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週末の12指標

🔬 週末マーケット|12指標

米国の9月の雇用者数は2万9,000人増にとどまり、7月と8月は合わせて6万人下方修正された。それでも米10年債利回りは1週間で11bp上がり、5.28%になった。

LiveMakers 編集デスク

🔬 週末マーケット|12指標

米国の9月の雇用者数は2万9,000人増にとどまった。7月と8月の数字も合わせて6万人下方修正され、7月はマイナスに書き換えられた。
それでも米10年債利回りは、米財務省の公表値で9月25日の5.17%から10月2日の5.28%へ11bp上がった。30年債は14bp上がっている。
日本の10年債は10月1日に3.092%を付けた。1996年8月以来の高さである。

財務省「国債金利情報」(日次・9月24日1年1.627%・2年1.912%・5年2.400%・7年2.641%・10年3.073%・20年3.887%・30年4.115%・40年4.103%、10月1日1年1.668%・2年1.939%・5年2.407%・7年2.657%・10年3.092%・20年3.910%・30年4.122%・40年4.125%。過去分の全期間データで10年の3.092%を上回る直近は1996年8月27日の3.179%。10月2日分は本稿の時点で未掲載)財務省

雇用の数字が弱く出て、8月の物価も政策当局の見通しより低く出た。それでも長期金利は下がらなかった。上がった分の中身を分けると、ほとんどが実質利回りである。

米財務省が日次で出す実質利回りで、10年は9月25日の2.83%から10月2日の2.92%へ9bp上がった。名目の上げ幅11bpのうち、期待インフレの側に残るのは2bpしかない。2週間でならすと、名目は27bp、実質は24bp上がっている。

同じ週に、金は前週末比-3.43%、S&P500は-0.27%だった。日経平均先物だけが+4.96%と、別の向きに大きく動いた。

【週末12指標】

数値は日本時間2026年10月3日朝に確定した週末レコードによる。カッコ内は前日比、前週末比は9月26日の同じ週末レコードとの比較。米国市場の指標とドル円は10月2日の値で、ドル円は欧州中央銀行の参照レート(中欧時間16時)から算出した値である。米10年債は今週から米財務省の公表利回りで記録しており、前週末の5.184%とは算出元が異なる。財務省の公表値どうしで比べると、9月25日の5.17%から11bpの上昇になる。日本国債は10月1日が直近の確定値で、10月2日分は本稿の時点で未掲載である。

1|BTC
$84,427(-0.12%)
前週末比+0.57%。毎朝の値は1週間を通じて83,402ドルから84,591ドルの間に収まり、上下の開きは1.5%に満たない。雇用統計をまたいでも、この幅から出ていない。

2|ETH
$2,658.23(-1.27%)
前週末比-1.10%。金曜の朝までは2,678ドルから2,694ドルの間にいて、前週末とほとんど同じ位置だった。週の下げは最後の1日で付いている。

3|ADA
$0.239712(-2.33%)
前週末比-6.44%で4銘柄の最下位。9月29日朝の-4.03%と今朝の-2.33%、この2回で週の下げの大半が付いた。先週の+13.55%から向きが変わっている。

4|NIGHT
$0.04617263(+18.96%)参考値
前週末比+85.76%。9月30日朝に+18.36%、10月1日朝に+19.79%、今朝に+18.96%と、1日で2割近く上げた朝が3回あった。参考値として扱う。

5|S&P 500
7,722.72(+0.73%)
前週末比-0.27%。9月30日に7,651.54まで下げ、雇用統計が出た10月2日に+0.73%で戻した。最後の2日で、下げの大半を埋めている。

6|日経平均先物(NKD1)
69,785(+1.79%)
前週末比+4.96%。9月28日に-1.14%の65,735まで下げたあと、4日続けて上げた。S&P500との差は、1週間で5.2%ポイント開いた。

7|DXY
101.924(-0.17%)
前週末比+0.88%。10月1日に102.008まで上げ、雇用統計の日に少し戻した。

8|USD/JPY
157.675(-0.20%)
前週末比+0.31%の円安。日米の10年金利差が9.1bp開いた週に、円は0.31%下げた。先週まで3週続いた「金利差と円の向きが揃わない」並びは、今週は揃った。ただし幅は小さい。

9|Gold
$4,172.10(-0.72%)
前週末比-3.43%で、2週続けての下げ。9月28日に1日で-4.0%下げて4,148.50ドルを付け、その後は4,200ドル前後で戻しきれていない。

10|WTI
$91.26(-1.73%)
前週末比-1.28%で、3週続けての下げ。9月29日に-3.95%の88.94ドル、10月1日に+2.75%の92.91ドルと、週の中の振れは大きかった。

