われる量と置かれる量の伸びが分かれている。

Strategy は買い増しより優先株の回収に資金を回した。 SEC への 11 月 2 日の届け出によると、10 月 26 日〜11 月 1 日に 811 BTC を 6,550 万ドルで買い、優先株 STRC を 209 万 2,035 株、2 億 820 万ドルで買い戻した。保有は 84 万 9,327 BTC。普通株を時価で 1 億 6,400 万ドル売っており、優先株の配当の負担を普通株の希薄化と入れ替える動きが続いた。

主要なアルトは、Zcash を除いて下げた。 CoinGecko の 11 月 6 日 23 時 01 分 (協定世界時) 時点の 7 日変化率は、HYPE が 11.7% 安、XRP が 5.9% 安、ソラナが 5.6% 安、カルダノが 4.4% 安、ドージコインが 3.8% 安、トロンが 3.5% 安、BNB が 0.5% 安で、Zcash は 6.9% 高だった。Zcash はブロック時間を 75 秒から 25 秒に縮める NU7 が 11 月 6 日に稼働した。前号で主要銘柄の中で最も上げた HYPE は、今週は最も大きく下げた。流出の当事者の BNB は、下げが小さい側に回った。

📚 今週の論文

「Price is Only the Symptom: Understanding and Analyzing Economic-State Manipulation Vulnerabilities in DeFi」(Hao Wu、Haijun Wang、Xiapu Luo、Ming Fan、Ting Liu・arXiv 2611.00587・2026 年 10 月 31 日投稿)。 DeFi の 276 件の実際の攻撃と 91 件の監査の指摘を集めて原因別に分類し、攻撃の多くが価格の操作にとどまらず、プロトコルの会計や状態の整合性、実行時の制約に及ぶことを示した。既存の 7 つの検知手法を試すと、最も良いものでも実際の攻撃の 50.4% しか見つけられなかった。

含意は、貸し借りの仕組みの点検項目が価格のオラクルから広がることにある。株式トークンのような新しい担保を受け入れる市場が増える局面では、値付けの正しさだけでなく帳簿の整合を誰が保証するのかが、預け先を選ぶ基準になる。

「On-Chain Behavioral Signatures for Classifying Centralized Exchange Addresses on Ethereum Using Proof-of-Reserves」(Seongchan Park ほか 5 名・arXiv 2610.41888・2026 年 10 月 30 日投稿)。 15 の取引所の準備金証明の開示を手がかりに、イーサリアムの約 303 万のアドレスから取引所のアドレスを見分ける分類器を作った。学習に使っていない取引所を当てる試験で、macro PR-AUC は 0.9594 に達し、効いた特徴はガスの使い方、ERC-20 の活動、内部取引だった。

含意は、準備金証明の開示が利用者向けの安心材料にとどまらず、監視の教師データになる点だ。Binance が新しい出金用のアドレスを準備金証明の一覧に加えた週に、開示されたアドレスの外にある取引所の財布も行動から推定できることが、具体的な精度とともに示された。

💰 今週の資金調達

市場が AI の資金の出どころを疑い始めた週に、資金は AI を動かす基盤、それを守る仕組み、トークン化資産の担保と保険へ付いた。株の売りと私募の値付けの差が、次の四半期にどこまで残るかが確認点になる。

  • Fal — 画像・動画・音声の生成 AI モデルを大規模に動かす推論の基盤。11 月 3 日、Bessemer Venture Partners がリードし NVIDIA が継続して出資するシリーズ F を公表した。会社の発表は額を書いておらず、報道では 13 億ドル、企業価値 160 億ドルとされる
  • Zipline — 自律飛行のドローンで商品を届ける配送サービス。11 月 5 日、Paradigm、WCM Investment Management、Layer Global が共同でリードし、ポストマネー評価額 215 億ドルで 15 億ドルを集めた。暗号資産の投資で知られる Paradigm が、実物のロボティクスの大型案件を率いた
  • Sentra — 機密データを守り、人と AI のどの ID が触れてよいかを管理するセキュリティ基盤。11 月 4 日、Capital One Ventures がリードして 1 億 5,000 万ドルを集めた。社内の AI ツールが侵入の足場になった Binance の報告と同じ週に、AI が触れるデータの守りに大型の資金が入った
  • Soter Insure — 金融機関向けのデジタル資産の保険会社。11 月 5 日、シリーズ B の 2 回目のクローズに Standard Chartered の SC Ventures と SBI Group が加わったと発表した。発表は額を書いておらず、報道では総額 2,300 万ドルと 500 BTC 超、2,000 ETH とされる
  • Lombard Systems — トークン化資産を動かさずに担保にする標準の管理者。資産は借り手名義のまま保管先に残り、貸し手は署名付きの証書で担保権を持つ。11 月 5 日、Ethereal Ventures がリードするプレシードとシードの合計 400 万ドルを発表した。最初の機関の導入は 2026 年末の見込みで、採用先の名前は出ていない

