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SNAPSHOT 2026-10-12 05:03 JST

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📡 Signal|CXMTが工商銀行を抜いた——初日の値幅より、その値付けを見る

中国のDRAMメーカーCXMTが上場初日に売出価格の約5.7倍をつけ、工商銀行を抜いて本土上場の首位に立った。ただし値幅の相当部分は、上場前に空けられていた同業比の割引が埋まったものだ。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|CXMTが工商銀行を抜いた——初日の値幅より、その値付けを見る

中国のDRAMメーカー、長鑫存儲技術(CXMT)が上海証券取引所に上場し、初日の終値は売出価格の約5.7倍にあたる49元をつけた。上昇率は466%。時価総額はおよそ3.3兆元、4,800億ドル台に達し、長く本土市場の最大銘柄だった中国工商銀行を抜いて、本土上場企業の首位に立った。

序列が入れ替わったこと自体が、この一日の中身だ。国有の巨大銀行が占めていた場所に、記憶素子をつくる会社が座った。資本市場は、どの産業が次の十年の利益を持つと見ているかを、時価総額の並び順という最も乱暴な形で表明する。その並び順が変わった。

ただし初日の値幅は、期待の大きさだけを測る物差しではない。見るべきは、その値幅がどこから来たかだ。

数字を並べ直す

売出価格 8.66元。初日終値 49元、上昇率466%。日中高値 55.03元。

調達額 579.2億元、およそ86億ドル。オーバーアロットメントを含めれば最大666.1億元まで増えうる。本土の半導体としては過去最大の調達で、2010年以降の中国で最大の新規上場だとも伝えられている。

初日の売買代金 1,411億元。本土に上場する銘柄が単日で1,000億元を超えたのは、これが初めてとされる。

時価総額 およそ3.3兆元(4,800億ドル台)。

5.7倍は、熱狂だけがつくった数字ではない

この上昇率を見て、需給に対して買いが殺到した結果だと読むのは自然だ。ただし、出発点の低さも同じだけ寄与している。

モーニングスターのアナリスト、ジン・ジエ・ユー氏は、今回の新規上場が「大幅な割引で値付けされた」と述べている。具体的には、2027年の予想純資産倍率でおよそ1倍。同業のグローバル各社が2.1〜2.3倍で取引されているのに対して、半分以下の水準に置かれていた。

つまり、初日に埋まった差の相当部分は、上場前に意図的に空けられていた差だ。同じ466%でも、割高な値付けから始まった466%とは意味が違う。値幅の大きさをそのまま過熱の度合いと読み替えると、この点を取り落とす。

もっとも、割引で始めたことと、初日の終値が適正であることは別の話でもある。同業比で1倍から始まった株が、一日で同業の水準を大きく越えたのなら、その先は割引ではなく期待が支えている。

背景にあるのはメモリの需給だ

一社の上場だけを見ていると、資本市場の物語に見える。実物の側では、記憶素子が足りていない。

TrendForceのアナリスト、エリー・ワン氏は「メモリ市場は逼迫が続いており、価格上昇は2027年末まで続くと見込まれる」と述べている。AI向けの計算基盤は、演算装置と同じだけ記憶素子を必要とする。演算の話題が先行していた数年のあいだに、記憶の側が需給の主役に回ってきた。

逼迫が2027年末まで続くという見通しが正しければ、DRAMメーカーの利益は当面、価格が支える。今回の時価総額は、その前提に賭けた値段でもある。

初日の値付けに、最初の週が答えた部分

初日の値幅が割引の埋め戻しだったのか、それを越えた評価だったのかは、二日目以降が答える。上場から最初の週、株価は初日終値の49元を上回る水準で推移した。初日に埋まった差が、その後に吐き出される展開にはなっていない。

割引で始まった株が、初日で同業の水準に届き、そこからさらに上へ離れた。ここから先を支えるのは、上場前に空けられていた差ではない。メモリの需給見通しそのものだ。

次に見るもの

【1】メモリ価格の推移。逼迫の見通しが崩れた時点で、この時価総額の前提が崩れる

【2】本土市場の資金配分。首位銘柄の交代が一社の事象で終わるか、半導体全体への資金移動として続くか

部品をつくる会社が、銀行を抜いた。市場が次の十年の利益をどこに置いたかは、この一行で足りる。

🔗 一次ソース

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