11|米10年債利回り
5.28%(+0.76%)
前週末比+9.6bp。財務省の公表値どうしでは+11bp。9月30日の5.29%は2026年の最高で、雇用統計が出た10月2日も5.24%から5.28%へ上がった。

12|VIX
15.31(-6.59%)
前週末比+2.96%。10月1日に16.39まで上げ、雇用統計の日に下げた。

【日米の長期金利】

米国は、2週続けて長い側が上がった。

米財務省の日次利回りで9月25日と10月2日を並べる。1年債4.50%→4.46%、2年債4.81%→4.83%、3年債4.94%→4.96%、5年債4.98%→5.06%、7年債5.06%→5.17%、10年債5.17%→5.28%、20年債5.54%→5.67%、30年債5.49%→5.63%。1年は4bp下がり、2年は2bpしか動いていない。上げ幅は30年の14bpが最大で、20年が13bpと続く。

2年と30年の差は68bpから80bpへ12bp開いた。先週の10bpに続く拡大で、2週間では58bpから80bpへ22bp開いている。9月30日には10年5.29%、20年5.68%、30年5.64%と、3つの年限がそろって2026年の最高を付けた。

その間に、景気と物価の実数が出ている。

9月30日に米経済分析局が出した8月の個人消費支出物価は、前年比3.4%、食品とエネルギーを除いて3.0%。9月16日の経済見通しの要約で、政策当局の参加者の中央値は2026年をそれぞれ3.7%と3.4%としていた。実数はどちらもその下にある。

10月2日に米労働統計局が出した9月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が2万9,000人増。7月は2万1,000人増から1万人減へ、8月は16万2,000人増から13万3,000人増へ書き換えられた。失業率は4.2%で、経済見通しの要約が2026年に置いた4.1%を上回る。平均時給は前月比0.1%、前年比3.0%の伸びだった。

物価も雇用も、弱めの側に出た。その10月2日に、2年債は4.78%から4.83%へ、10年債は5.24%から5.28%へ上がっている。

上がった中身は、実質利回りで確かめられる。米財務省の実質利回りで、10年は9月25日の2.83%から10月2日の2.92%へ、30年は3.22%から3.34%へ上がった。名目から実質を引いた差は、10年で2.34%ポイントから2.36%ポイント。期待インフレの側はほとんど動いていない。

先週この欄は、名目の上げと同じ週に期待インフレも上がっており、割引に効く残りの側は広がっていないと書いた。同じ実質利回りで確かめると、9月18日から25日にも10年の実質利回りは2.68%から2.83%へ15bp上がっていた。先週の上げも、中身のほとんどは実質の側だった。2週間で名目は27bp、実質は24bp。この2週の長期金利の上昇は、物価の見通しより、お金を長く貸すこと自体の値段が上がった動きとして読める。

日本は、10年債が30年ぶりの水準に入った。

財務省の国債金利情報で9月24日と10月1日を並べる。1年債1.627%→1.668%、2年債1.912%→1.939%、5年債2.400%→2.407%、7年債2.641%→2.657%、10年債3.073%→3.092%、20年債3.887%→3.910%、30年債4.115%→4.122%、40年債4.103%→4.125%。10年の3.092%は、1996年8月27日の3.179%以来の高さである。

ただし1週間の上げ幅は小さい。最も動いたのは1年の4.1bpで、10年は1.9bp、30年は0.7bpにとどまる。先週は7年と5年が10bp前後上がっていた。今週は短い側が少しずつ動き、長い側はほぼ止まった。

短い側の動きと並べて読めるのが、10月1日に出た日本銀行の「金融政策決定会合における主な意見」(9月17日・18日開催分)である。利上げを支持した意見のなかに、「政策金利を早めにおおよそのゴールに近づけて、上下双方向に機動的に動けるような状況にしておくことが望ましい」というものがある。「物価上振れの兆候がみえれば、そのペースを速めざるを得ない」という意見も載った。一方で、利上げに反対する意見も2つ並んでいる。物価の前年比が2%を下回っていることや、経済と物価が大きく加速している状態にはないことを理由に挙げている。

先週この欄が挙げた入札は、どちらも通った。9月29日の40年利付国債は募入最高利回り4.125%、応募額9,280億円に対し募入決定額2,997億円で約3.10倍。9月30日の2年利付国債は平均落札利回り1.964%、応募額8兆3,448億円に対し落札額2兆1,453億円で約3.89倍だった。超長期にも短い年限にも、買い手は残っている。

金利差は、10年で開いた。

先週の2.097%ポイント(米9月25日5.17%と日本9月24日3.073%)が、今週は2.188%ポイント(米10月2日5.28%と日本10月1日3.092%)。9.1bp開いた。2年では2.898%ポイントから2.891%ポイント(米4.83%と日本1.939%)へ、0.7bp縮んでいる。開いたのは長い側の差だけで、政策金利の見通しを映す短い側の差は動いていない。円はその間に0.31%下げた。