RWA Lane

トークン化米国債は 3 週続けて減り、大手の間で資金が動いた。 rwa.xyz の集計で残高は 142 億 4,000 万ドルと、前号の 143 億 2,000 万ドルから 0.6% 減り、30 日では 4.63% 減。商品数は 123 へ増えた。7 日の利回り (APY) は 3.59% で、11 月 6 日の 3 か月物国債の 4.19% を 0.60 ポイント下回る。前号の 0.50 ポイントから差は再び開いた。保有者は 8 万 6,241 と 7 日で 0.68% 増えた。

中身の動きは残高より大きい。BlackRock の BUIDL は 21 億 4,202 万ドルから 18 億 6,942 万ドルへ 2 億 7,260 万ドル、12.7% 減り、Circle の USYC は 23 億 5,757 万ドルから 21 億 8,357 万ドルへ 7.4% 減った。一方で Franklin Templeton の BENJI は 7 億 7,117 万ドルから 11 億 5,753 万ドルへ 3 億 8,636 万ドル、50.1% 増えた。首位の Ondo の USDY は 23 億 9,470 万ドル、JPMorgan の JLTXX は 7 億 9,252 万ドル。2 週で約 4 億ドル減った WisdomTree の WTGXX は 6 億 6,770 万ドルと下げ止まった。集計だけでは、これらの移動の理由は分からない。

DTCC のトークン化は、署名の段階から使う段階へ移った。 モルガン・スタンレーは 3 日、DTCC のサービスで米国株と米国債をトークンの形に変換したと公表した。銘柄、金額、ネットワークは示していない。NYSE は 2 日、トークン化証券の新しい取引所に名義書換代理人 4 社を加え、提携先は 6 社になった。規制当局の承認はこれからだ。発行側の土台が既存の証券決済の中に作られていく一方で、rwa.xyz のトークン化株式の残高は 36 億 9,000 万ドルと前号の 37 億 8,000 万ドルから減っており、数字はまだ後から付いてくる段階にある。

ステーブルコインの総額は、2 週で約 100 億ドル減った。 DefiLlama の集計で、ドル建てステーブルコインの合計は 10 月 22 日の 3,036 億 9,000 万ドルから、10 月 30 日の 2,997 億ドル、11 月 6 日の 2,937 億 3,000 万ドルへ減った。この 1 週間は 59 億 7,000 万ドル、1.99% の減少で、前号の 1.18% より速い。Stripe 傘下の Bridge が発行する Open USD (OUSD) は、準備金ページで 11 月 6 日 22 時 50 分 (協定世界時) 時点の流通が 9 億 1,007 万 OUSD と、前号から 2.3% 増えた。準備資産は 9 億 1,209 万ドルで、現金が 11.7%、米国債が 88.3%。前号の 6.2% から伸びは鈍った。

private markets では、Apollo の決算でも解約の数字は出なかった。 3 日の Apollo の第 3 四半期決算は、運用資産が 1 兆 740 億ドルで前年比 18% 増、流入は 530 億ドル、融資などの組成は 1,140 億ドル、調整後の純利益は 12 億 9,300 万ドルだった。金利の上昇による保険事業の評価損で、普通株主に帰属する純損失は 10 億 5,700 万ドル。全社の償還は 30 億ドルと示したが、個人向けの信用ファンドの解約請求の内訳は決算資料にない。

信用の側では、悪い報道が同じ週に集まった。Bloomberg の報道によると、格付け会社 KBRA の集計でプライベートクレジットのデフォルトは 7〜9 月に過去最大の増加を記録した。正体を明かさない売り手がデータセンター向け融資 5 億ドル分の売却に動き、ヘッジファンドが AI 関連債を大量に売っているとも伝えられた。上場している運用会社 (Hamilton Lane、Blue Owl、Ares、Apollo、Blackstone、KKR、StepStone) では、11 月 1〜6 日の提出分に経営陣が自社株を市場で買った開示 (Form 4) は確認できなかった。

