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SNAPSHOT 2026-10-29 07:30 JST

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📡 Signal|Datavault AI、取引所に置いた BTC を引き出せず決算を訂正へ

Datavault AI が取引所 Biconomy の口座のビットコインを6月から引き出せないと開示。出資の対価として帳簿上で受け取った BTC を資産から外し、4期分の決算を訂正する。

LiveMakers 編集デスク

📡 Signal|Datavault AI、取引所に置いた BTC を引き出せず決算を訂正へ

米ナスダック上場の Datavault AI (DVLT) は10月26日に提出した 8-K (臨時報告書) で、取引所 Biconomy の口座に置いたビットコインを6月から引き出せていないと開示し、2025年7〜9月期から2026年4〜6月期までの4期分の決算を信頼しないよう投資家に求めた。CoinDesk と The Block によると、株価は翌27日に約 50% 下がり、0.067 ドル前後で引けた。

ビットコインを財務に組み込む上場企業は増えている。この件は、そのビットコインが本当に会社の手元にあるのかを、会計の基準と保管の両方から問い直す例になった。

1億5,000万ドルの出資は、ビットコインで払われた

発端は2025年9月25日の契約だ。米 Scilex Holding が Datavault の普通株 1,500 万株と、2億6,391万株余りを受け取れるワラント (新株予約権) を、1億5,000万ドル分のビットコインで買うと決めた。1 BTC = 11万2,915.52 ドルで換算し、約 1,328.43 BTC にあたる。

ビットコインは、取引所の中の帳簿の付け替えで届いた。ブロックチェーン上の送金は使われていない。

  • 2025年9月26日と11月25日: Scilex が Biconomy Pte. Ltd. にある Datavault の口座へ、計 1,309.04 BTC を計上した (契約から決済までの間に Scilex が出した現金の前払い分、19.39 BTC を差し引いた量)
  • 2025年9月26日〜2026年1月30日: Datavault はそのうち 491.431 BTC を、同じく取引所の中で Scilex に売り戻し、約 4,050 万ドルの現金を受け取った
  • 2026年6月: Datavault が口座から外部へビットコインを引き出そうとしたが、8-K の提出時点でも完了していない

計算上は約 818 BTC が口座に残っている形になる。8-K は、引き出せない理由を書いていない。

「資産」ではなく「出資者への未収金」だった

8-K の中心は会計の訂正だ。Datavault はこれまで、受け取ったビットコインを会社のデジタル資産として計上していた。見直しの結果、このビットコインは資産として認める要件を満たさないと判断した。

訂正後は、Scilex から払い込みを受け取る権利 (出資の未収金) として扱い、資産ではなく株主資本から差し引く形で示す。売り戻しで受け取った現金はその未収金を減らし、暗号資産の評価損益は取り消す。総資産の減少額は、会社の速報値で次のとおりだ。

  • 2025年9月末: 810万ドル
  • 2025年12月末: 9,220万ドル
  • 2026年3月末: 5,710万ドル
  • 2026年6月末: 4,900万ドル

経営陣は、事業を続けられるかの判断 (継続企業の前提) で、このビットコインを資金の当てに数えていた。資産から外れ、Scilex からの回収も不確かになったため、その判断もやり直している。訂正の時期は決まっておらず、7〜9月期の四半期報告の提出が遅れる可能性にも触れた。

帳簿の付け替えで受け取ったビットコインの重さ

取引所の中の付け替えは速く、手数料もかからない。その代わり、ブロックチェーン上には何も残らない。残高が正しいことを示せるのは取引所の帳簿だけで、外へ出せなければ、持っているという主張を自分で確かめる手段がない。

8-K がリスクとして並べた項目は、そのまま構造の弱さを示している。第三者の保管業者への依存、Scilex の信用力、Biconomy の協力を得る難しさ。CoinDesk によると、Scilex 自身も子会社 Semnur の株を Biconomy に2億ドル分のビットコインで売り、その一部で Datavault の株を買っていた。出資者・出資先・保管先が同じ取引所の帳簿の上でつながっていた。

自社で鍵を管理する企業や、規制された保管業者に預ける企業と比べると、ここが違いだった。財務のビットコインの価値は、価格だけでなく、いつでもチェーン上へ動かせるかで決まる。

次に見るもの

確認先は EDGAR の Datavault AI のページだ。2025年10-K と各四半期報告の訂正版、そして7〜9月期の 10-Q が期限どおり出るかを見る。株価 0.067 ドルはナスダックの上場維持の基準 (1 ドル) を大きく下回っており、8-K もこの点をリスクに挙げている。ナスダックからの通知を開示する 8-K が出るかも、同じ場所で分かる。

ことば

  • オフチェーン送金 — ブロックチェーンに記録せず、取引所などの内部の帳簿だけで残高を移すこと。速く安い反面、第三者が送金の事実を確かめられない。
  • 継続企業の前提 — 会社が今後1年は事業を続けられるという前提。資金の当てが崩れると、監査人や経営陣がこの前提に疑いがあると開示する。
  • 8-K の Item 4.02 — 過去に出した決算を信頼してはならないと会社が判断したときの開示項目。訂正版の決算が出るまで、投資家はそれまでの数字を使えなくなる。

🔗 一次ソース

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