【12指標の読み方】

今週の12指標は、実質金利が上がった週の並び方をしている。

最もはっきり出たのは金である。金は利息を生まないので、インフレを差し引いた実質の利回りが上がると、持つことの機会費用がそのまま増える。9月28日、10年の実質利回りが2.83%から2.90%へ7bp上がった日に、金は1日で4.0%下げた。週では-3.43%で、2週続けての下げになる。

ビットコインは、同じ週に金と同じ動きをしなかった。毎朝の値は1.5%に満たない幅に収まり、週では+0.57%。実質金利の上昇に、この1週間は値を崩していない。

米国株は、受け取り方が小さい。S&P500は週で-0.27%、VIXは+2.96%。週の中ほどまでは下げていたが、雇用統計の日に+0.73%戻した。弱い雇用の数字と、長期の実質金利の上昇が、同じ日に逆の向きから効いた形である。

日経平均先物の+4.96%は、この並びから外れている。円は0.31%しか動いておらず、円安で説明できる幅ではない。日本の10年債が30年ぶりの水準にいる週に、日本株の先物は4日続けて上げた。12指標だけでは、その理由を一つに絞れない。

原油は、在庫と値段の向きが2週続けて揃った。

9月30日の週次統計で、9月25日時点の米商業用原油在庫は4億2,732万バレル。前週から約92万バレルの積み増しで、2週続けての増加である。原油は前週末比-1.28%で、3週続けて下げた。先週この欄は、2週続けて在庫が増えて価格も下げるなら、在庫と価格の向きが揃った状態が続くと書いた。その通りになった。

同じ統計で、軽油などの留出油の在庫は1億518万バレルと、前週から約225万バレル減っている。原油が積み上がる一方で、燃料の側は減った。

金1オンスで買える原油の量は45.72バレルで、先週末の46.74バレルから2.2%減った。原油の下げより、金の下げのほうが大きかった週である。

【暗号資産の分岐】

今週、12指標の暗号資産4銘柄は2つに割れた。NIGHT+85.76%(参考値)、BTC+0.57%、ETH-1.10%、ADA-6.44%。

先週は4銘柄がすべて上がり、上げ幅の差は11.4%ポイントだった。今週は最大と最小の差が92.2%ポイントに開いた。NIGHTを除いても、BTCとADAの差は7.0%ポイントある。

値の付き方も銘柄ごとに違う。BTCは週を通じて1.5%に満たない幅にとどまった。ETHは金曜の朝まで前週末とほぼ同じ位置にいて、最後の1日で下げた。ADAは9月29日朝と今朝の2回で下げた。NIGHTは9月30日朝、10月1日朝、今朝の3回、1日で2割近く上げている。

NIGHTが動いた週の当事者側の記録として、Midnightの9月28日付の月次報告がある。そこには「今日から、開発者は試験環境での安全審査を経ずに、スマートコントラクトを書いてMidnightのメインネットへ直接配置できる」とある。配置の許可制が外れた日付はこれで確かめられる。ただし報告は価格に触れておらず、上げとの結び付きを示す一次の文書はない。値は参考値として読む。

実装の側では、主要チェーンの更新が同じ週に並んだ。cardano-nodeは9月29日に11.1.3を、go-ethereumは9月30日にv1.17.7を公開している。どちらのチェーンにも更新があり、どちらの銘柄も週では下げた。実装の更新は、今週の分岐を分ける線になっていない。

制度の側では、米財務省が10月2日、フランスを拠点に偽の慈善団体を通じてハマスへ資金を送っていた網を制裁の対象にした。発表によると、2人の資金集め役は数十万ドル分の暗号資産を、ガザを拠点とするハマスの軍事部門の大隊の副官へ送っていた。集めた額は2020年から2026年で200万ドルを超える。暗号資産が資金の通り道として名指しされた発表だが、今週の4銘柄の値動きとの関わりは見えない。

確かめられることを並べると、今週の分岐は、金利でも実装でも制度でも、一本の線では説明できない。BTCが実質金利の上昇に値を崩さなかったことだけは、金との対比ではっきりしている。

🛰️【補助シグナル|サテライト】

(12指標本体とは別枠の補助観測。本編の置き換えではない)

Private Markets / RWA

10月2日、SMBC日興証券とNethermindが、Uniswap v4の上に日本の投資家向けの取引の場「DeFi Gateway」をつくっていると、Uniswapが公表した。日本の規制の要件に合わせた流動性の溜め池を用意し、それぞれの溜め池の中でフックと呼ぶ追加の仕組みがマネーロンダリング・テロ資金対策の確認と投資家保護を走らせる。扱うのはステーブルコイン、現実資産(RWA)などで、開始は2027年半ばの予定。Uniswap Labs、Base、Nyx Foundationが開発を支える。