トークン化 RWA の全体は 393 億 6,000 万ドルで、保有者は 565 万。 rwa.xyz で、チェーン上で流通する RWA の合計は前号の 395 億 6,000 万ドルから 0.5% 減り、30 日では 0.02% 増とほぼ横ばいになった。保有者は 565 万 3,743 で、前号から 3.6% 増えた。チェーン別の表では Ethereum が 152 億ドル、BNB Chain が 63 億ドル、Solana が 48 億ドル、Stellar が 45 億ドル、Avalanche が 14 億ドルで、Solana と Avalanche が減り Stellar が増えた。

Cross-Lane Signals

1. 同じ選挙が、原油の上乗せをはがし、AI の上乗せもはがした。 バンス副大統領は戦争を敗因に挙げ、民主党のシューマー院内総務は「戦争を終わらせる」と述べたと報じられ、WTI は 1 日で 8.3% 下げた。連動先物は週間でも 12.61% 安だ。同じ選挙で、10 州の 41 件のデータセンターの住民投票のうち 1 件を除いて不利な結果が出たと CNBC は伝えた。ただし原油の下げは期待の値段だ。湾岸からの輸出は 10 月に日量 1,710 万バレルと報じられ、戦争の前のおよそ 4 分の 3 にとどまる。データセンターも、遅れが確定したわけではない。どちらも読みが外れれば、同じ速さで戻りうる。

2. AI の問題は、株価から建設資金へ移り始めた。 株は 6 日に買い戻されたが、融資と社債には売りが残ると報じられた。SpaceX の債務不履行リスクが過去最高となり、CoreWeave の社債利回りも急上昇したと Bloomberg は伝えた。WSJ によると Anthropic の上場では想定評価額 1.5 兆ドルに投資家が難色を示し、1 兆ドル程度との声も出た。Microsoft が Oracle から計算能力を借りる契約を終えるとの報道で Oracle 株は 5% 下げた。株は買い戻しで戻せるが、融資の売り手が増えれば次の資金調達の条件が変わる。前号で見た GPU を担保にした融資のような新しい器は、この局面で初めて試される。

3. 利上げの声は、政策の側で本物になった。 前号で 3 つの中央銀行が残した利上げの声に続き、今週は英国と豪州が実際に上げた。米国も 12 月の利上げが 7 割台後半まで織り込まれた。それでも米国債の利回りは下がり、金は上げた。株安が続く間は国債に買いが入るが、10 月の物価が強ければ、この組み合わせは保たない。

4. 逃げ場の順番が、前号から入れ替わった。 前号で金は売られ、資金は短い国債へ向かった。今週の金の連動先物は 4.81% 高と 12 指標で最も上げ、BTC は 1.39% 安で、現物 ETF からは資金が出た。ビットコインは AI 株と同じ方向に動き、ステーブルコインの総額も減っている。暗号資産の中の待機資金が細る局面では、次の反発の燃料も小さくなる。

5. 止められない資金と、止められる器の差が広がった。 Binance から盗まれた資金のうち凍結できたのは主に発行体のいるステーブルコインで、発行体のいない ETH と BTC を中心に約 31 億ドルが残る。同じ週に、DTCC の利用者、NYSE、CFTC はいずれも、監督の下で動く器を前へ進めた。預け先の選択は、利回りに加えて「誰が止められるか」で分かれていく。

Risk Digest

1. Technical (技術・市場構造)。 イーサリアム系の実行クライアント Reth に、ブロックの state root を誤って計算しうる不具合が見つかり、Base、Mantle、BNB Chain が 11 月 4〜6 日に対応を公表した。Mantle の説明では、シーケンサーで起きれば拒否されるブロックを生み、検証側で起きれば正しいブロックを拒否する。Base と Mantle は利用者への影響を否定している。XRP Ledger も 4 日、焼却の権限で新しいトークンを発行できた不具合を修正した。1 つの部品が多くのチェーンの共通の土台になっており、Reth v2.10.0 への更新の広がりが次の確認点だ。

