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SNAPSHOT 2026-10-12 05:03 JST

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📡 Signal|Better と Coinbase の暗号資産担保ローンが全面提供に入った——Fannie Mae が BTC を認めたからではない

Better と Coinbase が暗号資産担保の適合住宅ローンを全面提供へ。ただし第一順位は通常の適合ローンで、暗号資産は審査に入らない。GSE の正式ガイドラインが未整備のまま成立する形を、民間が先に見つけた。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|Better と Coinbase の暗号資産担保ローンが全面提供に入った——Fannie Mae が BTC を認めたからではない

住宅ローン会社 Better と Coinbase は8月26日、暗号資産を担保に差し入れて組む適合住宅ローンの全面提供を発表した。6月にウェイトリストで始まった商品が、Better の営業範囲である全米50州と英国に開いたことになる。両社はこれを「初のトークン担保の適合住宅ローン」と位置づけている。ただし、これを「Fannie Mae がビットコインを担保として認めた」と読むと構造を取り違える。この商品が成立している理由は、暗号資産が適合ローンの審査に入っていないことの側にある。

Better, Coinbase Announce General Availability of First Token-backed, Conforming Mortgage(プレスリリース全文・2026年8月26日|全面提供、Fannie Mae ガイドライン準拠の第一順位、全米50州と英国、Coinbase One の1%クレジットと8月12日適用、両社役員のコメントを確認)Investing News Network (INN)

何が全面提供になったのか

6月、Better と Coinbase はウェイトリスト方式でこの商品を立ち上げ、最初の成約はミシガン州の借り手だった。8月26日の発表で、その待ち行列が外れた。

Coinbase One の会員には、Better の対象商品でローンが承認された場合、ローン額の1%(上限1万ドル)が貸手クレジットとしてクロージングコストに充当される。この拡充分は8月12日から適用されている。

Better の最高技術責任者ジギー・ヨンソン氏は、この提携について「常に、借り手のいる場所に歩み寄ることで住宅所有へのアクセスを広げるためのものだった」と述べている。Coinbase のベン・シェン氏は「住宅ローンの引受過程でデジタル資産を差し入れられるようにすることで、暗号資産を現実世界でより有用で強力なものにしている」とした。

二階建ての仕組み

商品の形は二階建てだ。

一階は、Fannie Mae のガイドラインに沿って設計された標準的な適合住宅ローンで、これが第一順位の抵当になる。ここに暗号資産は入らない。

二階は別立てで、暗号資産を担保にした第二順位の抵当を住宅に設定し、頭金にあたる現金を賄う。6月時点で伝えられた担保比率の例は、10万ドルの頭金に対して25万ドル相当のビットコインを差し入れる、というもの。2.5倍の厚みがある。対象資産はビットコインと USDC で、当初から両方が入っている。

売らずに差し入れる設計の狙いははっきりしている。譲渡益課税を発生させず、その後の値上がりの取り分も手放さずに、頭金だけを用意する。

「制度が認めた」わけではない

ここは点検しておく必要がある。

FHFA のビル・パルト長官が Fannie Mae と Freddie Mac に対し、米国の規制対象プラットフォームにある暗号資産を、ドルに換えないまま単独の準備資産として住宅ローンのリスク評価に数えられるよう準備せよと指示したのは2025年6月25日だった。

だがそれは「提案を用意せよ」という指示である。業界紙が3月に伝えたところでは、両社がその指示にどこまで応じたかは外から見えず、承認済みの最終ガイドラインは存在しない。どの暗号資産が対象になるのか、価格変動に対してどれだけの掛け目を置くのかも定まっていない。上院では民主党の議員4人が、住宅市場と金融システムの安定への懸念を表明している。

つまり制度の側の決着は、まだ付いていない。それでも商品が全面提供に進めたのは、決着を待たずに済む形をしているからだ。適合ローンは通常どおりの審査で通り、暗号資産のリスクは第二順位の抵当に隔離されている。制度が動いたから商品ができたのではなく、制度が動かないまま成立する経路を先に見つけた、という順序である。

リスクは、値動きの側にない

借り手が負うリスクの形も、直感とずれる。

6月に伝えられた説明によれば、価格の変動そのものでは清算は起きない。Better 側は「価格の変動性は一切影響しない」としている。一方で、支払いが60日延滞した場合には、差し入れた暗号資産が清算されうる。

したがって担保を失わせるのは、暗号資産の下落ではなく、返済の途切れだ。2.5倍という掛け目は、その間の値下がりを吸収するための厚みにあたる。値動きの心配を減らす代わりに、収入が途切れたときの損失が、住宅と暗号資産の両方に及ぶ形になっている。

住宅ローンの返済が滞る局面と、暗号資産の価格が下がる局面は、景気の悪化という同じ原因から同時に来ることがある。その相関を誰がどう見積もるかは、まだ表に出ていない。

次に見るもの

・Fannie Mae と Freddie Mac が、暗号資産を準備資産として扱う正式なガイドラインを出すか、掛け目をどう置くか
・全面提供後の実行件数と、対象資産がビットコインと USDC の外へ広がるか
・上院での問題提起が、GSE 側の対応の速度と条件に効くか

制度の完成を待つ商品と、待たずに済む形に組み替えた商品では、世に出る順番が違う。今回出てきたのは後者だ。

🔗 一次ソース

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