先週この欄は、米証券取引委員会がトークン化された株の取引の場に条件付きの免除を出し、官報に載ったと書いた。2週続けて、規制の条件を取引の場の仕組みそのものに組み込む動きが、日米の大手から出ている。

【SITIONの見方】

今週の主題は、雇用と物価が弱めに出た週に、長期金利が下がらずに上がり、その中身が実質金利だったことだ。

米国の9月の雇用者数は2万9,000人増で、7月はマイナスに書き換えられた。8月の個人消費支出物価は前年比3.4%で、政策当局の見通しの中央値3.7%を下回った。どちらも、金利を下げる側の材料である。それでも10年債は財務省の公表値で11bp上がり、9月30日には5.29%と2026年の最高を付けた。上げ幅は長い年限ほど大きく、1年債は4bp下がっている。

実質利回りで分けると、10年の上げ11bpのうち9bpが実質の側にある。先週も、名目16bpの上げのうち15bpが実質だった。2週間で、物価の見通しがほとんど変わらないまま、長くお金を貸すことの値段だけが24bp上がった。金の-3.43%は、その値段の上昇にいちばん素直に反応した指標である。

日本では、10年債が10月1日に3.092%と1996年8月以来の水準に入った。ただし1週間の上げは1.9bpで、動いたのは1年債の4.1bpのほうだった。日本銀行の「主な意見」には、政策金利を早めにゴールへ近づけるべきだという意見が載っている。日本は短い側が政策の見通しを映し、米国は長い側が実質金利を映した。同じ「長期金利が高い」でも、日米で動いている場所は違う。

市場の受け取り方も割れた。米国株はほぼ横ばいで、日本株の先物は+4.96%上げた。ビットコインは実質金利の上昇に値を崩さず、金は崩した。暗号資産4銘柄の内側でも、上げと下げが92%ポイント離れている。

来週は、この長い年限の値段に、入札の買い手が返事をする番になる。

来週見るべきポイントは5つ。

【1】米国債の3年・10年・30年の入札(10月6日・7日・8日)
米財務省の予定で、10月6日に3年債580億ドル、10月7日に10年債の追加発行390億ドル、10月8日に30年債の追加発行220億ドル。10年と30年は9月30日に2026年の最高を付けた年限で、上げの中身は実質利回りだった。落札の最高利回りが入札前の水準を上回るか、応札倍率が9月23日の5年債の2.21倍のような低さに並ぶかで、長い側の買い手の厚みが分かる。

【2】日本の10年利付国債と30年利付国債の入札(10月6日・10月8日)
財務省の入札カレンダーで確定している。10年債は10月1日に3.092%で、1996年8月以来の水準にある。9月29日の40年債は約3.10倍、9月30日の2年債は約3.89倍で通った。30年ぶりの水準で10年債に同じ厚さの需要が付くか、30年債の利回りが4.122%からどちらへ動くかを見る。

【3】FOMC議事要旨(9月15日・16日開催分・10月7日公表)
米連邦準備制度理事会の予定で、次の会合は10月27日・28日。9月の会合のあとに出た雇用統計は2万9,000人増で、失業率は経済見通しの要約の4.1%を上回る4.2%だった。議事要旨で、参加者が労働市場の減速をどこまで見込んでいたかを確かめる。

【4】米週次石油統計(10月7日)
9月25日時点の商業用原油在庫は4億2,732万バレルで、2週続けて増えた。留出油は1億518万バレルで約225万バレル減っている。3週目も原油の在庫が増えて価格が下がるか、それとも燃料の在庫の減少が原油の値段を支える側に回るかを見る。

【5】ミシガン大学の消費者調査 10月速報(10月9日)
9月確報で1年先の期待インフレ率は4.6%、長期は3.4%だった。一方、市場の10年の期待インフレは2.36%ポイント前後でほとんど動いていない。消費者の期待インフレが下がれば、名目金利の上げを実質の側が担っている今の形はさらにはっきりする。上がれば、名目の上げの説明は期待インフレの側へ戻る。

今週は、雇用統計が2万9,000人増と弱く出た週に、米10年債利回りが11bp上がり、その9bpが実質利回りだった週である。

上がった長い年限の値段に、来週は10月7日の10年債と10月8日の30年債の入札結果が答える。

🔗 一次ソース

本稿は市場環境の解説であり、投資推奨ではない。数値は更新時刻・データ元により差が出る。

🔗 この記事 https://livemakers.com/ja/articles/mkt12-weekend-20261003-39b62c7f
🌐 LiveMakers https://livemakers.com/ja
🌐 SITION Group https://sition.jp

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