2. Regulatory (規制・立法)。 WSJ によると、ウォーレン議員の委員長としての早期の優先課題には、プライベートエクイティの規制、予測市場のインサイダー取引の疑いの調査、暗号資産企業の消費者保護の調査が挙がる。正式な決定はまだない。民主党は大統領の拒否権を覆す 3 分の 2 に届かず、業界が求める法律は民主党の同意なしには通らない。2027 年の法律はどちらの側も単独では作れず、調査と規則が先に動く。米労働省の 401(k) に暗号資産を含む代替資産を認める規則案は、ホワイトハウスの審査に入ったと報じられた。提案の段階で、最終規則ではない。

3. Market (市場)。 報道によると 11 月 5 日のナスダック 100 は 6.4% 安で、2020 年 3 月以来の下げだった。4 日の終値 28,437.17 に当てはめると約 2 万 6,600 で、10 月 6 日の最高値 31,224.69 から約 15% 低い計算になる。6 日の米国株は戻し、S&P 500 は 7,376.86 で週間 2.7% 安、Nasdaq 総合は 24,579.42 で週間 3.4% 安と 4 週連続の下げ、ダウ平均は 51,285.73 で週間 0.9% 安で終えた。報道によると、日経平均も 6 月の最高値から一時 20% 下げた。

4. Geopolitical (地政学)。 トランプ大統領はイランとの合意か新たな攻撃かをまもなく判断すると述べ、カタール首長と電話で協議した。Rapidan Energy は、緊張が再燃すれば原油が 100 ドルを超える可能性を指摘する。WTI の連動先物は 7 日朝に 90.137 ドルで、4 日の終値 88.12 ドルより高い。選挙で下げた分がどこまで残るかは、この判断で決まる。

Next Week Preview

1. 11 月 9 日 (月) の週: レームダック会期と Strategy の開示。 上院の議事日程で、共和党が多数のうちに CLARITY 法を採決にかけ直すかを見る。確認先は米議会の法案ページだ。Strategy は 9 日に次の 8-K を出すとみられ、STRC の買い戻しが 3 週目に入るかを確かめる。

2. 11 月 10 日 (火) 8 時 30 分 (米東部時間): 10 月の米消費者物価。 米労働統計局の公表で、12 月 8〜9 日の FOMC の利上げの判断に効く物価の数字を見る。同じ 10 日にカタール外務省の定例会見があり、米国とイランの双方から仲介案への回答が届いたかを確かめる。

3. 11 月 11 日 (水): MSCI の 11 月の指数見直し。 報道によると公表は 11 日で、変更は 12 月 1 日に適用される。新しい手法で Strategy など暗号資産を保有する上場企業の扱いが決まる。MSCI の指数の告知面で確かめる。

4. 11 月 13 日 (金) 8 時 30 分 (米東部時間): 10 月の米生産者物価。 消費者物価と合わせて、原油高が企業の間の値段にどこまで渡ったかを米労働統計局の公表で見る。

5. 感謝祭の前の週を目標にしていた Anthropic の上場日程。 報道では、経営陣と助言役が数日内に日程の変更を協議する。SEC の EDGAR に載る修正届出書で、想定の価格帯と調達額が出るかを確かめる。AI の資金の値段を測る、次の大きな数字になる。

Watch リスト

  • トークン化株式: rwa.xyz で残高 36 億 9,000 万ドル (前週 37 億 8,000 万ドル・30 日 10.81% 増)、保有者 475 万。月間の送金額は 360 億 5,000 万ドルで 30 日 57.44% 減。DTCC と NYSE の動きの後で、rwa.xyz のトークン化株式ページの残高が増加に戻るかを見る
  • 個別株の永久先物を扱う最初の取引所: CFTC の声明は取引所と銘柄を書いていない。Coinbase、Kalshi、Payward の発表で、最初の銘柄と開始日が出るか
  • Open USD の流通: 11 月 6 日時点 9 億 1,007 万 OUSD。Bridge の準備金ページで、2.3% に鈍った伸びの向きを見る
  • Glamsterdam の新しい日程: イーサリアム財団のブログとコア開発者の会議の議事で、EIP-8037 と EIP-8038 の仕様を変えるか、Hoodi の新しい有効化の時期が出るか
  • BUIDL と BENJI の残高: 1 週で 2 億 7,260 万ドル減った BUIDL と 3 億 8,636 万ドル増えた BENJI が、rwa.xyz で続けて動くか
  • Binance の事後報告と凍結できない資金: Binance の告知と Elliptic の更新で、最終の報告の時期と約 31 億ドルの動きを見る

投資助言ではありません。情報提供・リサーチ目的のみ

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